きときと日記

「きときと」とは富山の方言で「ぴちぴち(新鮮な)」という意味。きときとな日々の記録を更新中。

鴨川食堂

2014-02-13 | 


小雪がちらつく寒い一日でした。図書館で借りて、柏井壽の「鴨川食堂」を読みました。かわいらしい、ほのぼのとした表紙に惹かれて読んでみました。お話もほのぼのとして、とても読みやすい本でした。京都で人目につかないひっそりとした「鴨川食堂」を営む父親と娘。「鴨川食堂」は裏で「食」探しの探偵も、やっています。「食、探します」という不親切な一行広告をみて、看板もない「鴨川食堂」に辿り着くお客さん。「食」に思い出を抱えたお客が、おぼろげな記憶を頼りに、断片的に思い出すヒントで、「食」を探し出します。

「鍋焼きうどん」「ビーフシチュー」「鯖寿司」「とんかつ」「ナポリタン」「肉じゃが」の6つの「食」を探す6話の短編集です。ほんの少しのヒントで探し出す出来過ぎの展開が気にならないのは、「食」との関わりが明らかにされる瞬間が、とても愛おしいからでしょう。懐かしい「食」と再会することで、依頼した本人も気づかなかった思いや、知らなかった家族の愛情などに出会い、心が解きほぐされていきます。とにかく美味しそうな食事がたくさん出てくるのも魅力です。ほっこりさせてくれる本でした。

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