ビタミンP

苦心惨憺して書いている作品を少しでも褒めてもらうと、急に元気づく。それをトーマス・マンはビタミンPと呼んだ。

カナダ、今夏の東京五輪不参加を表明

2020年03月23日 19時13分10秒 | Weblog

カナダ、今夏の東京五輪不参加を表明、

オーストラリアも事実上の拒否

2020/03/23


 カナダオリンピック委員会(COC)とオーストラリアオリンピック委員会(AOC)が、今年7月に開催される東京オリンピックに向けて声明文を発表した。
 世界的な新型コロナウイルス感染拡大により、スポーツ界にも大きな影響が出ており、東京五輪の予選などの大会が延期や中止を余儀なくされている。このような状況から東京五輪の延期を要求する声も強まっている。
 現時点で東京五輪は予定通り開催される予定となっているが、カナダオリンピック委員会(COC)は22日に「2020年に東京五輪が行われた場合には選手を派遣しないことを決断した」ことを発表。「アスリートの健康と安全以上に重要なものはない」と決断理由を説明し、開催の延期を呼び掛けた。

 また、IOC(国際オリンピック委員会)が東京五輪の開催を延期する可能性について今後議論することを発表したことを受け、オーストラリアオリンピック委員会(AOC)は23日に「オーストラリアのアスリートたちは2021年の東京五輪に向けて準備をしていく」と2020年に東京五輪が開催された場合は事実上参加を拒否することを明らかにした。


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優しいことは強いのよ

2020年03月23日 17時25分19秒 | Weblog

優しくね、優しくね。

優しいことは強いのよ。

(宮城まり子)

 


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自衛隊中央病院:ダイヤモンド・プリンセス号患者の症例報告

2020年03月23日 07時11分21秒 | Weblog

自衛隊中央病院
からの報告:新型コロナウイルス 感染症(COVIDー19)について


 当院におけるクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」から搬送された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)104症例のまとめです。

背 景 
 当院は第一種感染症指定医療機関として、2020年1月30日より武漢からの帰国チャーター便の有症状搭乗者を皮切りにCOVID-19疑い症例及び確定症例の受け入れを行い、2020年3月5日までにダイヤモンドプリンセス号船内感染症例と都内探知症例を含む計112症例(うち1症例はPCR陰性であるが臨床診断)を経験した。このうち2月25日まで観察し、報告に同意の得られたダイヤモンドプリンセス号からの搬送104症例について報告する。 
 なお、本報告は、COVID-19が現在進行中である新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による感染症であり、その経験・知見を可能な限り医療従事者と共有することが社会的に意義あるものと判断されることから当院ホームページに掲載するものである。 

症例の特徴 
 症例の特徴を表1に示す。患者の平均年齢は68歳で男女比はほぼ半々であった。国籍は17の国と地域と多様であった。48%に基礎疾患あり、高血圧が最も多かった。クルーズ船の乗員と乗客が混在しており、乗員は30~50代が中心で、乗客は70代が中心であった。乗客の健常時のADLは自立しており、総じて「普段は元気な高齢者」という印象であった。なお、104症例全例が、船内の検疫における咽頭スワブPCR検査でSARS-CoV-2陽性を指摘されていた。 


臨床症状、所見、治療、重症度 
 入院時及び観察全期間における臨床症状、所見、治療(酸素投与の有無)、重症度を表2に示す。無症候性陽性者の割合が高く、軽症例が41.3%、重症例は26.9%であった。入院時に有症状であった症例のうち最も多かった症状は発熱で全体の28.8%であった。全観察期間を通して最も多かった症状は咳嗽で全体の41.3%であった。酸素投与が必要となった症例は13.5%であり、そのうちの約半数がいわゆるネーザルハイフローやNPPV(注1)などの高流量酸素投与を必要とした。気管挿管による人工呼吸管理を必要としたのは1例であった。観察期間を通して全く症状や所見を認めなかった症例は全体の31.7%で観察期間中の死亡はなかった。
注1) NPPV:Noninvasiv Positive Pressure Vetilation非侵襲的陽圧換気療法 


