「北の山・じろう」日記

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ドネツク州チャシブ・ヤールについてのウクライナ側の見通し(劣勢予告)<ウクライナ紛争2024.05.04

2024-05-04 19:55:32 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

2024.05.3
ウクライナ軍、チャシブ・ヤール崩壊はアウディーイウカと同じで時間の問題
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/the-collapse-of-chasiv-yar-for-the-ukrainian-army-is-just-a-matter-of-time-just-like-audiiivka/

2日、AP通信が悲観的な見通しを報じたようです。
ウクライナ国防省情報総局のスキビツキー副局長もEconomistの取材に見通しと言うべきか、現状をコメントしています。

※これが、総司令官のコメントです。
『ウクライナ総司令官、東部前線「状況悪化」 ロ軍攻勢で後退』
By Dan Peleschuk、 Tom Balmforth
2024年4月29日午後 1:03 GMT+94日前更新
https://jp.reuters.com/world/ukraine/UFAXNN43YBKKDMNSRNJDLEKSWM-2024-04-29/
ほんの少ししか、触れていません。

総司令官が戦況の劣勢を語ることは出来ないと思いますから、国防省情報総局のスキビツキー副局長がリークしたのであろうと思います。
ウクライナがリーク情報を出す場合は、Economistを利用することが多いです。
ザルジニー前総司令官がウクライナ政府と違う認識をコメントした時もそうでした。
今回の場合は、認識の不一致ではなく上が言えないから下が代わりに発言したと言うことだと思います。

ドネツク州チャシブ・ヤールの状況に関しては、3月からかなり酷い状況が伝えられていました。
兵士の投降や逃亡、旅団の後方への移動(実は壊滅)、あるいは滑空爆弾による爆撃や砲撃です。

アウデイーイウカ攻防戦の戦術をロシア軍は、進化させました。アウデイーイウカの攻防戦では、ロシア軍にもかなりの損害が出ました。
今年になってからだと思いますが、ロシア軍は航空支援を多用するようになりました。
戦闘機が離れた空域から滑空爆弾を撃ち込む方法です。
これが抜群の威力を発揮し、ウクライナ軍の陣地のある付近はほぼ廃墟になりました。

チャシブ・ヤールでは、歩兵の突撃は止めて滑空爆弾の爆撃と榴弾砲による砲撃を行っています。
ジューコフ将軍の戦術の現代版です。
難しくも何ともなく・・・
「大砲を並べて前面にあるものを破壊せよ・・」
と言う究極の物量戦術です。
前面は破壊され、その後歩兵と戦車部隊が突撃します。
どんな馬鹿な指揮官がやっても成功します。
その代わり圧倒的な物量の優位性が必要です。
今のロシア軍には、それがあることになります。

今、ロシア軍がチャシブ・ヤールを攻撃しているのが、この方法です。
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/the-collapse-of-chasiv-yar-for-the-ukrainian-army-is-just-a-matter-of-time-just-like-audiiivka/
URLにAPの動画があります。
状況が分かると思います。
だからウクライナ兵の投降や逃亡が発生し、あるいは旅団単位の部隊の壊滅や戦闘を拒否する部隊まであるようです。

こんな状況の中で塹壕や陣地に入れ・と言うのは死ねと言うのと同じです。普通に無理でしょう❓

記事タイトルは、「劣勢予告」と書きましたが「敗北予告」を穏やかに言っただけです。
APの取材を許可したのも、防衛不可能な現状を報道させるためでしょう。

チャシブ・ヤールChasiv Yarの防衛は、既に不可能なようです。
ロシア軍の地上部隊が攻撃する前にバフムトやアウデイーイウカの終わりごろのようになっていては、防衛しろと言う方が無理です。

チャシブ・ヤールChasiv Yarが陥落すれば次は、コンスタンチノフカКостянтинівкаです。コンスタンチノフカКостянтинівкаは低地にありますから、はるかに防御しにくいです。

非常に危いですね・・・

※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次④
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27



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