旅とエッセイ 胡蝶の夢

横浜在住。世界、50ヵ国以上は行った。最近は、日本の南の島々に興味がある。

ハト娘

2019年12月16日 13時05分43秒 | エッセイ
ハト娘

 寮と学校の間は、歩いて12分くらいだ。交差点を渡ると区役所、裁判所、その先に学校(中学と思う)がある。ここは学校のちょい手前の歩道で、広くて店が出ていない。ここにはよくハトの群れがいる。そして彼女。
 ハト娘が地べたに座っている。うちわを持って、時々ハトを追い払う。初めのうちは、分からなかった。何故君はそこにいるの?ハトの群れと女の子。気まぐれなハトは群れごと場所を移動する。
 週に何度かは、ここにハトが集まらない。全く別の通りで、ハトの群れ(小さな群)と少女を見つけ、彼女が何をしているのか分かった。この娘さんは、ハトのエサを売っているんだ。
 商品の豆は、表にはちょっとしか出していないが、それに寄って来るハトは、うちわをゆっくり動かして追い払う。でも娘さんだけがいて、ハトがいない日もある。
 事情が分かると、ハト娘と会うのが楽しくなった。おっ今日も元気でやってるかい。心のうちであいさつ。そして先日、豆を買った。えっこんなに幼かったっけ。イメージでは中学生だが、今日の娘はどう見ても小三。ひょっとして、妹?
 500チャット(35円)で、皿一杯に袋から注ぐ。おっずいぶんあるな。っとハトが乱舞し始めた。空中に撒くと、飛びながらキャッチする。日本と同じドバトだが、こんなに運動神経が良いんだ。俺の持つ皿に乗ろうとする。ワッワッ大変なことになった。オーとかワーとか言いつつ、エサを投げ終え皿を返す。
 少女と目が合った。顔を上気させ、キラキラ瞳で笑っている。いい笑顔だなー。「何、この背の高い人、外人だよね。おじさん?お爺さん?ワーワー言って面白ーい。」
って感じ?これ一日何皿売れるんだろう。買っている人は見たこともない。3皿?5皿?それとも10皿?まさかね。
 で昨日、2-3日見なかったハト娘がいるじゃん。ラッキー。今日も買うかな、と近づいたらハト娘ならぬハト婆さんでした。取り出して手に持っていた500チャットを財布にしまった。

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