考 察 
 当院に搬送された症例は、無症状あるいは軽微な症状を有するPCR陽性者が非常に多かった。軽微な症状を有する者についても、そのほとんどが一般診療の基準に照らし合わせれば、医療機関を受診するような病状ではなかった。当院の症例はダイヤモンドプリンセス号で感染した患者の一部ではあるが、このことからは、無症状あるいは医療機関を受診しない程度の軽微な症状のSARS-CoV-2感染者は多数存在すると考えられる。2020年2月27日にWHOのテドロス・アダノム事務局長はCOVID-19について「鼻汁はあまり出ない。90%の人は発熱し、70%は空咳を伴う」とその症状の特徴を述べたが、これは有症状者に限った話と捉えるべきである。この背後には多数の無症状、または、軽微な症状のみの者がいると考えざるを得ず、事務局長が指摘する症状がなければCOVID-19ではない、あるいは可能性が下がると言えるものではない。すなわち、プライマリケアの場において必要とされる症状スクリーニングによる臨床診断の精度向上は、非常に困難である。 

 
 無症状の感染者であっても、胸部単純CT検査にて異常影が観察されることがある【1】。当院でも来院時のCT検査では全体の67.0%、無症候性陽性者及び軽微な症状を有する症例に限定しても、約半数に異常陰影を認めた。陰影は両側末梢胸膜下に生じるすりガラス様陰影が特徴で、胸部単純レントゲン写真では異常を指摘できない症例が多かった(Fig1,Fig2)。無症候性陽性者及び軽微な症状を有する症例で、CT検査で異常影を認めたうち、約3分の2はそのまま症状が変化することなく軽快し、約3分の1は症状が増悪した。増悪する場合の画像変化は、経過とともにすりガラス様陰影の範囲が広がり、徐々に濃厚なair-space consolidationを呈することであった(Fig3)。我々は無症状あるいは軽微な症状にもかかわらずCT検査で異常陰影を認める病態を「Silent Pneumonia」と呼んでいる(Fig4)。「Silent Pneumonia」から「Apparent」になる際は、発熱や咳嗽の増悪や呼吸困難の出現ではなく、高齢者ではSpO2の低下、若年者では頻呼吸の出現で気付くことが多かった。
 また、症状増悪は初発から7~10日目であることが多く、比較的病状はゆっくりと進行した。このため疾患の増悪に気付きにくい恐れがあり、このことが、高齢者の死亡率上昇に関係している可能性も考えられた。COVID-19の死亡のリスクファクターとして年齢と基礎疾患の有無とする報告が多いが【2,3】、クルーズ船以外の症例を含めた自験例では、重症で救命できた症例の中には、基礎疾患もなく、年齢もそれほど高齢でない症例が少なからず見られている。しかしながら、これらの症例に共通する因子は不明であった。


PCR要請、自覚症状なし、CT上肺炎像→→Silent Pneumonia

 「Silent pneumonia」に関連して、無症候性を含む軽症者でも画像変化が認められることから、CT検査がPCR検査よりも感度が高いという報告がある【4,5】。当院で経験した症例においても、無症候性を含む軽症者のCT検査で異常所見が認められている。また、クルーズ船内で濃厚接触となる同室の家族や友人等がPCR陽性で、本人もCT検査で明らかに他の症例と類似する両側末梢のすりガラス様陰影を認めるにもかかわらず、PCRが陰性となる症例を一定数経験した。そのような症例において、繰り返しPCRを実施すると陽性になる症例もあれば最後まで陰性のままの症例もあった。また、退院確認時の2回連続のPCR検査も、1度目は陰性であるにもかかわらず、2回目が陽性となる症例を数多く経験した。これらの経験から、PCR検査の感度はさほど高くないのではないかと考えられた。明確な検討はできていないまでも、感覚的には70%程度の感度ではないかと思われた。しかしながら、当院のように全例CT検査(注2)を行うかどうか、判断は難しいところである。 
 注2) 当院では病院施設の構造上、一般患者とCOVID-19患者の動線を区別するため、一般撮影ではなくCT検査を実施した。

 血液生化学検査所見では、COVID-19群と非COVID-19群において、CRP、LDH、AST、eGFR、Naに有意な差があり、リンパ球減少が観察されるとの報告がある【6】。しかしながら、当院では、無症状あるいは軽症例では、検査値異常を認めないことが多かった。また、他疾患との鑑別においても特に有用と考えられるような所見は得られなかった。一方、当院においても重症例ではリンパ球減少が認められた。我々の症例からは、接触歴や渡航歴を有しCOVID-19が強く疑われる症例では、AST、LDHの上昇とリンパ球数減少が揃えば、PCRでも陽性となる可能性が高いと考えられた。 

