南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

生きる意味

2012-11-24 20:07:48 | Weblog
聖路加国際病院 は、100歳を超えてなおかつ現役の日野原重明先生で有名ですが、ここの小児科にも素晴らしい医師がおります。
今年のキネマ旬報ドキュメンタリー部門第1位に輝いた「大丈夫。小児科医・細谷亮太のコトバ」の主人公細谷亮太先生です。

細谷先生が市民公開講演会に講師として招かれていることを知り、一月ほど前から応募し、楽しみにしておりました。
演題は「生まれてくること、死んでゆくこと」です。
細谷先生の親父さんも山形の田舎で休みなく往診を続けたお医者さんで、その背中を見て育ったとのこと。
今は親父さんは亡くなりましたが、生きていたときよりもその親父さんの心が分かってきたと話します。

ある患者さんの延命治療についての記録をビデオで見せてくれました。
小さなときに難病を患って、言葉のわからない外国で心臓移植手術を受けます。
しかし余病が発生し背中の骨が湾曲し、肺を圧迫するため開胸手術をし、人工呼吸器を付けます。
18歳の時に腎臓機能が低下、人工透析をしなければならなくなりますが、彼女はそれを拒否して家族とともに生活することを選択しました。
思い出作りのために、親子3人で最後の家族旅行にでかけ、幸せいっぱいの笑顔をそこにつくりました。

その笑顔を見て、父親はなんとしても人工透析を受けて延命を図れるようにと娘さんを説得しますが、彼女はどうしてもそれを受け入れませんでした。
そして最後を迎えるのですが、彼女が最後に残したメールも、母親に向けた小さな仕草にも回りを思いやる気持ちであふれていました。

なんとかして少しでも長生きしてもらいたいと願う父親と、もう充分頑張ったからという娘の気持ちが交錯する場面では、もう抑えきれない…。


「人は死んだら終わりではない。誰かがその子と過ごした時間を覚えている限り、その子は死なないんだ・・・」

本物の人間が語るホンモノの講演会は、ほんとうに素晴らしいですね。

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