旅とエッセイ 胡蝶の夢

横浜在住。世界、50ヵ国以上は行った。最近は、日本の南の島々に興味がある。

⑳ コレラの発生を止めろ!

2015年07月04日 18時56分32秒 | 娘ノート
⑳ コレラの発生を止めろ!

 終戦直後、各地で敗走を続けていた日本軍は(但し中国戦線の陸軍だけは別。信じられないことに、終戦間際に大陸打通作戦を成功させた。)様々な戦線で三八式歩兵銃を置き、中国の広東省等へ集結を始めた。
 特にビルマ方面の兵隊はひどい状態で、やせ細りボロボロの軍服を着て、十倍の兵力一千倍の火力を持つ英、インド兵、中国兵と戦っていた。
 中国南部の港に集まり、日本へ帰る復員船を待つ兵隊は日に日に増え、沼地のような空き地に小屋を作って生活していたが、食糧も医薬品も充分とは言えなかった。捕虜の数が増えすぎ供給が追いつかず、船はほとんど沈められていたから、帰国のペースは上がらない。間もなく雨季に入ると、収容所は泥沼になりそうだ。
 そんな時、最も恐れていた事態が起こった。最近収容され病死した兵隊からコレラ菌が検出されたのだ。このままでは収容所にあっという間にコレラが蔓延するのは明らかだ。中国側に医療を期待しても無駄だろう。
 その時、一人の日本の若い軍医が発案した。「飯を食う時に水分を取ってはいけない。水は食後二時間は飲むな。」胃の中の酸でコレラ菌を殺す計画である。これなら機材も医療品も一つもいらない。復員間近の兵隊は、この教えを必死で守りコレラの発生は食い止められた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

 ⑲ 人は見た目、身だしなみ

2015年07月04日 18時53分24秒 | 娘ノート
 ⑲ 人は見た目、身だしなみ

 女の人はセールスマンの靴が変、とかズボンの裾が短すぎる、とかいった理由だけで買ってくれなかったりする、でもそれは当然なんだ。選択権は買い手にあるんだから。気持ちよく買いたいのも無理はない。値段と商品さえ良ければいい、というものではないんだ。
 買い物は欲望を満たす行為なんだから、気持ちよくなければ。良い商売人は、そこんとこを心得ていて、身だしなみはスキが無く、相手の好みに合うようにと心がける。そして顔色とか爪の赤みにまで神経を注ぐ。それが自信につながる。
 でも軍隊では本当に強い連中は、ヨレヨレの服でちょっとだらしなく見えるものらしい。例えばイスラエルの軍隊。但し例外もあって、旧ドイツ軍は軍服美の極致でありながら強かった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

⑱ あいさつは自分から

2015年07月04日 18時52分08秒 | 娘ノート
⑱ あいさつは自分から

 飛行機に乗った。満員で狭いエコノミーの三人席はびっしり埋まっている。これから目的地まで15時間。隣の男のぶっとい腕にはイレズミ。顔をチラっと見ると絵に書いたような仏頂面。
 ウーン、でもここで話しかけないと15時間気を使って孤独な戦いをしなけりゃならない。思い切って話しかけると、意外なことに男はニコっとして、案外かわいい笑顔じゃん。そうやって話しかけると、男はネイティブアメリカン(つまりインディアン、例えばナバホ族)だったり、インドネシアからサウジのメッカ(マッカ)に巡礼に行く人で親切な人だったりもした。
逆にすごい美人に気後れして(スペイン語のボキャブラリーに乏しい。)5~6時間も気まずい時を過ごした事もある。最初が肝心!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

⑰ 男は狩猟、女は採集

2015年07月04日 18時49分59秒 | 娘ノート
⑰ 男は狩猟、女は採集

 農耕、定住が始まる以前の原始人は、小集団に分かれて洞窟などに住み、狩猟(動物、魚、鳥、蛇)と採集(植物、貝、虫)によって食物を得た。この期間は、定住が始まる以降の期間に比べて、気の遠くなるほど長い。
 一発当たれば大きいが、なかなか仕留めるの難しい狩猟は男たちが担当し、時には何日にも渡って獲物を探し歩いた。大物に対するには知恵と勇気、仲間の協力が必要だ。
 女たちは洞窟を余り離れず、子供や年寄りの世話をしながら集団で木の実、キノコ、果実、イモや昆虫を採る。収穫は少ないが、必ず何かしらを得る。
 女たちは仲間に気を使い、常におしゃべりをする。バカな男のように、どうやってマンモスを仕留めるか、などとは考えない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする