ビタミンP

苦心惨憺して書いている作品を少しでも褒めてもらうと、急に元気づく。それをトーマス・マンはビタミンPと呼んだ。

アストラゼネカ治験に、一部の科学者から信頼性を疑問視する声

2020年11月28日 07時55分16秒 | Weblog

アストラゼネカ、新たなコロナワクチン治験か データに疑問の声

(ロイター 2020/11/27/2:45)

[27日 ロイター]英製薬大手アストラゼネカのソリオ最高経営責任者(CEO)は26日、英オックスフォード大学と共同開発している新型コロナウイルスワクチンの有効性を評価するために、追加で世界的な臨床試験(治験)を実施する可能性が高いと述べた。ブルームバーグが報じた。

 アストラゼネカが23日に発表した新型コロナワクチンの臨床試験(治験)の中間結果によると、まず半分の量を投与し、少なくとも1カ月の間隔を置いて全量投与した場合の有効率が90%と、計画通り全量を2回投与した場合の有効率62%を上回った。ワクチン開発関係者によると、1回目に半分の量を投与したのは「セレンディピティー(偶然の幸運)」だったという。

 これに対し、一部の科学者からは治験結果の信頼性を疑問視する声が上がっていた。

 報道によると、ソリオCEOは半分の量を投与した場合の有効性をさらに評価するために新たな治験を実施すると表明。「より有効性が高い可能性のあるケースが見つかったために検証しなければならず、追加試験が必要だ」とし、おそらく「国際的な試験になるが、有効性が高いことは分かっているので、今回の試験は少ない参加者で迅速に実施できる」と語った。

 また、今回の追加試験で英国と欧州の規制当局による承認が遅れるとは想定していない一方、米食品医薬品局(FDA)は米国外で実施された治験結果に基づきワクチンを承認する可能性が低いため、米国での承認には時間がかかるかもしれないと指摘。一部の国では年内の認可が予想されるとした。

 インペリアル・カレッジ・ロンドンの実験医学教授、ピーター・オープンショー氏は「限られたデータ発表しかない」とし、完全なデータと規制当局の見解を待つ必要があると指摘。米国と欧州の規制当局では「異なる見解を取る可能性がある」と述べた。

 専門家が懸念するのは、治験で最も有望な90%の有効性を示したのがサブグループ(特定の層)解析だった点。英イースト・アングリア大学のポール・ハンター医学教授は「無作為化比較試験におけるサブグループ解析は常に困難を伴う」と述べた。

 また、アストラゼネカがこれまで公開したデータについて重大な空白を指摘する声もある。インペリアル・カレッジ・ロンドンのダニー・アルトマン免疫学教授は「われわれはわずかなプレスリリースに基づき、非常に複雑な治験デザインを評価しようとしている」と懸念する。

 アストラゼネカが発表したデータは、目玉となる有効率以外に科学者たちが評価できる部分はほとんどなく、例えばサブグループで何人の感染が発生したのか、2回の全量投与群やプラセボ(偽薬)群で何人の感染があったかという点は明らかにされていない。

 フランス国立科学研究センターのモルガンヌ・ボンセル氏は「アストラゼネカがデータを選んでいる印象を受ける」と語った。

 一方、アストラゼネカは、半量投与については効果安全性評価委員会(独立データモニタリング委員会)と英規制当局によって審査され、承認されたとし、規制当局が公に「懸念はない」と確認したと説明した。

 また同社広報は、報道についての質問に「データを評価中で、さらなる評価のための最善のアプローチを規制当局と検討していく」とした上で、追加のデータは「当局への提出に向け準備している既存の治験データに加えられることになる」と述べた。

 オックスフォード大からコメントは得られていない。

 米FDAは、アストラゼネカのワクチン治験についてコメントしていない。欧州医薬品庁(EMA)は26日、「ワクチンの有効性と安全性に関するデータが同社から届けば、数週間以内に評価する」と表明した。

<楽観的な見方も>

 新たな治験で得られるデータの査読(ピアレビュー)付き分析結果は今後数週間にジャーナルに掲載される見通し。

 アストラゼネカはワクチンの供給で、日本やオーストラリアなど複数の国と合意している。

 オーストラリアのモリソン首相は27日、メディアに対し、同社のワクチンへの信頼を表明した。アストラゼネカのワクチンは豪国内では製薬会社CSLが生産を手掛ける。

 また、豪国内で同ワクチンの治験を行っているインド血清研究所は発表文書で「有効性は最低でも60─70%だ。これは有望なワクチンといえる」とした。

 

 


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レンズは人間には向けない!

2020年11月28日 01時32分27秒 | Weblog

こんな小汚い人間に

レンズなど向けてなるものか!

(白川義員=しらかわ・よしかず/「地球再発見による人間性回復」をテーマにマッターホルンなど厳冬のアルプスに原始の風景を求めて撮影を続けた写真家・・・NHK-BS『プレミアム・カフェ』)


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アストラゼネカ、英国とブラジルでの最終治験で70%の有効性

2020年11月24日 00時30分00秒 | Weblog

コロナワクチン、7割の効果 英アストラゼネカ、承認申請へ

(2020年11月23日20時49分 時事通信)

 

【ロンドン時事】英製薬大手アストラゼネカは23日、英オックスフォード大と共同開発中の新型コロナウイルスワクチンが、最終段階の臨床試験(治験)で平均70%の効果を示したと発表した。米製薬大手ファイザーなどに続き、有効なワクチン開発にめどが立った。直ちに世界各国での早期使用の承認申請に向けた手続きに入る。

 新型コロナの感染拡大が収まらない中、有望なワクチン開発の成果が相次いで発表され、光明となりそうだ。日本政府はアストラゼネカと1億2000万回分の供給で合意済みで、このうち3000万回分は2021年1~3月に供給される見通しだ。ロイター通信によると、チェン副社長は「(全体では)年末までに2億回分、21年3月末までに7億回分を準備できる」と述べた。

 発表によると、ワクチンを少なくとも1カ月の間隔を空けて2度投与した場合、投与量の違う2グループの平均で70%の効果があった。一方のグループでは効果が90%だった。安全性にも問題がなかったという。今回公表されたのは英国とブラジルでの約2万3000人分の治験結果で、日本を含む多くの国でも治験を行っている。


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新コロナワクチン接種、日本政府「21年前半までに全国民分」

2020年11月22日 07時17分10秒 | Weblog

アストラゼネカのワクチンは2021年初頭から供給開始、うち3000万回分は3月までに供給予定。


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いずれも急な右肩上がり

2020年11月22日 06時27分32秒 | Weblog

Covidー19(Apr.01ーNov.20 2020)

左から・検査数・陽性者数・入院者数・死者数(いずれも1日/全米)推移


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新型コロナワクチン、米政府は12月前半にも緊急使用を承認?

