南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

不安定な世界

2006-05-23 21:31:00 | Weblog

20年前の円高と現在の円高についてリチャード・クーはこう語っています。
ドル高からくる米国の産業空洞化が一大政治問題化した当時(1985年)は、米国内で保護主義論が台頭しました。
レーガン大統領は保護主義から回避するためにドル安政策をとりました。
それがプラザ合意と呼ばれるものです。

現在の米国はドル安を容認していますが、保護主義の高まりは見られません。
しかし、経常赤字の規模がGDP比7%というとてつもない大きさです。
プラザ合意時でも3%弱でしたから、相当な危機状態にあります。
しかも85年当時はドル以外に基軸通貨と呼ばれるものは存在していませんでしたが、今回はユーロという強力なライバルがいます。
ですからドルからの資金シフトが容易になっています。
加えて資源大国であるアラブと中国の存在感が無視できないところまで大きくなっています。

資金は有利で安全な国へシフトします。
確実に世界の中でドル離れが起こり始めています。

さあ、巨大な不均衡を抱えた、極めて不安定な状況で日本はどこへ向かうのでしょうか?