ビタミンP

苦心惨憺して書いている作品を少しでも褒めてもらうと、急に元気づく。それをトーマス・マンはビタミンPと呼んだ。

報じられたくないことを報じる

2020年03月29日 21時14分53秒 | Weblog

ジャーナリズムとは、報じられたくない事を報じること。

それ以外は広報にすぎない。

(ジョージ・オーウェル/『1984年』の作者として知られる英国の作家・ジャーナリスト)


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移らんようにするより、「移さんこと」に

2020年03月29日 13時05分56秒 | Weblog

あるTwitterからの転載です。

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 かなり長い連続ツイートとなります。これはわたくし個人の意見で、京都大学とはなんの関係もありません。なおわたくしは1988年から一貫してウイルスを研究しております。論文も英語で200報以上書いております。叫び、届きますように!

3月28日


 まず、よく考えて!

 今、感染拡大を止めるのが大切。
 今回のウイルス、感染しても多くの人は気がつかない。無症状なんだよ! でも、それが危うい。他人に知らないうちに移しちゃう。そして、中には発症して、死んでしまう人が出る。


 まずは、意識改革だ!「自分は今、感染している!(無症状で!)」
「誰にも移しちゃいけない!」
そう考えるところから始まる。

コペルニクス的転回。
パラダイムシフト。
考えをひっくり返せ!

 移らんようにするより、「移さんこと」に意識を集中する。

 それをみんなでやれば、たとえ今自分が感染していなくても、他から移されないということだ。みんなでやれば、みんなが助かる。

 このパラドクス、この理論、わからんやつは帰れ!

 

 ウイルスが出てくるのは、咳とか唾とか呼気。
 普通の呼気だけでは移らん。(激しい運動は知らんが・・・)
 咳とか唾とかが相手に飛べば、その人に移る。
 でも、それは感染者のマスクでほぼ防げる。
 マスクは今は高いけど、普段は一枚20円ぞ!

 すごい効力なのに、たったの20円。
 一枚あれば、洗って2週間は使える。
 アルコールあれば、しゅっしゅで終わり。

 

 なるべく鼻で息を吸え!
 口呼吸で思い切りウイルスを肺の奥に吸い込むとかはやめとけ。(肺の奥でウイルスが増殖しだしたら終わり)

 花粉症なら鼻つまってるだろ! 口呼吸だろ! だったら、なおさらマスクだ!

 

 次にどこかに付いたウイルスからの感染。実はこっちが重要!
 たいていは手から移る。

 外出中は手で目を触らない、鼻を手で触るな、ましてや鼻くそはほじらない。(かくれてやってもダメ!)
 唇触るのもだめ。口に入れるのは論外。
 意外と難しいが、気にしていれば大丈夫!

 気になったら(どうしても鼻くそほじりたくなったら)、手を先に洗えば済むことだ。洗って思う存分ほじるがよい。
 人前で鼻が気になったら、上腕でなんとかしろ。

 外出してて手が洗えないならアルコールスプレー。
 それがないなら、ウエットティッシュー。
 それもないなら、ぬれハンカチだ。

 物理的にハンカチにウイルスちゃんを押しつけろ。
 ウイルスが1/100になれば、まず感染しない。

 

 人が集まっている所、怖いかも知れないけど、よほどやかましいところに行かなければ大丈夫だ。

 人と集まって話をする時は、マスクしろ。
 他人と食事する時は、黙れ。食事に集中しろ!
 味わえ! 友達との会話は食事後でマスクして話せ。それで十分だ!