2020年11月21日 14時49分41秒 | Weblog

ファイザー、新型ウイルスワクチンの緊急使用許可を申請 アメリカで初
(2020・11・21  BBC NEWS)

 

 米製薬大手ファイザーと独ビオンテック(BioNTech)は20日、開発中の新型コロナウイルスワクチンの緊急使用許可を米食品医薬品局(FDA)に申請した。新型ウイルスワクチンの緊急使用許可申請はアメリカ国内で初めて。
 FDAがファイザーとビオンテックのワクチンの安全性を判断することとなる。データ評価にどれくらい時間がかかるかは不明だが、米政府は12月前半にも緊急使用が承認されると予想している。
 ファイザー製ワクチンの臨床試験の第3相では、65歳以上の接種者の94%を守ることが示された。
 イギリスは4000万回分の供給を予約済みで、年末までに1000万回分を確保するとみられる。

 新型コロナウイルスによる死者数が25万人を超えたアメリカでは19日、1日あたりの死者数が6月以来初めて2000人を超えた。こうした中でワクチンの必要性があらためて浮き彫りになった。

■ワクチンはいつ手に入るのか
 来月前半にFDAの承認が下りれば、ファイザーとビオンテックは「承認から数時間以内にワクチン候補を配布する準備が整えられる」とした。
 新型ウイルスの遺伝子コードの詳細が明らかになってから10カ月以内にワクチンの緊急使用許可申請にこぎつけた。これは、ワクチン開発としては驚くほどの速さだ。アメリカでワクチンが承認されるまでには平均で8年近くかかるとされる。
 ファイザーのアルバート・ブーラ最高経営責任者(CEO)は19日、緊急使用許可の申請は「世界にCOVID-19(新型ウイルスの感染症)ワクチンを届けるという我々の取り組みの節目だ」と述べた。
 しかし初回の供給量はごくわずかになるとみられ、最初の接種対象者は米疾病対策センター(CDC)が決めることになる。

 欧州委員会のウルスラ・フォン・デア・ライエン委員長は、欧州でも年内にワクチンを承認できるよう迅速に対応すると述べた。
 しかしワクチン承認には、複数の注意事項がある。ロンドン大学衛生熱帯医学大学院の薬剤疫学教授のスティーブン・エヴァンズ氏は、FDAも欧州医薬品庁(EMA)も「非常に慎重に検討する」はずだとした。
 BBCのナオミ・グリムリー保健担当記者は、今回のワクチンは特に、過去に1度も承認されたことのない実験的技術を採用していることもあり、広く普及するまでにはまだ長い道のりが残っていると指摘する。


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英、12月1日からファイザーワクチンの接種開始

2020年11月21日 01時53分36秒 | Weblog

ファイザーのコロナワクチン接種、12月1日から医療従事者、1月から高齢者 英は4月末までに全員接種へ

(Yahoo!ニュース 2020・11・21(土)0:08)

 

[ロンドン発]英当局は米製薬大手ファイザーと独バイオ医薬ベンチャー、ビオンテックの新型コロナウイルス感染症(Covid-19)ワクチンについて緊急使用を承認し、12月1日から国民医療サービス(NHS)の医療従事者、1月から80歳以上の高齢者から接種を開始します。

 NHS関係者によると、4月末までに発症・重症化リスクの少ない若者を含め国民全員を対象にワクチンを接種する計画です。ただCovid-19の予防接種は義務化されていないので、これから接種の必要性をどう国民にアピールしていくかが大きな課題になりそうです。

 ファイザーとビオンテックは18日、開発中のCovid-19ワクチンについて発症を防ぐ有効性が95%にのぼったとの第3相試験の最終結果を発表したばかり。

 ファイザーは数日中に米食品医薬品局(FDA)へ緊急使用許可を申請します。

 第3相試験は7月27日に開始され、4万3661人が参加。うち4万1135人が11月13日時点で2回目の接種を受け、その1週間後には170人が発症。ワクチン接種組は8人でプラセボ(偽薬)組は162人。重症化した10人のうちワクチン接種組は1人でした。

 65歳以上の高齢者でも有効性は94%。グレード3(重症または医学的に重大だが、直ちに生命を脅かすものではない)で頻度が2%を超えたのは倦怠感3.8%と頭痛2%のみで、安全性の問題も見られませんでした。

 英医薬品・医療製品規制庁(MHRA)のジューン・レイン最高責任者は18日、「ファイザーが報告した結果は非常に心強いものであり、先週の発表に追加された。試験の完全な結果をできるだけ早く受け取ることを楽しみにしている。それからワクチンの安全性と有効性の証拠を厳密に評価する」と話していました。

 英政府は10カ月でワクチンを承認できるよう法的な枠組みを整えてきました。

 医学研究を支援する英団体ウェルカム・トラストのワクチン責任者、チャーリー・ウェラー博士は次のようにファイザーとビオンテックのワクチンを評価しています。

「報告された追加データは暗い年に起きたもう1つの明かりだ。ワクチンの有効性に関する最新情報は非常に心強い。65歳以上で報告された94%という高い有効性は私たちの期待をすべて上回っています。65歳以上はリスクが最も高いグループの1つであり、医療従事者と並んでワクチン接種を優先する必要がある」

「規制当局が独立して厳密にデータを評価できるようにすることが非常に重要だ。その一方で私たちは幅広いワクチン候補の開発、スケールアップ、グローバルに公正なアクセスを確保するための努力を継続する必要がある」