 当院で経験したクルーズ船からの症例の約86.5%は軽症のまま軽快した。しかしながら13.5%の症例に酸素投与が必要であり、その半数は高流量酸素投与が必要であった。重症化に関しては、発症から7-10日目から緩徐に進行するものがほとんどであったが、病勢のピークアウトにも時間がかかり、その後の軽快も非常にゆるやかな印象である。当院においては、観察期間中幸いにも死亡例はなかった。中等症~重症化しても適切な酸素投与を実施するなどの対応をとれれば救命可能な症例は多いと考えられた。なお、重症症例においては、ロピナビル/リトナビル(商品名:カレトラ)、ファビピラビル(商品名:アビガン)、シクレソニド(商品名:オルベスコ)、ペグインターフェロン アルファ-2a(商品名:ペガシス)、リバビリン(商品名:レベトール)等を患者及び家族の同意を得た上で、院内において適応外使用についての所定の手続きをとり、日本感染症学会の「COVID-19 に対する抗ウイルス薬による治療の考え方 第 1 版 (2020 年 2 月 26 日)」を踏まえて使用した。しかしながら、使用症例が少数であること、重症例にしか使用していないことから、その効果について言及することは困難である。

 当院は、これまで第一種感染症指定医療機関として平素から感染症患者受入れ訓練を実施するとともに、防衛省の医療機関として首都直下型地震等を想定した大量傷者受入れ訓練を実施してきた。今回の100例を超える感染症患者の受入れにおいては、この2つの訓練のノウハウを活用し対応した。また、平素、感染症診療に携わっていないスタッフの動員に対しては、病院ICT(注3)スタッフのみならず全国の自衛隊病院感染管理認定看護師の協力を得て、N95マスクフィットテストやPPE(注4)着脱訓練を行い、ゾーニング要領を徹底して感染管理の質の維持に努めた。ダイヤモンドプリンセス号からの患者は全員退院したが、スタッフの発症あるいはPCR検査陽性は確認されなかった。この事実からは感染管理の重要性が明らかであるとともに、COVID-19確定症例とわかって対応していれば院内感染は起こりにくい可能性も示唆される。現在までに報告されている院内感染事例はCOVID-19の診断がなされる前に生起していることが多く、院内感染を防ぐためにはいかに疑い、診断するかが大きく関わってくると考えられる。なお、当院では多数の患者を受け入れたため、陰圧室は不足し、患者の多くは陰圧機能のない一般病室に収容した。このため、ウイルス量が多く、ネーザルハイフローや人工呼吸器などのエアロゾル発生機器・手技を多く必要とするであろう重症例から陰圧室を使用し、ゾーニングを徹底した。標準予防策に加えて接触感染予防策、飛沫感染予防策を実施し、マスクは原則N95マスクを使用した。アイガードの徹底に加えて脱衣に熟練を要するいわゆるワンピース型PPEは用いず、アイソレーションガウン使用を標準とした。さらに挿管時にはPAPR(注5)も装着した。 

注3) ICT:Infection Control Team 感染対策チーム 
注4) PPE:Personal Protective Equipment 個人防護用具 
注5) PAPR:Powerd Air Purifying Respirator 電動ファン付呼吸用保護具 

 今回クルーズ船の乗員乗客として、日本も含めて計17の国と地域という多様な国籍の患者を短期間に多数受け入れた。このため、患者とのコミュニケーション及び各国駐日大使館との調整・病状説明等に膨大な通訳所要が発生し、全国の自衛隊部隊等から通訳の支援を受け対応した。入院症例は軽症者が多かったため、本国との連絡手段を確保するとともに母国語で情報収集したいとの要望に応える必要がありwifiルーターを設置した。病院食に対しても様々な要望があり、献立を工夫する等、患者サービスの向上に努めた。また、PCR検査の実施においては、提出から結果の確認まで最長1週間待たされる等、困難を極めた。そのような折、国立感染症研究所及び陸上自衛隊対特殊武器衛生隊にPCR検査の面で非常に大きな助力をいただいた。今回の受入れを乗り切ることができた要因の一つであると考えている。 
 
 今回のCOVID-19症例の多数受け入れは当院にとって大きな挑戦であったとともに、しばらくは継続すると予測されるCOVID-19への対応も含めた今後に向けて大きな経験、財産となった。これから来るであろうCOVID-19の拡大期、蔓延期に向けて、ホームページに目を通していただいた医療従事者の皆様に当院の経験が少しでも役立てば幸いである。 
 