 家に帰ったら、速攻手を洗え。
 アルコールあるなら、玄関ですぐに吹きかけろ。
 ドアノブも拭いとけ。

 

 酒? やめとけ。そもそも体に悪い。
 酒を飲んだら、会話するだろ。大声になるだろ。
 それが危険なことわからんやつは、とっとと感染しちまえ。
 一ヶ月会社休んで回復したら、みんなの代わりに仕事しろ。
 ただ、爺ちゃんばあちゃんの前には治るまで絶対に出るな。

 

 風呂はなるべく早く入れ! 帰宅後すぐがベストだ。

 たった、これだけ! これだけで感染爆発は防げる。

 

 都市封鎖、サラリーマンのお前は何も困らなくても、飲食店は確実に潰れる。他にもたくさん潰れるところは出てくる。関係ないと思っていても、恐慌になったら、お前のところもやばくなるぞ。他人事じゃない。


 いつかはお前もかかる。
 かかった時、助かるように、今からなるべく栄養つけろ。よく寝ろ。タバコはこれを機にやめろ。

 

 

 


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最初は本当だろうか?と思うばかりだったけれど

2020年03月29日 12時40分39秒 | Weblog

最初は本当だろうか?と思うばかりだったけれど、ノーベル賞14名も輩出している理工医系大学世界トップのインペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London)の発表だと考えると、次第に真実味が増してきた・・・。


新型コロナ、迅速かつ厳格な措置でも180万人死亡か?
2020年3月27日 10:43 発信地:AFP(パリ/フランス )
 
 英・インペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London)は26日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)による死者数は、感染拡大を抑止するための迅速かつ厳格な措置を取ったとしても、今年世界で180万人に達する可能性があるとの研究結果を発表した。
 研究では、各国政府が検査や検疫、対人距離の確保(ソーシャル・ディスタンシング)といった厳格な公衆衛生対策を迅速に導入すれば、数千万人の命を救うことができるとしている。

 各国当局から収集したデータと世界保健機関(WHO)からの情報に基づいたAFPの集計では、世界の新型コロナウイルスによる感染者は50万人を超え、死者は2万2000人を超えた。
 インペリアル・カレッジのモデリングシミュレーションは、ウイルスの感染力と推定死亡率に関する現在のデータと、人口統計学的および社会的な要因に基づいている。英政府は研究チームが先に発表した結果を受け、ウイルスの抑制策を強化した。
 今回の研究によると、介入が一切されなければ、新型コロナウイルスは今年、地球上のほぼすべての人に感染し、4,000万人が死亡する可能性があるという。
 研究ではまた、自発的な対人距離の確保から、感染拡大が深刻な国の一部で実施されている封鎖措置まで、さまざまなレベルの対策について、202か国における潜在的な健康への影響を予測。早期に厳格な封じ込め措置が実施された場合、1週間の死亡率は人口10万人当たり0.2で、今年の死者は186万人、感染者は約4億7000万人と推計している。
 一方、同様の措置を遅れて実施した場合、1週間の死亡率は人口10万人当たり1.6となり、今年の死者は1,045万人、感染者は24億人に激増するという。


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武漢の作家・方方が語った「都市封鎖」60日間

2020年03月29日 07時45分56秒 | Weblog

武漢の作家・方方が語った「都市封鎖」60日間
900万人の被災者たちが心に負った傷

中国・武漢在住の作家・方方が2020年1月25日の年明けから3月24日に武漢市が都市の封鎖を4月8日に解除すると宣言するまで、約60日間書き続けてきた封城日記という日記が25日に最終回を迎えた。
 方方は、約60日間に渡った日記の最後に、『聖書』の中にある使徒パウロの一節、「わたしは、戦いを立派に戦い抜き、決められた道を走りとおし、信仰を守り抜きました」という言葉を引用して、この歴史的な災難についての記録を締めくくった。
 以下は、その日記を掲載した中国メディアの財新記者が行った方方へのインタビュー。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Q:最初に武漢で新型コロナウイルスが発生したと聞いたのはいつですか?
方方:2019年12月31日のことです。私の一番上の兄が情報を入手しました。私たちは私と3人の兄の4人だけのグループチャットを持っています。普段からみんなで連絡を取っていましたが、主な話題は家庭内のことでした。12月31日午前10時、長兄が「武漢で原因不明の肺炎発生の疑い」という論文を送ってきました。
 さらにカッコ書きで“SARS”とも書かれていたのですが、兄も「本当かどうかわからない」と言っていました。それを見て、私と次兄ですぐにみんなに「外出しないように」と忠告しました。その後再び長兄が、この情報が真実であったこと、そして国家衛生健康委員会の専門家がすでに武漢に到着しているという情報をシェアしました。

