南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

綸言汗の如し

2007-12-18 17:49:29 | Weblog

“綸言”とは天子の言葉のことで、汗が一度出ると再び体内に戻らないように、天子の言葉も一旦口から出ると訂正したり、取り消したりすることはできないという意味である。
天子とはすなわちトップリーダーのことであり、「宙に浮いた年金記録」への対応を巡り、『公約違反という大げさなものか』という福田首相の発言は内閣支持率の急落を招いた。

「宙に浮いた年金記録」に関する過去の発言を見てみる。
07年6月:安倍首相「5000万件は1年以内にすべて突合する」
07年7月:安倍首相「最後の一人に至るまで記録をチェックし、支払うことを保証する」
07年8月:枡添大臣「最後の一人まで記録をチェックし、正しく年金を支払う」
07年9月:福田首相「1人1人の年金記録が点検され、正しく年金が支払われることが重要だ」

12月になり枡添大臣が「約1975万件で持ち主特定が困難」との発表がなされる。
5000万件のうち1975万件の特定が困難であることにも批判の声が上がったが、そのことを「公約違反という大げさなものか」と軽くいなして詫びることもしなかった首相の態度が火に油を注いでしまった。

イチロー騒動でも代表辞任という言葉を軽々しく使って失敗したが、彼の場合は涙混じりのサプライズ記者会見で“綸言”を流してしまった。

いやいや本当に勉強になりますね。