自衛隊中央病院感染対処隊診療部
新型コロナウイルス感染症対応チーム一同
チーム長:自衛隊中央病院第2内科部長・感染症内科
1等海佐 田村 格


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新型コロナ、無症状は発表対象外・・・武漢で4日連続感染者「ゼロ」の中国

2020年03月23日 02時10分27秒 | Weblog

新型コロナ、無症状は発表対象外・・・武漢で4日連続感染者「ゼロ」の中国
2020年03月22日20時38分 時事ドットコムニュース

 【北京時事】中国政府は22日、世界的な新型コロナウイルス感染が始まった湖北省武漢市で新たに確認された感染者が4日連続で「ゼロ」だったと発表した。ただ、中国ではウイルス検査で陽性であっても、発熱やせきなどの症状がなければ「感染者」として扱われていない。政府統計そのものへの不信感もあり、市民の不安は根強い。

 中国国家衛生健康委員会は2月14日の記者会見で、「無症状の感染者は病原体を広げる確率は低い」と説明し、検査で陽性であっても発熱やせきのような症状がなければ感染者として発表しないという基準を明らかにした。だが、この判断基準をめぐり、現場では混乱が起きている。
 武漢市※口区(※石へんに喬)の今月20日付の発表によると、同区内の社区(町内会)で19日夜、新型ウイルスの「新たな感染者」が確認されたことを伝える「重要通知」が出された。※口区が調べたところ、住民の男性(62)が19日の検査で陽性反応が出て入院していた。男性は発熱やせきなどの症状がないため政府基準の「感染者」に該当しないが、社区が誤って「通知」を出した。男性は20日の検査では陰性だったという。
 新型ウイルスは、検査で一定の誤判定がある一方、潜伏期間中にも感染力があるとされている。日本の厚生労働省は検査で陽性であれば無症状でも「無症状病原体保有者」として感染者に含めて公表している。中国版ツイッター「微博」には「無症状でも感染者ならうつすの? 怖い」と書き込まれた。
 また、新規の感染者が意図的に隠蔽(いんぺい)されている恐れもある。北京大の姚洋国家発展研究院長は最近公表した論文で「地方当局者は『新たな感染者を1人でも出せば処分する』という指令を受けている」と指摘した。中国では目標達成を装うために統計が改ざんされるケースがあるとされ、感染者の発表についても不透明感がぬぐえないのが実態だ。


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ある中規模総合病院 でのCOVIDー19の診療の経験

2020年03月23日 01時52分43秒 | Weblog

 

ある中規模総合病院
でのCOVIDー19の診療の経験を
一人の内科医さんが伝えてくれています。

3月21日
 この1か月、都内の一般病院でCOVID-19の診療にわずかですが携わったので、その経験を記します。なお、私は呼吸器や感染症の専門医ではないので、あくまで一内科医としての経験、意見であり所属する医療機関を代表するものではありません。

3月21日
 2月に入ってから連日、クルーズ船の乗客から陽性者が多数報告され、都立病院にも収容されていると聞いていましたが、それが限界に近づいており一般病院でも受け入れを要請されるとの噂が流れてきました。

3月21日
 2月中旬に陰圧室を持っているような病院のICT担当者が招集され、正式に患者の受け入れが要請されたため、翌日から患者さんを移動させ1日で感染者用の病棟が準備されました。当初、どんどん入院してくると思っていましたが、実際はぽつりぽつりという感じで、これが最も意外でした。

3月21日
 それほど入院数が多くなかった理由としては、受け入れ病院の数が増え分散されたこと、当院はICUがないため、軽症から中等症の方に限られたことなどがあると思います。河野大臣がツイートしていましたが、自衛隊病院は多くの患者さんを受け入れています。

3月21日
 日本の検査数が少ないと報道されていますが、確かに当初は「なぜこの人を検査してくれないのか?」といったケースもありましたが、現在では概ね中等度以上の患者はほとんど検査されており、その実数に大きな乖離はないように思います。

3月21日
 一方、無症候やほとんど症状がないような人は検査があまりされていないので、検査数を増やせばそうした症例数は増えると思われます。山に例えれば裾野の部分は大きくなると思いますが、7-8合目以上の規模は概ね把握されているのが実感です。