政府は情報を隠蔽しないと思っていた

 三番目の兄は最初に感染爆発が起きた華南海鮮市場付近に住んでいたので、彼には当面は病院に行かないようにと言いました。しかし彼は外を見てみても、漢口(武漢市の北部地区)の市中心病院はいつもどおりだったと話していました。
 それから、同級生間のグループチャットで華南海鮮市場と中心病院の状況がわかる動画を見ました。すぐに家族とのグループチャット内に転送し、三番目の兄に外出する際はマスクをすること、元日以降は私の家に来ることを勧めました。
 私が住んでいた江夏(武漢市の南部地区)は郊外で、漢口から離れていたのです。三番目の兄は「状況を見てから考えよう」と言っていました。 
 次兄はあまり怖がりすぎることはないと考えていました。市民のために、政府も情報を隠蔽することはないだろうと思っていたのです。
 私も基本的には次兄と同じ考えでした。これだけの一大事ですから、政府が情報を隠蔽し、市民に真相を知らせないなんてあるはずがないだろうと信じていました。元日の午前、長兄が再び「華南海鮮市場の営業が停止した」という『武漢晩報』のニュースをシェアしました。それでも三番目の兄は「この辺はまだ何の変化も起きていない。みんなそれぞれやるべきことをやればいいよ」と話していました。
 ただ一般の市民として、この日には私たちはこの件をかなり重要視していました。講じていた措置は、マスクを着けたり、家に籠って外出を控えたりと、今と変わりません。恐らく他の武漢市民も私と同じだったと思います。SARSの恐ろしさを経験していますから、誰もこのニュースを軽視することはできなかったはずです。

Q:いつ頃新型コロナウイルスの感染状況が深刻になったと感じましたか?  
方方:1月中旬だったと思います。その時すでに民間ではさまざまな噂が出回っていました。当時は事態が深刻になったとは思っておらず、ただその病気が感染するもので、多くの人が感染しているというのは耳にしました。私は1月18日からマスクを着け始め、同居している叔母にも買い物に出かける際はマスクをするように言いました。

Q:(1月23日に)武漢が封鎖されるという情報を聞いたとき、何を思いましたか? 武漢を離れようとは考えましたか? また、封鎖される日に武漢から離れた人についてはどう思われていますか?
方方:私はおそらく早めに武漢封鎖の情報を知ったと思います。1月22日の夜に空港に娘を迎えに行き、帰宅したのはすでに1月23日の午前1時頃でした。私は普段から就寝時間が遅いので、スマートフォンを見てすぐに武漢封鎖の情報を知りました。
 武漢を離れようと思ったことはありませんし、もちろん事態があれほど深刻な局面になるとは考えもしませんでした。23日午前10時に正式に封鎖される前に、武漢を離れた人たちの考えについては理解できます。逃げるというのは人間の本能ですから・・・。その人たちを罵倒している人たちもきっと、もし当時武漢にいたらほとんどが真っ先に逃げ出したのではないでしょうか。  

