南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

ゆがんだシステム

2006-06-28 21:30:10 | Weblog

お金を借りたら利息をつけてお金を返す、これ当然の常識です。
でも様々な理由から返済が滞り、お金を返せずに自己破産や担保物権の競売などが相変わらず発生しています。
国策としてバブル崩壊直後も景気浮揚のため政府旗振りの下で、かなり乱暴な融資も奨励されました。

あれから10数年が経ち、従来の社会システムを支えてきた常識が次々と崩壊をしました。
決して下がることのないはずの地価が、どんどんと下がりました。
毎年上がり続けるはずの給料が上がらずに、下がるような事態にも至りました。
それまでだったら返済が出来なくなれば、建物は年とともにボロ屋と化しますが、地価は上がり続けるために売却すればお釣りが返ってきました。
しかし今は売却しても借金を返せません。

上がるはずの給料は下がってしまい、ステップ償還を選択した勤労者は返済計画が狂って延滞を起こします。
おまけに不景気でボーナスが下がり、ボーナス返済分も払えなくなります。
とどのつまり自己破産か競売の道を歩みます。
残るのは家庭崩壊と借金です。

団塊の世代が大量に退職していきます。
組織労働者の大半は退職金で住宅ローンを返済します。
しかし退職金制度など無い労働者はたくさんいます。
地価は上がるはず、給料は上がるはず、というシステムの下で大きな借金を抱えて退職し、路頭に迷う労働者の存在が非常に心配です。
倒産した自治体「夕張市」の不幸も似たようなところがありますが、有効な対応策は見当たりません。
ゆがんだシステムから脱却した新しい社会システムがここでも求められています。