3月21日
 COVID-19を疑う根拠が非常に乏しい人に検査をしても事前確率が低く、あまり意味がありません。一方、普通ではない肺炎像があったり、濃厚接触者は事前確率が高く、こうした人達は逆に積極的に検査はされている印象です。

3月21日
 COVID-19の臨床的特徴は「非常に肺炎を起こしやすい」ということではないでしょうか。インフルエンザ患者を診ていても、細菌性肺炎の合併は時々あってもウィルス性肺炎自体はかなり稀です。しかしCOVID-19では、通常なら風邪程度の症状でもCTを撮影すると、複数の肺炎像が見られます。

3月21日
 すでに報告されているように、このCT像がかなり特異的です。胸膜にへばりつくようなすりガラス、あるいは網目状の陰影が複数見られます。通常の細菌性肺炎とはかなり異なる印象です。他院からCOVID-19の鑑別のために患者さんが紹介されてくるのですが、CTでスクリーニングをおこない、怪しい影があればPCR検査を行なっているのが現状です。幸いCTスキャンが2台あるため、一般患者と分けて検査することが可能でした。またCTでは明らかな多発性陰影でも、レントゲンではかなり分かりにくく、それだけでは否定できません。

3月21日
 このような状況になって思うのは、パンデミックの際には病院や医療システムに余裕が必要だという事です。病床に余裕があるからこそ、専用の病棟を作れますし、外来にしても普段使わないエリアがないと、患者の動線を分けることができません。
 国全体の医療システムにも余裕がないと、パンデミックへの対応は難しいことを実感します。一つの病院に限界近い患者が殺到すれば、院内発症(アウトブレイク)が起こり、さらなる患者の増加を引き起こすことは確実で、まさにイタリアでこうしたことが起こっているのだと思います。

3月21日
 この1か月間で、新規患者数はほぼ横ばいでどんどん増えているという印象はありませんので、様々な自粛要請やリモートワークへの移行などの措置がある程度有効なのだろうと感じます。ただ、このまま収束していくかどうかは、現場の末端にいる医師にはわかりません。

3月21日
 ここまで一気に書いたので、少し補足します。民間の検査会社でもPCR検査は可能になりましたが、現時点では行政機関のほうが結果が帰ってくるのが早いため、そちらに依頼しています。検査の適応については、行政側と現場の医師の間に、「こうした症例は検査すべき」といった暗黙の合意ができつつあり、当初よりスムーズになっているようです。現在、クルーズ船の患者さんが少しずつ退院し始めており、今月末から来月にかけて国内発症者の退院も増えていくと思われます。

3月21日
 受け例が決まった時は、私も含めすべての職員は不安だったと思います。ただ、結局はどこかが受け入れなければ患者さんが溢れてしまいます。声を大にして言いたいのは、COVID-19を受け入れても病院に大きな収入が入るわけではありません。
 むしろ入院・外来患者ともに減っており経営上は大きなダメージがあります。マスクも潤沢にあるわけではなく、ギリギリでやっているのが現状です。ここで院内感染でも起こって病院を閉鎖するようなことがあれば、経営上はさらに大きな打撃を受けることになりますが、現状ではそれが補填されるわけでもありません。
 当初、東京のような過密都市では爆発的に患者が増えるかと思いましたが、そうでもありません(現場の実感としてもそうです)。京都も患者数は比較的少ないようですが、どちらも他人によそよそしい街だからでしょうか?(冗談です)。

3月21日
 先程も書きましたが、私はこのウィルスを完全に封じ込めることは不可能だと思います。我々にできるのは、現在の医療システムが対応可能なレベルに患者数をとどめておくことです。一方、経済活動をいつまでも制限したり鎖国のようなこと続ければ、経済の破綻により死ぬ人が出てくることは間違いなく、国は、感染者数を一定以下にとどめつつ経済活動を少しずつ元に戻していくという難しい舵取りを迫られていくのでしょう。
 一部に、集団免疫ができれば大丈夫という意見があるようですが、このウィルスについては未知のことが多く、私はその考え方については懐疑的とは言いませんが賛成もできません。

3月21日
 私は3月末に退職するのですが(1年前から決まっていたことなのです)、COVID-19の診療にあたっている末端の現場の状況をお伝えしたく長々とツイートしました。

3月21日
 私の体験と考えはあくまで、都心部の一般病院でのそれですので、地域が違えばまた異なる状況であることは言うまでもありません。

(北川/脳神経内科医/開業準備中)さんのTwitterより


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