武漢の封鎖が変えたのは人の心

Q:封鎖期間中は日常生活に何か変化がありましたか? 日々の過ごし方や物資の不足は?  
方方:私は寝るのが遅いので、基本的にはお昼ごろに起きて夜中に就寝していました。執筆は夜に行って、午後に家事や料理、それから感染状況の情報を調べていました。今のところ私の物資は不足していません。
 春節(旧正月)だったので、それなりの備蓄はありましたし、同僚や友人が食べるものを買ってきてくれたりもしました。それに食糧の支給も頻繁に行われており、私は小食なので、1回の支給分でも数回に分けて食べることができました。  
Q:もしウイルスの発生がなかったら、本来どのように春節を過ごす予定でしたか? 武漢が封鎖されたことによって個人の生活に起こった一番大きな変化は何でしょうか?  
方方:あまり変わらないですね。今年の計画はまず執筆中の中編小説を書き上げることでした。武漢の封鎖が変えたのは人の心だと思います。武漢の人々のこの惨状を見ていると、強い憤りと悲しみを感じます。
 この事態が収束した後、彼らの死が無駄になってしまうのではないかと不安に思っています。私は生きている人々が、(自分たちの)利益のために、死者が何のために亡くなったのか軽んじてしまうのではないかと心配しています。

Q:この期間、自分が感染してしまうのではと恐くなったことはありませんか?
方方:あまり恐れはしませんでした。私は長らく郊外に住んでいますし、自分が足を運んだ場所や接触した人、時間などを振り返ってみても感染する可能性は低いと思いました。
 でも可能性はゼロではなかったので、一日一日状況を見て、春節前には自分が感染していないことに確信が持てました。ただこうやって過去を振り返って可能性を排除するという方法も、よく考えてみれば、とても虚しいものです。
Q:アウトブレイクが起きている期間中、武漢の人々の心情は毎日ジェットコースターに乗っているかのように、悲しみ、感動し、怒り、恐れていたように感じます。この期間全体を通して、一番悲しいと感じた出来事は何でしょうか? また一番怒ったこと、感動した出来事は何でしょうか?
方方:最も悲しいのはもちろん人の死です。仲のいい人や同級生の死、みんな治療を求めながらも自分の無力を実感していることを知ったときは、とても辛かったです。その中でも最もショックだったのは常凱一家の死(中国湖北電影製作所の著名な映画監督である常凱一家4人が2月に相次いで死去したこと)です。

一番憤ったのは初動が遅れたこと

 一番憤ったのは、初動が十数日から二十日ほど遅れたことにより、後々の深刻な混乱を招いたことです。これは人災です。最も感動したことはやはり、医療従事者たちの勇敢な姿です。そして、武漢人の自制力と彼らの李文亮医師(武漢中心病院の眼科医。新型コロナウイルスについて12月末にいち早く警鐘を鳴らしたが、警察から訓戒を受けて自らも新型肺炎に感染、2月7日に死去)達に対する気持です。
Q:あなたの日記は武漢での感染症の状況を理解する窓口になっています。武漢以外の人たちが毎日起きてからまず「方方日記」を読むことが日課だと言っていますが、意外だと思いますか?  なぜそこまで注目されたと思いますか?
方方:意外どころではなく、まさかこんなことになるとは思ってもみませんでした。なぜそうなったのかさっぱりわからないし、微博(中国版ミニブログ)で好き勝手におしゃべりをするのも最近始めたことではないので、今回は驚きの極みです。他のメディアに書かれた記事を読んだことがないので、自分が他の人と何が違うのかわかりません。
Q:日記を書き始めたきっかけはなんですか?
方方:特に理由があるわけでもないです。雑誌『収穫』の編集長が寄稿を依頼してきました。その時、私は気分が悪くてあまり書きたくなかったのですが、その後、考え直してみたら、記録として残してもいいじゃないかと思いました。最初は好きなときに書いていましたが、微博ではいろいろな制限がなくて便利でした。
 その後、友達のウィーチャット(SNS)を使って代理投稿しました。ウィーチャットでは1日に1篇しか投稿できなくて、しかも深夜12時を過ぎてからしか出せないので、夜に書くことにしました。そして書くのがその時間ともなると、資料も少し多く集められます。