「このパンデミックを終わらせるには並外れたレベルの世界的な協力が必要だが、最も危険にさらされている人々を保護するワクチン、効果的な治療、検査、不可欠な公衆衛生対策を組み合わせることでCovid-19を克服できる」

イギリスでの接種の優先順位は次の通りです。

(1)介護施設の高齢者と職員

(2)80歳以上と医療従事者、ソーシャルワーカー(さらに優先順位が上がることも)

(3)75歳以上

(4)70歳以上

(5)65歳以上

(6)65歳未満の高リスクグループ(がんなど)

(7)65歳未満の中リスクグループ(糖尿病、喘息)

(8)60歳以上

(9)55歳以上

(10)50歳以上

 この10グループで、第1波で死んだ人の最大99%をカバーしているそうです。新型コロナウイルス感染症に脆弱なグループは高齢者、男性、肥満、喫煙者、心臓病・高血圧・糖尿病の基礎疾患のある人です。


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「普通の風邪」によって獲得された免疫が、新型コロナウイルスにも効果を発揮?

2020年11月20日 15時58分27秒 | Weblog

「普通の風邪」による免疫が新型コロナウイルスを撃退する? 新たな研究結果が意味すること
(NATURE 2020.05.31 SUN 12:00)


「普通の風邪」によって獲得された免疫が、新型コロナウイルスにも効果を発揮するかもしれない──。そんな研究結果が、このほど公表された。ある病原体に対して起きる免疫反応が、別の似た病原体でも起こりうる「交差反応」と呼ばれる現象だ。

 

 新型コロナウイルス(正式名称は「SARS-CoV-2」)に感染したことのない人たちでも、このウイルスに反応する免疫細胞をすでに持っている可能性がある──。そんな研究結果が、このほど明らかになった。過去に風邪の原因となるコロナウイルスに感染していたことで、新型コロナウイルスに対しても「交差反応」する免疫がつくられたと考えられる例が、2つの研究グループから発表されたのである。
 新型コロナウイルスは、まったくの無症状から急性呼吸不全による死亡まで、非常に幅広い症状を引き起こす。このような幅広い変動性を説明できる遺伝的・生理的条件やメカニズムについては、いまだに解明されていないものが多い。そしてSARS-CoV-2を排除するための宿主の免疫システムにおける役割も、その大部分は未解明のままである。
 ほとんどの急性ウイルス感染の場合、宿主の体内で獲得免疫が発達する。ところが、“普通の風邪”を引き起こすヒトコロナウイルスでは、あまり強い獲得免疫応答が起こらないことが知られている。多くの人々が、年に複数回も風邪をひくゆえんである。このため、同じコロナウイルスの一種であるSARS-CoV-2に対しても、強い保護免疫が発達しない可能性が疑われていた。

 そこでSARS-CoV-2に、わたしたちの免疫細胞がどのように応答するのか理解することが急務になっている。現段階で開発途上にある多くの新型コロナウイルスワクチンのなかには、新型コロナウイルスに特異的に反応するヘルパーT細胞(CD+4T)、キラーT細胞(CD+8T)、およびB細胞(中和抗体)を主体とした免疫反応に焦点が当てられているものがあるからだ。
 例えばB細胞は、SARS-CoV-2を捕獲して細胞内への侵入を防ぐ。T細胞は、ふたつの異なる方法で感染を阻止する。ヘルパーT細胞はB細胞やほかの免疫細胞にシグナルを送って活性化させる。キラーT細胞は、すでにウイルスに感染した細胞を標的にして破壊する役割がある。

■ヒトの免疫細胞が反応するメカニズム
 そこで、カリフォルニア州ラホヤ免疫研究所の免疫学者であるシェーン・クロッティとアレッサンドロ・セッテ率いる研究チームは、バイオインフォマティクス・ツールを用いて、SARS-CoV-2のどの断片が最も強力な「T細胞応答」を引き起こすのかを予測した。そして、COVID-19から回復した軽症患者20人の免疫細胞を、これらのウイルスの断片に暴露して検証したのである。ウイルス感染の症状は個人差が大きいことから、ここではCOVID-19に対して“正常な免疫反応”を示し、問題なく回復した人々が基準とされた。
 すると、SARS-CoV-2の表面にある突起であるスパイクたんぱく質を認識する「ヘルパーT細胞」が、すべての患者から検出された。また、スパイク状の突起以外のたんぱく質に反応するヘルパーT細胞も見つかった。そして70パーセントの患者からは、SARS-CoV-2に特異的な「キラーT細胞」も見つかったのである。これらの一連の研究は、生物学分野でも最高峰の学術誌『Cell』で説明されている。

「最良のワクチン候補を予測し、パンデミック対策を微調整するためのあらゆる努力は、ウイルスに対する免疫応答の理解にかかっています」と、クロッティ教授は言う。「人々は新型コロナウイルスによる免疫がつくられないことを本当に心配していましたし、再感染した人々についての報告はそれらの懸念を強めました。しかし、平均的な人々が確実な免疫反応を示すことを知ることで、これらの懸念の大部分は解消されるはずです」
 この結果は、ベルリンにあるシャリテ大学病院の免疫学者アンドレアス・ティールらが投稿したプレプリント(査読前の論文)の報告とも一致している。彼らもまた、COVID-19で入院した18人の患者のうちの15人に、スパイクたんぱく質を標的としたヘルパーT細胞を同定していたのだ。

■“風邪”のウイルスを認識するT細胞は、SARS-CoV-2にも反応?
 コロナウイルスには、ヒトに日常的に感染する4種類(HCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1)があることが知られている。これらは、一般的な風邪の10〜15パーセント(流行期は35パーセント)を占めるとされるが、ほとんどの場合は症状が軽く、重症化する患者はまれである。
『Cell』に掲載された米国の論文発表では、風邪のコロナウイルスに感染した経験をT細胞が記憶しており、新型コロナウイルスに対しても反応することが報告されている。ある病原体に対して起きる免疫反応が、別の似た病原体でも起こりうる「交差反応」と呼ばれる現象だ。
 ラホヤ免疫研究所のグループは、SARS-CoV-2のパンデミックが始まる前の、2015年から18年の間に採取された過去の保存血液サンプルを新型コロナウイルスに晒し、T細胞反応を調べた。すると、SARS-CoV-2に感染したことのない血液サンプルのなんと約50パーセントから、この交差反応性が検出されたのだ。

