南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

源泉掛け流し

2011-07-30 20:09:08 | Weblog
女房のムチ打ち治療で向かった先は、もう一度行ってみたかった寸又峡です。
2時間の限界を超えて運転するのは久しぶりです。
宿に到着して付近を散策しながら、とある土産物店に入りました。
そこにいたオッサンが美味そうにビールを飲んでいたからです。
私もさっそくビールとツマミを注文してオッサンにカマを掛けて聞いてみました。
「寸又峡温泉で源泉掛け流しのお湯に入れる宿はありますかねぇ」
オッサンはうるさそうに「あることはあるけれど…」といいながらもビールを飲むばかりであまり話をしてくれません。

そうこうしていると土産物屋の親父が来たので同じように聞いたところ、「すぐそこにあるよ」と教えてくれました。
ひょっとしたら私たちの泊まる宿かと期待して宿の名前を出しましたが、残念ながら違いました。
「そこもいい風呂だが掛け流しじゃないよ、掛け流しの宿はこのおじさんのところだよ」とオッサンを指差して言うではありませんか。
照れたような顔をしてオッサンはお湯の自慢話をはじめました。
「今時なら源泉にボイラーを焚かずに入れるから一番気持ちがいい。だけども小さな風呂だし、汚い民宿だから恥ずかしくてさ…」
場所を聞いてオッサンと別れて宿の風呂に入りましたが、どうしても未練が残ります。
宿の前にある酒屋さんで地酒を買ったら、そこに3ヶ所の立ち寄り湯に入れる木札を売っていました。
何気なく見るとその中に先ほどの民宿の名前があります。
喜び勇んで木札を買って、すぐその足で民宿へ飛び込みました。

「すみません、お湯を貰いに来ましたが…」
出てきたのはおかみさんらしき人です。
「ごめんなさいね、今日は客がいないんでボイラー入れてないんですよ」
「いえいえそのお湯に入りたいんです」
「困ったねぇ」
そのうちに奥からいいご機嫌のオッサンが「おい、どうした」と出てきました。
「さっきの話を聞いてお湯を貰いにきたんですが…」
「しょうがねえなぁ、入れてやれ」

本当にいいお風呂でした。
さっきのお湯とはまるっきり違うお湯です。
堪能して宿へ戻ると、出て行ったきり帰らない私に、あきれはてているムチ打ちが一人いました。

ぜひ一度みなさんも源泉掛け流しのお湯を堪能してみてください。
民宿「まえかわ」 Tel 0547-59-2373 一泊2食7000円 です。

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