Q:多くの人はあなたの日記を戦場日記として読んでいるそうです。日記内では最前線での救援状況や感染症拡大の関連情報に言及し、多くの情報はあなたの友人や親族からきたものでした。あなたは直接、医療現場に赴いていないのに、どのようにこれらの情報を取捨選択して日記に書いたのですか?情報を選択する基準は?
方方:戦場日記ではありません。その位置づけは間違っています。これは被災者日記です。私も武漢の被災者の1人です。特に基準はなく、思いついたことを書いただけです。情報はどこでもあります。ネットはこんなに広くて、毎日人がおしゃべりして、自分の身の回りの話をしています。もちろん、専門的なことは医師に聞きます。
 このような個人的な記録において、さらに重要なのは個人的な感覚と個人的な視点であり、それは記者の報道とは異なるものです。任務ではなく、責任感や上からの要求も存在しないので、自由にできるのです。

誰かの歓心を買うために書いたのではない

 生活にはもともと多くの些細なことがあるので、個人の日記ではそれらを避けられません。情報が厳密ではないところはあるに違いないですが、多くはないと思います。例えば雷神山病院(新型コロナウイルスの患者受け入れを、2月5日に開始した武漢市江夏区の病院)の屋根が何枚か吹き飛ばされたときに、私は火神山病院(2月3日に開院した武漢市蔡甸区の病院)と書き間違いましたが、核心的な部分は間違っていません。
Q:あなたを(政府に対する)批判者だと思っている人がいますし、(市民の)弁護人だと思っている人もいます。ご自身の視点をどのように認知していますか?
方方:1人の個人的な記録で、しかも日記式の記録ですから、それほど大げさなものではありませんよ。私はずっと実事求是(訳注:本当のことや真実を求めること)を強調しています。批判すべきことを批判し、弁護すべきことを弁護しただけで、誰かの歓心を買うために書いているわけではありません。一般人の感染地域での記録にすぎないと位置づけてもらえばいいでしょう。
Q:日記の中では初期の感染予防対策のミスに対する批判もしていますが、(当局の)関係部門の不興を買うことは怖くないですか? また、あなたの日記にはいくつかの官僚の苦労も書いてあります。あなたが官僚を弁護していると思っているネットユーザーもいます。あなたはこのような批判をどのように見ていますか?  あなたは、かつての体制側の人間(訳注:方方は湖北省作家協会の主席を長く務めた)として、官僚の友人がたくさんいますが、この期間に友人が話を聞きに来たことはありませんか?
方方:彼らの不興を買っていることが、私といったい何の関係があるのでしょうか? 私はこんなに長く家に閉じ込められています。900万人の武漢人は外出できないし、(封鎖前に市外に出た)500万人の武漢人は家に帰れない。こんなにも多くの被災者がいます。関係部門はまず武漢人の機嫌がいいかどうかを考えるべきです。
 一部のネットユーザーは官僚の細かい動きにこだわっています。例えば字を読み間違えたこととか、市長の帽子がどうだ(訳注:1月27日、李克強首相が武漢を視察した際に、李首相が帽子を着けていないのを見た武漢市長があわてて帽子を脱いで官僚に渡したこと)とか。これらは大したことではなく、全力で感染防止対策をしている最中にはやめていいと思います。私たちが追究しなければならないのはもっと大きい事です。

 庶民がこれほどの苦難を受けている中、地方の官僚が地元を守って民を安んじることなどが、しっかりできているのかどうか、これを追究しなければなりません。当時、武漢がどれほど緊張していたかは、外部の人にはわからないことかもしれません。
 感染症拡大の期間には、大きな間違いでなければ、しっかり働いている官僚を責める必要はないというのが私の考えです。官僚が私の話を聞きに来ることはありませんでした。私がたとえ体制側の人間であったとしても、官僚ではありません。多くの人をよく知っていますが、官僚とはあまり交流がありません。
Q:日記が注目される一方で、あなたに対して面倒な批判もありました。注目と面倒事にどのように対応していますか?
方方:ただの極左分子たちの罵倒でしょう? ほとんどの極左分子が参戦しましたが、それが何になるのでしょうか?  彼らのレベルはあまりにも低いので、明らかな違法でない限り、捏造や人を陥れることでなければ、相手にせず彼ら自身が楽しんでいればいいと思います。
 しかもその中の何人かの大V(訳注:SNSで多数のフォロワーやファンを持つアカウントを言う)が私を罵る文章を書くのは、すべて報酬をもらうためです。彼らがやっているのは商売で、お金を稼ぐためです。私が彼らとだらだらやり取りしてもしょうがないでしょう? 何をしても無駄で、他人のビジネスを断ち切ることはできません。

