「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

ロシアとアルメニアとアゼルバイジャン、その後<2024.05.03

2024-05-03 15:09:51 | ロシアと周辺国

露、同盟国アルメニアの「離反」にいらだち 縮む影響圏、係争地から部隊撤収
2024/5/1 16:52
https://www.sankei.com/article/20240501-GOYYN3XNA5IGVCGL4LLGY7N7PA/

旧ソ連崩壊後、長らく南コーカサスの紛争の種となっていたナゴルノカラバフ紛争は、アゼルバイジャンがナゴルノカラバフ地区のアルメニア系武装勢力を武装解除して決着を見ました。
ナゴルノ・カラバフ戦争1988年 - 1991年2月
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%82%B4%E3%83%AB%E3%83%8E%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%83%90%E3%83%95%E6%88%A6%E4%BA%89
2020年ナゴルノ・カラバフ紛争
https://ja.wikipedia.org/wiki/2020%E5%B9%B4%E3%83%8A%E3%82%B4%E3%83%AB%E3%83%8E%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%83%90%E3%83%95%E7%B4%9B%E4%BA%89

簡単に言うとナゴルノ・カラバフ地区をネタにしたアルメニアの侵略戦争です。
紛争が、こうも長期化した原因は、アルメニアをロシアが支援し、アゼルバイジャンをトルコが支援してきたからです。

トルコにとっては、アゼルバイジャンは同胞国家であり支援に理由は必要ありません。文句なしに絶対支援します。

一方、ロシアにとってはアルメニアはイランとの交通路であり南コーカサスにロシアの影響力を及ぼす窓口です。だからロシアにとってもアルメニアを失うわけにはいきませんでした。

その背景としてロシアとトルコの対立関係があります。これがごく大雑把に言うと、ナゴルノ・カラバフ紛争が続いてきた背景です。

ところが近年、ロシアとトルコの関係が劇的に改善しました。今では、むしろ友好国と言うべき関係です。そうなるとナゴルノ・カラバフ紛争は両国関係の障害でしかありません。そこでロシアがトルコに譲歩する形でアルメニアの軍事支援を止めました。
その結果、2020年ナゴルノ・カラバフ紛争でアゼルバイジャンは、アルメニアに占領されていた領土のほとんどを回復しました。
アルメニアの安全を保障するためにロシアは、平和維持部隊を駐留させて国家同士の軍事衝突を防ぎました。

その後、アゼルバイジャンは(ロシアの暗黙の了解を得て)最後に残されたナゴルノ・カラバフ地区のアルメニア系反政府武装組織を武装解除して、長きにわたったナゴルノ・カラバフ紛争は終結しました。

侵略戦争を遂行してきたアルメニアが悪いと思いますが、ロシアに支援を打ち切られたアルメニアは、収まりません。当然ながらロシアに逆らうようになりました。

ロシアの方は大した困りません。
元々ロシアとアゼルバイジャンは友好的な関係です。それを阻んできたのがロシアとトルコの対立であり、ナゴルノ・カラバフ紛争です。その要因がなくなったのでロシアとアゼルバイジャンは友好的な関係は継続すると思います。
ロシアは、カスピ海に近い平地にイランとの交通路を確保できます。ロシアにとってアルメニアは、メンツの問題で地政学的な必要性はなくなりました。
(どっちでもいい地域になりました)

アルメニアの要請によりロシアの停戦維持部隊は駐留する必要性がなくなり、ロシアも撤退に応じたという流れです。ウクライナ戦争を戦っているロシアは、こんな地域に派兵しておきたくはないと思います。

そこでアルメニアは、ロシアの傘下を離れたい国がよくやるようにEUとアメリカにすり寄りました。
『パシニャン氏はロシアから距離を置く一方で欧米への接近を強めている。4月5日にはブリンケン米国務長官、欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長らとブリュッセルで会談した。EUはアルメニアに今後4年間で2億7千万ユーロ(約453億円)を支援すると発表した。』
例によって、金で釣る作戦です。

ロシアにとってもお荷物国家を厄介払い出来ますから、本音は(ホッとしている)と思います。アルメニアは、ロシアにとってはアゼルバイジャンとの友好関係があれば重要性の低い土地です。
はっきり言ってロシア・トルコ・イランの勢力圏の接した位置にある山の上の飛び地みたいな国家です。ここだけポツンと孤立していて、「EUに帰属したければ勝手にど~ぞ」と言うような土地です。

周辺諸国の国際関係が激変した結果、アルメニアの地政学的な価値はなくなり、ロシア・トルコ・イランの勢力圏の真ん中の離れ小島みたいな小さな土地です。
ロシア・トルコ・イランは、現在全部友好関係にあり、このどこかの国の勢力圏に入らないと外部の援助がなければ国の経済が立ち行かないと思います。
EUの勢力圏に入ればEUの援助がなければ、成り立たないでしょうね❓
EUにしてもアルメニアを引き込んだところで自尊心の満足以外のメリットはないと思います。毎年、アルメニアの運営資金を出し続けなければなりません。

地図でアルメニアの位置を見てください。
私の言うことが分かると思います。
しかも❓
国境封鎖されれば、即・陸の孤島になります。


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