木祖村 Gリポート

木曽路や木祖村の話題を報告します。木曽川源流の里の議員日記。

議員活動データファイル全12巻

2007年04月23日 | 木祖村議会と議員
 当選が決まった直後、セールスマンがやってきた。

 商品は「地方議会議員データファイル・全12巻」。

 よく会社の役員室や総務にならべてある、黒い表紙で金文字が背表紙に打ってあって、労働法や商法、税務関係の法令や事例を分厚いファイルにした形の、加増式書籍である。中身は地方自治に関する法規から質疑応答事例まで網羅した、議員にとっての百科事典のようなものである。

 そうはいってもオプション付全12巻で21万6千円。オプションなしも9巻セットで16万円近い。今私がアルバイトでもらっている月収をはるかに超えている。もちろん即日即決できる金額ではない。この金額を見た時「金持ちしか議員になれないみたいじゃないか」と思ってしまった。

 この出版元(販売元)は有名なところなので内容を疑うわけではなかったが、専門書は必ず図書館で中身を見てから買う主義だったし、また、中を見ずに20万の書籍を買えるほど裕福ではない。

 立て板に水のように説明されても、12巻の概要が一度に頭に入るわけがない。「新人議員さんの不安を解消するすべてのデータがそろっています」から始まって、とどめは「○○議員もお買いになりましたよ」

 時々チラリチラリと見せてくれるカタログをおいていってくれというと、これは営業用だという。カタログも資料もないの?と聞くと、あまり持ち合わせていないようで、営業カバンの中からようやく一部見つけて出してくれた。ゆっくり検討するからと言って、やっと帰ってもらった。

 それにしても、おもしろいセールストークだった。もしかして稀代の詐欺師ではなかろうかと思うほどの名調子。新人議員のあの人も、あの人も買ったと聞かされては、議員の面子にこだわる人なら思わず買うだろう。
 一番おかしかったのは、「今ご購入されれば専用本棚がついてきます」


 弁護士に六法全書や年々変わる判例集が必要なように、議員にとってもそうした資料や専門書が必要になるのは承知している。だが、おそらく誰もが一度は経験してきたように、百科事典全30巻を購入しても、全ページに目を通すことはめったにないのである。案の定、ネットで調べて見ると一冊1万2000円~1セット3万円ほどでバラ売りされていた。データファイルは必要に応じてピンポイントで利用しようと思う。
 それに何もこの本だけに頼らずとも、他に類似する単行本や機関誌でも知識や情報は手に入る。

 それよりも今は図書館で借りた議会関係の本を読破する方が先である。