媚びる知識人は目を覚ましたほうがいい

Q:感染状況の深刻な地域で執筆するのは、これまでの創作経歴と何が違いますか? 現在発表した日記はどこまでが被災者としての記録で、どこからが作家としての創作だと思いますか。
方方:被災者でもあり、見聞者でもあります。 私は900万人もの家に閉じ込められている武漢人の1人です。これは疑いようのない事実です。私は家にいて1歩も外に出ていませんが、現代のインターネットは武漢で何が起きているのかを理解できる条件を与えてくれました。電話、動画、そしてさまざまな文字です。
 ネット上で多くの記者が書いた文章、動画及び民間の個人メディアの内容を確認することができるほか、私には多くのクラスメイト、隣人、友人、知人、そして同業者や同僚がいます。彼らは私と同じ被災者です。私と話す中で、自然といろいろなことを教えてくれますし、日記の一部は彼らの家族の出来事です。
Q:あなたの日記では湖北の同業者(作家)に「(上に)媚びるのも限度がある」と注意喚起をしています。知識人が災難に直面した時、(体制への)賛歌を歌う現象をどう見ていますか?
方方:珍しいことではないでしょう。どんな災難の時にも媚びる詩文は少なくないものでは? 私がそう書いた時、武漢は本当に惨めな状況でした。私の心の中には怒りが湧きました。実は私以外にも武漢では多くの人が記録を残していますし、知識人の中でも多くの人が記録しているはずです。
 うちの一家は理工系の男ばかりで、政治に関心がなく、肝っ玉が大きくなく、おとなしく学問をしている人ばかりです。ただ私は媚びている人がいれば、目を覚ましたほうがいいと思います。武漢のようなひどい災難に対して、一部の人はよくわかっていないようでいい加減な詩文を出していたので、ついその時はこのような言葉を投げてしまいました。

Q:日記のある文章には、「時代の一粒の灰は、人の頭の上に落ちると、すべて一つの山になる。だが、私たちは、よりによってほこりが舞い上がる時代にいる」と書いてあります。知識人は人民と国家の大災害を前にして、どのような責任を負うべきだと思いますか?
方方:それは人民や国家にとっての大災害を前にして、知識人だけが責任を背負うべきだということですか。すべての人々が負うべきではないでしょうか? しかし、担えるかどうか、また耐えられるかどうかは、個人の選択になりますし、個人の能力にもよります。
Q:鍾南山(中国の感染症対策の権威で、政府専門家チームのトップ)は、「武漢は英雄の都市だ」と発言していました。その言葉をどのように理解していますか?
方方:中国では、どの都市も英雄の都市です。武漢だけではありません。だけど、鍾さんはこの感染症で武漢人が何を捧げたのか、そしてどんな被害を受けたのかを知っているからこそ、このような感慨を抱いたのだと思います。
Q:あなたは武漢を自分の敬亭山(安徽省にある名山、李白の漢詩「独座敬亭山」では敬亭山を擬人化し唯一の友であるかのような親愛の情を詠んだ)と呼んでいます。また日記の中には武漢女性の「漢罵」(訳注:武漢地方の特色のある強烈な叱り方)をシェアして、とても気が晴れたと思います。武漢人の性格はどんなものだと思いますか?
方方:武漢人の最大の特徴はサッパリしていることです。もちろん、話し方はとてもストレートです。早口で声が大きいので、それほど上品ではないように見えます。大部分の武漢人は友人のために刀を抜いて助け合うことを好みます。武漢人は常に義理を重んじ、それを誇りに思っています。

