デパートの外商と落語家の息子
今ではずい分斜陽化したが、それでも老舗の百貨店の権威は残っている。特に地方都市にその傾向がある。デパートの花形部署はオーダーの紳士服売り場や、家具売り場もあるが何といっても外商部だ。デパートは基本的に何でも売っているのだから、客のお金持ち(昔は税制が優遇されていたのだろう、開業医が多かった。)の衣食住、冠婚葬祭、何にでも対応できる。客の方は少々値段が高くても包装紙は見栄えがするし、時間と手間を節約できるメリットは大きい。苦労を重ねた創業者なら物の値段にこだわるだろうが、お医者さんなんかはそうでもない。
外商部の社員の抱える数百人いる顧客の内、一人の娘が結婚するとしよう。結婚式の引き出物を頼まれたとする。3万円のものを500人分(金持ちなので)としたら、それだけで1,500万円の売り上げだ。ところが金持ちの客をたくさん持って、毎月多くの売り上げを計上する社員でも、給料はあまり高くない。同年輩の商社やメーカーに比べると、デパートの給料は安い。外商部員は自身も金持ちの息子が割りと多かった。親戚縁者だけでも結構な売り上げになるし、金持ちの心金持ちが知る、というものだ。お金持ちは、貧乏な家庭出身の苦労してきた青年、なんてのが別段好きじゃあない。第一話しが合わない、詰まらない。
しかし努力型のセールスマンの中には独立を試みる者が意外にいた。自分にはこれだけの顧客がいるし、毎月X千万も売り上げているのに給料は固定でボーナスもしれている。一人でやったら、月数百万の売り上げでも大もうけだ。そこで時計、宝石、家具等の歩合制の会社に入ったり、自分で会社を始めたりする。会社勤めならよい。当てが外れても生活は出来るし、最初は期待外れで嫌味を言われても後で取り戻すことも可能だ。ところが思い切って独立した連中は潰しが効かない。成功するのは5人に1人か、10人に1人か、セールスの達人なのに。
大方のセールスマンはかん違いをしている。あれほど個人的に仲良くしていたのに、と思う。でもそれは売る方の一方的な思い込みだ。客はあくまで×△デパートの田○だと思っている。デパートが抜けた田○はただの人に過ぎない。別に田○を特別に思っていた訳ではないし、肩入れするいわれはない。裏切られたと思う方がおかしい。×△デパートの信用と包装紙がないなら、物が高額であればあるほど買いたくはない。第一品物が時計だの宝石だの偏っているから需要もない。
×△デパートといって開拓したり引き継いだ客は、個人の客とは云えない。そこで勝負をする方が裏切りだ。デパート時代の客の大半を失い、それでもそこから這い上がって新しい客を開拓するのは5人に1人というくらい難しいのだ。後ろ盾と信用なしでセールスすることは実につらい。
日本を代表する広告代理店、○通などはよく落語家の息子とかを採用する。汚ねえ、縁故採用じゃん、と言うがそれのどこが悪いの?芸能関係の家庭で育ったボンボンは、テストの成績は悪くても華やかな環境に慣れているから物怖じしない。満点に近い成績の秀才がいくら英語が達者でも、話しが合わなきゃ溶け込めない。英語が必要なら、帰国子女の社員に担当させるか通訳をつければ済む話だ。
○通は長い経験で、どんな社員が育つのか分かっているのでよくそういった類の縁故採用をする。おまけに親の縁まで利用出来るのなら願ったりだ。
今ではずい分斜陽化したが、それでも老舗の百貨店の権威は残っている。特に地方都市にその傾向がある。デパートの花形部署はオーダーの紳士服売り場や、家具売り場もあるが何といっても外商部だ。デパートは基本的に何でも売っているのだから、客のお金持ち(昔は税制が優遇されていたのだろう、開業医が多かった。)の衣食住、冠婚葬祭、何にでも対応できる。客の方は少々値段が高くても包装紙は見栄えがするし、時間と手間を節約できるメリットは大きい。苦労を重ねた創業者なら物の値段にこだわるだろうが、お医者さんなんかはそうでもない。
外商部の社員の抱える数百人いる顧客の内、一人の娘が結婚するとしよう。結婚式の引き出物を頼まれたとする。3万円のものを500人分(金持ちなので)としたら、それだけで1,500万円の売り上げだ。ところが金持ちの客をたくさん持って、毎月多くの売り上げを計上する社員でも、給料はあまり高くない。同年輩の商社やメーカーに比べると、デパートの給料は安い。外商部員は自身も金持ちの息子が割りと多かった。親戚縁者だけでも結構な売り上げになるし、金持ちの心金持ちが知る、というものだ。お金持ちは、貧乏な家庭出身の苦労してきた青年、なんてのが別段好きじゃあない。第一話しが合わない、詰まらない。
しかし努力型のセールスマンの中には独立を試みる者が意外にいた。自分にはこれだけの顧客がいるし、毎月X千万も売り上げているのに給料は固定でボーナスもしれている。一人でやったら、月数百万の売り上げでも大もうけだ。そこで時計、宝石、家具等の歩合制の会社に入ったり、自分で会社を始めたりする。会社勤めならよい。当てが外れても生活は出来るし、最初は期待外れで嫌味を言われても後で取り戻すことも可能だ。ところが思い切って独立した連中は潰しが効かない。成功するのは5人に1人か、10人に1人か、セールスの達人なのに。
大方のセールスマンはかん違いをしている。あれほど個人的に仲良くしていたのに、と思う。でもそれは売る方の一方的な思い込みだ。客はあくまで×△デパートの田○だと思っている。デパートが抜けた田○はただの人に過ぎない。別に田○を特別に思っていた訳ではないし、肩入れするいわれはない。裏切られたと思う方がおかしい。×△デパートの信用と包装紙がないなら、物が高額であればあるほど買いたくはない。第一品物が時計だの宝石だの偏っているから需要もない。
×△デパートといって開拓したり引き継いだ客は、個人の客とは云えない。そこで勝負をする方が裏切りだ。デパート時代の客の大半を失い、それでもそこから這い上がって新しい客を開拓するのは5人に1人というくらい難しいのだ。後ろ盾と信用なしでセールスすることは実につらい。
日本を代表する広告代理店、○通などはよく落語家の息子とかを採用する。汚ねえ、縁故採用じゃん、と言うがそれのどこが悪いの?芸能関係の家庭で育ったボンボンは、テストの成績は悪くても華やかな環境に慣れているから物怖じしない。満点に近い成績の秀才がいくら英語が達者でも、話しが合わなきゃ溶け込めない。英語が必要なら、帰国子女の社員に担当させるか通訳をつければ済む話だ。
○通は長い経験で、どんな社員が育つのか分かっているのでよくそういった類の縁故採用をする。おまけに親の縁まで利用出来るのなら願ったりだ。
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