 そこで研究チームは、風邪のコロナウイルス「HCoV-OC43」と「HCoV-NL63」に対する抗体反応を調べたところ、程度の差はあれど、すべてのドナーにIgG抗体の陽性を確認している。つまり、新型コロナウイルスに反応を示したこれらのT細胞は、別のコロナウイルスによる過去の感染によって生成された可能性が高いと考えられている。これらのウイルスのたんぱく質は、SARS-CoV-2のものに似ているのだ。
 また、ティール博士率いるドイツの研究チームも、SARS-CoV-2に感染していない被験者で、この交差反応性を確認している。彼らは68人の未感染者の血液を分析したところ、34パーセントの人たちがSARS-CoV-2を認識する「ヘルパーT細胞」を保持していたことがわかった。

■ただし、十分な免疫になるかは不明
 新型コロナウイルスに感染した多くの人々が軽い症状、またはまったくの無症状であることに、世界中の専門家が困惑している。これらの研究により、風邪のウイルスに感染してできた免疫が新型コロナウイルスにも交差的に反応することが、その理由のひとつである可能性が示唆されている。
 風邪ウイルスとの交差反応性は、世界人口の大部分がSARS-CoV-2に対してある程度の免疫をすでにもっていることを示唆している。それと同時に、地域によって感染率に違いがある理由もまた説明できるかもしれない。
 しかしいずれの研究も、T細胞の交差反応性をもつ人々が新型コロナウイルスに罹患しないことを立証したものではなく、観察された交差反応性がSARS-CoV-2に対する既存の免疫を一定レヴェルで提供しているかどうかは、いまだ不明である。また研究者らは、感染後に特異的なT細胞が生成されるからといって、COVID-19から回復した人が再感染しないことを意味するものではないと、注意を促している。

■考慮すべき重要なこと
 ウイルスに対抗する抗体の産生を促すには、ワクチンはヘルパーT細胞を刺激する必要があると研究者らは言う。ヘルパーT細胞には、異物を攻撃するシグナルを出して免疫細胞を活性化させたり、B細胞に働きかけて抗体をつくらせたりする役割があるからだ。
「COVID-19の症例で、SARS-CoV-2に対するヘルパーT細胞の強い反応が見られるのは心強いことです」と、クロッティは言う。
 ラホヤ免疫研究所の論文では、交差反応性のT細胞反応により、2009年のH1N1型インフルエンザ(豚インフルエンザ)の重症度が低くなった可能性について議論されている。当時、成人の多くに既存のT細胞免疫が存在していたからだ。交差反応性T細胞の存在は、より軽度の疾患と相関することが明らかになっている。

「現在進行中の新型コロナウイルスのパンデミックの深刻さを考えると、交差反応性コロナウイルス免疫はパンデミックの全体的な経過に非常に大きな影響を与える可能性があります。疫学者が今後数カ月の間に新型コロナウイルスが地域社会にどれだけ深刻な影響を与えるのか見極めようとする際に、考慮すべき重要な詳細なのです」
 これらの一連の研究結果は、今後の戦略やワクチン設計にも重要な意味をもつことだろう。


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人間が想像できることは、

2020年11月20日 15時54分06秒 | Weblog

「⼈間が想像できることは、⼈間が必ず実現できる」

("SFの⽗" ジュール・ヴェルヌ)

 


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ファイザー&ビオンテック新型コロナワクチン「スピード開発」の舞台裏

2020年11月20日 07時21分42秒 | Weblog

ファイザーとビオンテックはいかにして先陣を切ることができたのか

2020/11/19 ロイター

 米国で新型コロナウイルスの感染が広がり始めた3月中旬、ファイザーのアルバート・ブーラCEO(最高経営責任者)は、同社のワクチン研究者に電話をかけ、明確なミッションを与えた。

「彼は『このワクチンを作ることが君たちの使命だ。要求してくれれば、必要なリソースは手当てする』と言った」。同社でワクチン研究のトップを務めるフィリップ・ドリミッツァー氏は、ロイターの取材にこう振り返る。

 そのミッションは、刺激的であると同時に困難なものだった。過去に例のない取り組み―パンデミックを止めるワクチンを1年以内につくること―のため、ファイザーは研究者を強力にバックアップした。

「ブーラは、私たちが直面するかもしれない潜在的な障壁にばかりに関心を向けることは望んでおらず、そのかわり、『不可能に挑戦することの方がはるかに良い。たとえ成功しなかったとしても、素晴らしいことを成し遂げたことに変わりはないのだから』と言ってくれた」(ドリミッツァー氏)

■かつては「異端のアイデア」

 ロイターは、ファイザーと独ビオンテックが進めている新型コロナウイルスワクチンの開発プログラムで、重要な役割を果たした6人の科学者にインタビュー取材を行った。彼らは、新型コロナウイルスによるロックダウン下で取り組みを本格化させ、開発には当時進行中だったインフルエンザやがんの研究で得られた要素を取り入れた。両社は11月9日、世界各国で行った大規模臨床試験で初となる有望な中間解析結果を発表した。

 11月16日には、米国政府から10億ドル近くの研究開発支援を受けている米モデルナも良好な中間解析結果を発表した。いずれのワクチン候補も予防効果が90%を上回った。これは予想を超える高い数字で、パンデミック収束への期待が高まっている。

 ファイザー/ビオンテックとモデルナのワクチンは、ウイルスの遺伝情報をヒトに投与し、体内でウイルスのタンパク質を作らせることによって免疫を誘導する。こうした「人体をワクチン工場として機能させる」というアイデアは、かつては異端とされていた。バイオテクノロジー企業は何年にもわたってそれを検証してきたが、ファイザー/ビオンテックやモデルナの仕事によってこのアプローチが有効であることが確認された。