日記をやめて次の小説を書き続けたい

Q:今回の新型コロナウイルスは武漢人の心理にどのような影響を与えると思いますか。感染症の流行が終息後、武漢の人々はどのように心の再建を進めればいいですか?
方方:今回、武漢人が受けた傷は当然とても大きなものです。死者の話は抜きにしても、診療を求めている時に天に訴えても応答がなく、地に叫んでも返事がない時の惨状、その時の絶望感はとても深いものだったと信じています。
 死者はいなくなっても、その肉親は健在で、ともにあの惨憺たる時期を経験しています。こうした最も傷ついた人を置いて話をしないでほしい。60日以上困窮していた武漢の900万の市民にはみんな心の傷があり、抑圧、鬱、いらだちがあります。

 封鎖の解除後、さらに複雑な思いをするかもしれないし、さまざまな後遺症も出てくるだろうと思います。子どもが外出を怖がるかどうか、大人が近くで話すのを怖がるかどうかなど、ウイルスへの恐怖も長く残ると思います。
Q:感染拡大が終わり武漢の閉鎖が解除されたら、一番やりたいことは何ですか?
方方:日記を書くことをやめて、数日間ゆっくり休んで、まだ完成していない次の小説を書き続けたいと思います。

 


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ドイツ 際立つ低死亡率 0.7%、 イタリアは10%

2020年03月29日 06時36分29秒 | Weblog

ドイツ 際立つ低死亡率 0.7%、イタリアは10% 

新型コロナ早期検査を徹底

(2020/3/29付 日本経済新聞)

 新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、欧州の主要国で死亡率に大きな差が出ている。特にドイツは0.7%と突出して低い。早期検査で重症化しやすい高齢者の感染者増が抑えられている面がある。人工呼吸器の多さなども一定の効果を発揮している。感染者の把握が遅れたイタリアやスペインは死亡率がそれぞれ10%、7%に達し、医療崩壊の危機にある。

 

「我々はイタリアの友人とともにある」。ドイツのマース外相は26日、イタリアのコロナ感染者の50人程度をドイツの医療施設で受け入れると表明した。

 ドイツは感染者が28日時点で5万人を超え、欧州ではイタリア(約8万6千人)、スペイン(約6万5千人)に続く。

 感染者数は世界で5番目に多いが、目を引くのは死者の少なさだ。ドイツの死者数は約350人にとどまり、9千人超のイタリアや5千人超のスペインより圧倒的に少ない。

 ドイツは1月初旬の早い段階から新型コロナウイルスに感染していないかどうかの検査を始めた。3月中旬の段階で約16万人を検査し、このうち約6千人が感染していた。発見率は4%で、広範に検査したことがうかがえる。

 ドイツは幅広い年代への検査を徹底した結果、感染者には症状の軽い若年層も多く含まれる。これが死亡率が低い一因になっている。60歳以上の感染者の割合はドイツが約2割だが、イタリアとスペインでは約5割だ。

独政府が検査を徹底してきたのは理由がある。感染者を早期に発見することで外出自粛などを促し、重症化しやすい高齢者への接触を避けることが可能になった。ドイツは週16万人程度とされる検査能力を近く、週50万人まで増やす方針だ。

 一方でイタリアは27日時点で検査数に占める感染者の比率が2割を超える。比率が高いのはドイツに比べて検査数が十分ではないことが一因とみられる。イタリアの当局は実際の感染者数が60万人を超えている可能性があるとする。

 医療体制にも差がある。現地メディアなどによると、人工呼吸器はドイツで2万5千台あるのに対し、フランスが5千台、イタリアが3千~5千台にとどまっている。

 もっとも、ドイツへの悲観論も存在する。初期段階の感染者が多く含まれているとみられ、今後重篤な症状になる患者が増えるという予想が出ている。


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