
「かんける」ではありません
かん」に「ける」……?
突然ですが
「感ける」という漢字読めますか?
感じるや感動の「感」に、送り仮名の「ける」。
「かんける」ではないとすると……。
気になる正解は?
答えは、「かまける」でした。
あることに注意や気を取られて何かをおざなりにする、といった意味で使われます。

現代ビジネス編集部

. 「かまける(感ける)」の意味
「かまける」には2つの意味がある
かまける
- あることに気を取られて、他のことをなおざりにする。あるいは顧みる余裕がなくなる。
- 心をひかれる。感心する。共感する。
最近では、①の「あることに気を取られて、他のことをなおざりにする」という使われ方をしていることが多くなっています。
例えば 「遊びにかまけて、宿題が終わらなかった」とった使い方ができますね。
また、②の「心をひかれる」と言う意味も「かまける」には含まれていますが、この意味で使用されることはほとんどありません。
かまける」の語源は?
「かまける」の語源は奈良時代まで遡ります。
実際に万葉集に「はしきやし翁の歌におほほしき九(ここのの児らやかまけて居らむ」と言う歌の中で使用されています。
当時は現代で使われている「他の事をなおざりにする」という意味合いとして利用されていた訳では無く、「心をひかれる、感心する」という意味合いで用いられていました。
つまり、 「かまける」は「心をひかれる、感心する」という意味から徐々に「他の事をなおざりにする」という意味合いに派生をしていったと考えられます。
かまけるは方言なのか?
一部地域の方にとっては「かまける」は方言として用いられています。
長野県の方言として北信、中信エリアでは「愚痴を言う」、東信エリアでは「いそしむ」という意味合いで使われています。
長野県の該当エリアに住んでいる方は、世間の「かまける」と違う意味合いで用いられることがあるので、コミュニケーションを取る際には注意をしましょう。

「かまける」は日常的やビジネスのシーンで幅広く使われています。
「かまける」の正しい使い方としては、 かまけるの前に理由を先に述べて、それによってどのような影響が発生したかを表現すると良いでしょう。
例えば、「暑さ(理由)にかまけて、仕事を先延ばしにした(結果・影響)」という形で使うのが正しい使い方です。
ここからは日常での使用例とビジネスでの使用例に分けて、「かまける」を正しく使った例文を紹介していくので、実際に使えるよう参考にしてみてください。
日常での使用例
「かまける」を普段の生活で使用するならば、以下のような例文が使えます。
「仕事にかまけて家事がおろそかになった」
「ゲームにかまけて勉強をなおざりにしてしまった」
このように、一つのことに気を取られて、他に手が回らなかった時に使えるって見るといいですね。