 ファイザーとビオンテックの場合、約4万4000人が参加する大規模臨床試験にどのバージョンのワクチンを使うかということを含め、通常なら数カ月かかる重要な意思決定をわずか数日で行った。

■「インフルエンザ」と「がん」の研究を応用

 ファイザーのドリミッツァー氏は、2009年に起こった新型インフルエンザのパンデミックで、スイス・ノバルティスのワクチン研究を率いた経験を持つ。彼のプロジェクトは、過去最速のパンデミック対応として3つのワクチンを生み出した。

 ドリミッツァー氏はノバルティスで、mRNAを使ってワクチンをつくる新たな手法のテストを始めた。一般的なワクチンが死滅したウイルスやウイルスの断片を使うのに対し、mRNAを使った手法に実際のウイルスは関与しない。

 mRNAワクチンの利点(それは開発の「速さ」のカギでもある)は、プラグアンドプレイにある。mRNAを運ぶ「乗り物」はそのままに、mRNAだけを変えればいい。ウイルスが突然変異したとしても、それに応じてmRNAを変えれば対応することができる。

 ファイザーでは、ドリミッツァー氏の同僚であるジュリア・リー氏が、数年前からmRNA技術に関するパートナーを探っていた。その中でリー氏は、mRNA技術を使ってがん治療薬を開発していたビオンテックに目をつけた。同社は、最高経営責任者のウグル・サヒン氏と彼の妻で最高医療責任者のオーザム・トリジャ氏が共同で設立した企業だが、当時はまだあまり知られていなかった。

「私はそれほど興味を持っていなかった。われわれはウイルス感染症の研究をしているのに、なぜがんをやっている会社を見ているのかと」。ドリミッツァー氏は振り返る。

 たた、リー氏は違った。ビオンテックにはmRNAの生産能力があり、強固な科学者のチームを持っていたので、感染症の研究を一緒にやりたいと考えていたのだ。「結局、私たちはドイツに渡り、ビオンテックのメンバーと会うことになった」(ドリミッツァー氏)。そうして、両社は2018年8月、mRNAをベースとしたインフルエンザワクチンの研究を始めた。

 ビオンテックの上級副社長を務めるカタリン・カリコ氏によると、コロナウイルスのパンミックを懸念したサヒン氏は今年1月、ビオンテックとしてワクチン開発に着手すべきと判断。サヒン氏自ら、いくつかのワクチン候補を設計したという。

 カリコ氏は「ビオンテックは小さな会社で柔軟性がある。一方、ファイザーのような大企業にはインフラがあり、スケールアップの方法や開発の進め方を知っている」と話す。3月初め、両社はパートナーシップを拡大することを決め、最大7億5000万ドルという契約を結んだ。

■4つのプロトタイプで臨床試験

 両社は、mRNAワクチンの働きが動物とヒトで大きく異なることを知っていた。そのため、安全性を確認する予備的な動物実験を行ったあと、臨床試験に進めるワクチン候補を1つに絞るための動物実験はパスし、複数のプロトタイプを臨床試験に移行させた。

 4月にはドイツで、5月には米国で臨床第1相(P1)試験が始まったが、両社はこれらの試験で4つのワクチン候補をテストした。ドルミッツァー氏は「ヒトに最も効果があるものを迅速に明らかにすることが目的だった」と言う。

 7月1日には、米国の成人45人を対象に行ったP1試験の予備的なデータを発表。4つのプロトタイプのうち「B1」と呼ばれるワクチン候補が最も安全性が高かったことが示された。このとき科学者たちは、ワクチンが新型コロナウイルスから回復した人よりも高い抗体産生を誘発する可能性があることに気付いた。7月20日には、ドイツでの試験のデータから、ワクチンがT細胞の反応も引き起こすことも示された。

 両社はこの段階で、4万4000人の登録を予定するP3試験には「B1」を使おうと考えていた。しかし、試験開始を数日後に控えた7月24日、「B2」と呼ぶ別のワクチン候補のデータがもたらされた。B2はB1と同様の免疫反応を示したが、高齢者での有害事象が少なかった。研究者たちはすぐに、P3試験に使うワクチンを「B2」に切り替えた。

 開発は急ピッチで進み、中には何週間も家族と会わずに仕事をした研究者もいた。ドルミッツァー氏も、3月以降はズームでの対話を除いて妻や子どもたちと会っていないという。「緊急性、協調性、集中力…私は今回ほどそれらを強く感じたことはない」。ワクチンによって産生された抗体の強さを測る新手法を開発したテキサス大医学部のペイ・ヨン・シー博士はこう話す。

 同時に、ニューヨーク州パールリバーにあるファイザーの研究センターでは、何百人もの労働者が感染予防のための厳格なプロトコルに縛られた。彼らはドアノブに触れることも許されず、すべてのドアは開け放された状態にされた。感染者が出た時に接触者がすぐにわかるよう、彼らは毎日接触したすべての人を記録するよう求められた。

 P3試験の被験者登録もスピーディーに進み、ファイザーのブーラCEOは、早ければ10月にも有効性に関するデータが得られるとの見通しを明らかにした。中間解析にはそれより少し時間がかかったが、大きな遅れにはならなかった

 そして11月9日、94人の発症者に基づき、ファイザーは衝撃的な発表を行った。ドルミッツァー氏が中間解析結果を知ったのは発表の数時間前。彼は、FDAが50%の予防効果を承認の基準としていることを指摘し、「誰も90%を超えるような有効性は期待していなかっただろう」と語った。

 一方、カリコ氏はワクチンの効果を確信していたという。「それまでの試験で、高いレベルの細胞性免疫反応が示されていた。ナーバスにはなっていなかったし、むしろ自信に満ちていた」

(Answers News)


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新型コロナへの一酸化窒素注入療法の可能性

2020年11月19日 00時43分00秒 | Weblog

重症化を防げ! 「一酸化窒素」をコロナ患者へ吸入する効果は?

日本人医師が米国で臨床試験

(2020年4月28日 火曜 午後0:10 FNNプライムオンライン)

 

■重症患者の致死率・・・「重症化予防」に効果はあるか

 目を背けたい数字がある。

「人工呼吸器を装着した患者のうち、88%が死亡」

 アメリカ・ニューヨーク州の医療機関「ノースウェルス・ヘルス」が系列の病院の入院患者を調査し、公開した報告書で明らかにした。このショッキングなデータが、地元メディアの見出しに大きく掲載されたのを見たとき、背筋がゾッとするのを覚えた。

 新型コロナウイルスの病状として「短期間で急速に重症化する」という特徴がある。

 この「重症化を予防する」というのが、医療現場では今、非常に重要なテーマとなっている。この課題に、アメリカ東部で挑んでいる日本人医師を取材した。

 マサチューセッツ総合病院の麻酔科医・市瀬史(いちのせ・ふみと)医師。市瀬医師らは、3月から、「一酸化窒素」をコロナ患者に吸入させるという臨床試験を行っている。

 この「一酸化窒素」とは、どんな働きをするのか。

市瀬医師:一酸化窒素は私たちの細胞も出しているガスで、おもに血管を拡張させるものです。

 それが最初に注目されたのは、新生児の肺高血圧という病気。赤ちゃんの肺の発育が悪かったりすることで、肺の血圧が上がってしまう病気で、それまで治療法はありませんでしたが、一酸化窒素を吸入させることで、効果が見られました。肺の血圧を下げればよくなるのは大人も同じなので、大人の肺疾患にも一酸化窒素吸入は行われています」

 血管を広げるという効果があり、通常の肺疾患治療にも使われる一酸化窒素だが、なぜ、新型コロナウイルス患者の臨床試験に踏み切ることになったのか。きっかけは2003年に、中国で流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)の患者に使用し、一定の効果が認められたことだ。当時のSARSウイルスと、今回の新型コロナウイルスはもちろん違うものだが、かなり似た点もあるという。

 今回、市瀬医師らが行っている患者への臨床試験は、おもに以下の2つだ。

市瀬医師「一つ目は重症患者に対してです。重症患者は自分では十分な酸素を取り入れられない状態なので、人工呼吸器で呼吸をサポートします。その人工呼吸器を通して、一酸化窒素を吸入させることで、肺の障害がよくなり酸素を血液に取り入れる力が戻り、肺から管を抜いて人工呼吸器から離脱できるかどうか、について臨床試験で調べたい。二つ目は、軽症から中等症の患者さん。この患者さんは自分で呼吸ができますが、重症化すると人工呼吸器が必要になってきます。こうなると予後が悪くなります。軽症と中等症の患者さんにマスクなどから一酸化窒素を(吸入)させることで、重症化を防げるのではないか、と。ここが知りたい。これがわかれば有効な治療法になると考えています」

 冒頭に示したデータでも、人工呼吸器を装着する重症化患者の予後は非常に悪いことがわかっている。

 臨床試験の目的は重症患者は「脱・重症化」、そしてそれ以外の患者は「重症化させない」効果について調べることだ。

■「呼吸が楽に」短期的には改善 長期の効果は・・・?

ー現在のところ、効果はどうですか?

市瀬医師:「まだ正式結果はわかりませんが、今までのところ、一酸化窒素を吸入した患者ではほとんどが、酸素を取り入れる能力が良くなっています。この病気の患者は呼吸の回数が多いのが特徴です。健康な人間は1分間に15回程度の呼吸ですが、新型コロナの患者は1分間に30回以上呼吸をして、はあ、はあ、といっている状態。これが一酸化窒素ガスを吸うと呼吸数が下がる(患者が多い)」

 短期的な改善は見られるが、回復につながったり長期的な改善が見られるかはもう少し臨床試験を続け、経過を見たうえでの検証が必要だという。

ーーそもそも、なぜ一酸化窒素で血管が拡張すると呼吸が楽になるのですか?

市瀬医師:「新型コロナウイルスにより呼吸が苦しくなるのは、肺から取り込まれて血液によって脳や心臓に運ばれる酸素の量が少なくなるからです。新型コロナウイルス肺炎になると患者の肺の近くの血管は細くなったり血栓ができたりして流れが悪くなって酸素を取り込みにくくなります。そこに一酸化窒素が吸入されると、肺の近くの血管に達し、血管を広げて血栓をできにくくするので血液の流れを良くすることができます。流れが良くなった血管には、肺から十分に酸素を取り込むことができるから息が楽になります」

■薬投与NGの妊婦唯一の治療法になるか

 また、この治療法の効果が証明されれば、市瀬医師がぜひ活用したいと考えている患者がいる。それは、妊婦の感染者だ。

 妊婦は、アビガンを含めた多くの治療薬が使うことができない。しかし、ウイルスは、侵入する人間を選んではくれず、実際に多くの妊婦が感染している。一酸化窒素は妊婦にも副作用がほとんどないとされているので、効果が証明されれば、ほとんど唯一の治療法になるといっていいだろう。実際、市瀬医師の病院でもすでに45人の妊婦が一酸化窒素を吸入しており、回復してすでに出産した女性が少なくとも2人いるという。

■ウイルスを殺せる?感染予防効果も調査・・・しかし注意点も

 治療目的以外にも、市瀬医師らが調べているテーマがある。

一酸化窒素が、「新型コロナウイルス」そのものを殺せるかどうか、だ。

 前述の2003年のSARSウイルスの場合、試験管の中では一酸化窒素がウイルスの活動を抑制し殺すことができた、という報告がある。そのSARSウイルスと似ているという今回の新型コロナウイルス。一酸化窒素には果たして、新型コロナウイルスを殺す効果があるのか・・・?

 もしそうなら、医療従事者に一酸化窒素を吸入すれば、感染リスクを低下させられるのではないか、との仮説も成り立つ。

 そこで日々、新型コロナウイルス患者の治療に当たっている医療従事者数10人に治療に当たる前と後に、それぞれ15分間ずつ一酸化窒素を吸入してもらい、感染率が下がるかどうかの実験も始めた。市瀬医師もそのうちのひとりだ。

市瀬医師「この病院では医療従事者400人以上がすでに感染しているんです。PPE(=個人防護具。医療用マスクやゴーグル、ガウンなど)が不足している場合は非常に危険なので、医療従事者を守る方法はないかとトライアルしています。方法はマスクから一酸化窒素を15分吸う方法です。結果は、今のところわかりません」

 仮に患者からウイルスを吸い込んだとしても、体内で増殖を止められるかを実験しているが効果はまだわかっていない。

 特に、一酸化窒素は医療関係者しか取り扱うことができず、市販もされていないものなので、感染を予防したいからといって一般の人が安易に吸入することは絶対にいけないと市瀬医師は警告する。

 マサチューセッツ総合病院に加え、ルイジアナ州とアラバマ州の医療機関も共同で行っているこの臨床試験。FDA=アメリカ食品医薬品局も高い関心を寄せていて、定期的に途中経過報告をするよう求められているという。また、日本の医療関係者からも問い合わせを受けていると、市瀬医師は話す。5月中旬には途中経過を発表する予定だ。

 多くの命を奪った新型コロナウイルスには依然、未知の部分が多い。

「できることは、なんでもやっていきたい」

 どうすれば治療や予防に効果が得られるのか。

 市瀬医師は、一人でも多くの命を救うため、検証を続けている。

【執筆:FNNニューヨーク支局 中川眞理子】


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超低温冷凍庫約3000台とドライアイスを国が確保

2020年11月18日 23時44分43秒 | Weblog

ワクチン承認で1万人規模の安全性調査検討 厚労省

[2020年11月18日19時0分]共同通信

 

 厚生労働省は18日の衆院厚労委員会で、新型コロナウイルス感染症のワクチンが承認されたら、同意が得られた人に一定期間、健康状態を報告してもらう安全性調査を検討していることを明らかにした。

 高齢者らへの本格接種を始める前に、接種後に起こる体調の変化を調べ、情報提供するのが目的。医療従事者を中心に1万人規模を想定している。

 マイナス70度で保管する必要があるワクチンの供給に備えて、超低温冷凍庫約3000台とドライアイスを国が確保する方針も示した。

 厚労委員会は、ワクチンを国が費用を負担して迅速に接種する体制を整えるための予防接種法改正案を全会一致で可決した。

 ワクチンを巡っては、日本が供給を受ける予定の米国の2社が、暫定的な評価結果ながらも臨床試験で90%以上の有効性が示されたと発表し、期待が高まっている。

 政府は来年前半までに国民全員分のワクチン確保を目指すとしており、接種に向けた準備を加速させる。

 開発中のワクチンは、メッセンジャーRNAと呼ばれる人工遺伝子を使うなど新技術を取り入れたものが多く、臨床試験を経て承認されても予期せぬ安全性の問題が起きる懸念は残る。政府は高齢者や持病のある人が優先的に接種する方針を決めているが、接種が本格的に進む前に一定の人数に接種して健康状態が変化するかどうかを見る必要があると判断した。

 2009年の新型インフルエンザ流行の際にも、先行してワクチンを接種した医療従事者約2万2000人を対象に安全性調査を実施している。

 厚労省の正林督章健康局長は「新型コロナのワクチンは短期間で多くの人に接種する可能性がある。報告された情報を迅速に評価し、必要な安全対策や情報提供を行う」と述べた。


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数日以内にFDAにEUA(緊急使用許可)の申請を提出予定(ファイザー)

2020年11月18日 23時19分23秒 | Weblog

ファイザーとバイオンテックは、COVID-19ワクチン候補のフェーズ3研究を終了、すべての主要な有効性エンドポイントを満たしています

(2020年11月18日水曜日-06:59am Pfizer Homepage NEWS)

 

 一次有効性分析は、BNT162b2が初回投与の28日後からCOVID-19に対して95%有効であることを示しています。170の確認されたCOVID-19の症例が評価され、プラセボ群で162、ワクチン群で8が観察されました。

 有効性は、年齢、性別、人種、民族の人口統計全体で一貫していました。 65歳以上の成人で観察された有効性は94%以上でした。

 米国食品医薬品局(FDA)が緊急使用許可(EUA)に要求する安全性データのマイルストーンが達成されました。

 データは、43,000人以上の参加者が登録されたすべての集団でワクチンが十分に許容されたことを示しています。重大な安全上の懸念は観察されませんでした。頻度が2%を超えるグレード3の有害事象は、3.8%の倦怠感と2.0%の頭痛のみでした。

 ファイザーは、EUA(緊急使用許可)のために数日以内にFDAに提出し、世界中の他の規制当局とデータを共有することを計画しています。

 両社は、2020年に世界で最大5,000万回分、2021年末までに最大13億回分のワクチンを生産する予定です。

 ファイザーは、ワクチンを世界中に配布するための豊富な経験、専門知識、および既存のコールドチェーンインフラストラクチャーに自信を持っています。

 ファイザー社(NYSE:PFE)とバイオンテックSE(ナスダック:BNTX)は本日、進行中の第3相試験で最終的な有効性分析を行った後、m(メッセンジャー)RNAベースのCOVID-19ワクチン候補であるBNT162b2は、研究の主要な有効性エンドポイントのすべてを満たしていました。データの分析は、以前のSARS-CoV-2感染のない参加者(最初の主な目的)および以前のSARS-CoV-2感染のある参加者とない参加者(2番目の主な目的)で95%(p <0.0001)のワクチン有効率を示しています)、いずれの場合も、2回目の投与から7日後に測定。最初の主要な客観的分析は、研究プロトコルで指定されているように、COVID-19の170例に基づいており、そのうち162例がプラセボグループで観察されたのに対し、BNT162b2グループでは8例でした。有効性は、年齢、性別、人種、民族の人口統計全体で一貫していました。 65歳以上の成人で観察された有効性は94%以上でした。

 このプレスリリースはマルチメディアを特徴としています。ここで完全なリリースを表示します:https://www.businesswire.com/news/home/20201118005595/en/

 試験で観察されたCOVID-19の重症例は10例で、そのうち9例はプラセボ群で、1例はBNT162b2ワクチン接種群で発生しました。

 現在まで、この研究のデータ監視委員会は、ワクチンに関連する重大な安全上の懸念を報告していません。フェーズ2/3試験の18歳以上の少なくとも8,000人の参加者のランダム化サブセットからなる最終分析からの非盲検反応原性データのレビューは、ワクチンが十分に許容され、ほとんどの要請された有害事象がワクチン接種直後に解決したことを示しています。 1回目または2回目の投与後に頻度が2%以上のグレード3(重度)の唯一の有害事象は、投与後の3.8%の倦怠感と2.0%の頭痛でした。以前の共有結果と一致して、高齢者は報告する傾向がありました。ワクチン接種後のより少なく、より穏やかな要請された有害事象。

 さらに、両社は、米国食品医薬品局(FDA)が緊急使用許可(EUA)に要求する安全マイルストーンが達成されたことを発表しました。ファイザーとバイオンテックは、これまでに収集された安全性と有効性のデータの全体、およびワクチンの品質と一貫性に関連する製造データに基づいて、数日以内にFDAにEUA(緊急使用許可)の申請を提出する予定です。これらのデータは、世界中の他の規制当局にも提出されます。

「この研究結果は、この壊滅的なパンデミックを終わらせるのに役立つワクチンを提供するという、この歴史的な8か月の旅の重要な一歩を示しています」 ファイザーの会長兼最高経営責任者であるアルバート・ブーラ博士は、これまでに収集されたすべてのデータをまとめ、世界中の規制当局と共有するために、科学のスピードで動き続けています。 「世界中で毎日数十万人が感染しているため、安全で効果的なワクチンを世界に届ける必要があります」

「最終的な有効性分析マークに到達した最初のグローバル試験で、COVID-19に対する高い保護率が最初の30 µg投与後に非常に速く達成できることが示され、早期保護を提供するBNT162の力が強調されたことに感謝します」 BioNTech(バイオンテック)のCEO兼共同創設者であるUgurSahin MDは述べています。 「これらの成果は、新薬としてのmRNAの可能性を浮き彫りにしています。当初からの私たちの目的は、COVID-19に対する迅速かつ強力な防御を生成し、すべての年齢にわたって良性の忍容性プロファイルを備えたワクチンを設計および開発することでした。これまでに研究されたすべての年齢層のワクチン候補BNT162b2でこれを達成したと信じており、レグとさらに詳細を共有することを楽しみにしています」

(注)以上はGoogle翻訳によるものです。


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ファイザー、重症化リスクの高い65歳以上の場合でも94%以上の予防効果

2020年11月18日 22時38分44秒 | Weblog

ファイザー ワクチンを数日中に使用申請へ
(2020・11・18  21:38配信 日テレNEWS24)

 アメリカの製薬大手ファイザーなどは18日、日本も供給契約を結んでいる新型コロナウイルスワクチンについて、数日中にアメリカ当局に緊急の使用申請を行う予定だと発表しました。

 臨床試験では95%の予防効果が確認されたとしています。また重症化リスクの高い65歳以上の場合でも、94%以上の予防効果があるということです。


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社員40人の中小企業がつくった「ワクチン用冷凍庫」

2020年11月18日 22時32分09秒 | Weblog

新型コロナのワクチン輸送に必要な「マイナス70℃」の冷凍庫 静岡・沼津市の中小企業が開発

(11/18(水) 19:44配信 静岡朝日テレビ)

 

 開発が進む新型コロナウイルスのワクチン。ワクチンは冷凍庫から取り出して、すぐに接種しないと効果が下がります。そこで必要なのが「マイナス70℃」を保つことができる特殊な冷凍庫です。

 その課題の解決に、静岡県沼津市の中小企業が立ち上がりました。マイナス70℃での輸送を可能とする専用の冷凍庫を開発したのです。

■バナナはカチカチに…

杉沢洋佑記者:「ワクチン輸送用に開発された冷凍庫の中を開けると、かなり冷たそうです。中に入っているバナナ。叩いてみると鉄のようにカチカチです」

■つくったのは社員40人の中小企業

 沼津市の機械製造会社「エイディーディー」。社員40人の中小企業がつくった「ワクチン用冷凍庫」の大きさは高さ94センチ、幅54センチ、奥行き80センチの箱型。マイナス120℃の冷却機能があります。

 想像するのも難しいその温度に驚きますが、開発までのスピードと利便性も衝撃です。

Q だいたいどれくらいでできた?

エイディーディー 下田裕人取締役:「1カ月程度ですね。基本の(超低温の)技術は変わっていないので。しかも-120℃を100V、いわゆる家庭用の電源で、すぐ動かすことができる。車用の電源でもすぐに動かすことができるというのは、世界で初めてと認識している」

 この冷凍庫には、1万回分のワクチンが入るといいます。さらに、電源がない状態でも、

40時間はマイナス80℃を維持することが可能。ワクチンが海外から国内に運ばれることを想定した設計です。すでに、この1週間で国内外から100件を超える問い合わせがあったということです。

エイディーディー 下田裕人取締役:「ASEANのほうに企業を展開している会社からの引き合いが多いので、おそらくタイ・マレーシア・シンガポール、もちろん中国とか含めて山間部、なかなか届けづらい場所までもワクチンを輸送できるのではないかと期待している」

■-120℃の世界は…

 では、普段体験することはないマイナス120℃を体験してみます。

杉沢記者:「温度計は-120℃を指しています。実はこの機械、アスリートが使用するアイシング用の機械なんですが、-120℃の世界、いったいどんなものなのか体験してみたいと思います。あっ、ヒンヤリとはするんですが、不思議なことにサウナにある水風呂より快適な感じがします」

 アスリート向けから、ワクチン運搬用まで、様々な用途の冷凍庫をつくるエイディーディーですが、今、願っているのは、ただ1つ、新型コロナの収束。その一翼を担うつもりです。

エイディーディー 下田裕人取締役:「社会問題になっていることを解決できることは、我々中小企業・製造業にとっては非常にうれしいこと。どうにか期待に応えたい」


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