気ままな旅

マイカーでの気ままな旅で、束縛された予定や時間にとらわれない、自由奔放な行動をとる旅の紹介です。

神秘的で幻想的な赤目四十八滝

2008-12-26 15:14:59 | 気ままな旅
 11月22日(土)の夕方、私たちは室生赤目青山国定公園の中にある、赤目四十八滝を目指して、南大阪にある自宅を出発した。
 明日は天気も良さそうで、赤目四十八滝の紅葉を求める人たちで渋滞が予想される為に、今夜は近くの道の駅で車中泊し、朝早くから赤目四十八滝を目指したいと考えていた。
 出発する時には、どこの道の駅で車中泊するかは決めていなかったが、道中で赤目四十八滝に一番近くにある道の駅「宇陀路室生」に、到着予想時間などから判断して決めていた。 
 23日(日)朝早く目覚める。昨夜は9時過ぎに道の駅に到着し、10時過ぎには睡眠にはいっていた。
 朝の気温も少しひえているが、車内の気温は全ガラス面に断熱用のボードをはめ込んでいるせいか、エンジンを停止しても、そんなに寒さを感じず、ぐっすり睡眠をとることが出来た。
 幸いにして今日も上天気である。

 私は朝食を済ました後、我が家自慢のコーヒーをたてている時に、隣に駐車していた50代の夫婦に出会った。
 たてたばかりのコーヒーを勧めると喜んで飲んでくれた。
 この夫婦は兵庫県姫路市から来た夫婦で、学校関係の仕事をされているようで、これからは女人高野で知られている、室生寺に行かれるとのこと、礼儀正しい好印象の夫婦であった。
 談笑を終えた後、私たちは赤目四十八滝に向かって行った。
 赤目四十八滝の駐車場には、30分ほどで、午前9時30分頃に到着する。
 幸いにして時間的に早いせいか、駐車場には、まだ、ゆとりがあった。
 私達は早速、カメラをぶら下げながら赤目四十八の見学に出かけて行った。
 駐車場からは、商店街を通り、真っ直ぐに進んで行くと、日本オオサンショウウオセンターの建物が見えてくる
 ここが赤目四十八滝の入り口で、入山料を支払って中に入って行く。
 建物の中は、水族館のようにオオサンショウ魚の実物や、四季によって変わる赤目四十八滝のパネルなどが展示されている。
 見学を終えて外に出ると、渓谷に沿ってよく整備された遊歩道が通っている。
 天気は快晴であるが、深い谷間の渓谷には、太陽光線は届かなく、聳え立つ岩壁の頂きを明るく照らしだし、紅葉した樹木の鮮やかさが映しだされている。

 深い谷間の渓谷には、所々の段差の岩間を白い泡を発生しながら、清水が美しく流れている。
 平坦で水溜りの川では、蒼い苔が岩全体を覆い、倒木した樹木も蒼い苔で覆われている。
 そんな渓谷に、紅葉した絶壁の岩場が迫り、渓谷全体の景観を作り出し、神秘的で幻想的な雰囲気をかもし出している。
 また、渓谷の中にある巨大な岩にも、幾種類かの紅葉した樹木が自生し、その根が岩を覆い、苔や垂れ下がる枝などの光景も、赤目渓谷の情緒を、一層かもし出している。
 赤目渓谷の滝の名には、千手滝や不動滝などの、仏名と関わる名が多く、この地が自然によって造られ、深い信仰の対象となっていったことも、うなずける景観である。
 私たちは渓谷美を楽しみながら奥へ進んで行く。
 渓谷には、多くの人たちが訪れ、晩秋の景観を楽しんでいる。
 その為にか、絶壁に架かる遊歩道の狭い階段では、上り下りが同時に出来ず、長い行列が出来ている。 
 私達はすばらしい景観が続く渓谷を、奥へ奥へと進んで行く。

         
               赤目四十八滝の名に由来する赤目牛の像

  赤目四十八滝の名についての由来は、役の小角(えんのおづめ)が滝に向かって行を修めていると、不動明王が赤い目の牛に乗って出現したという伝説からきている。 
         
                  赤目四十八滝の紅葉

          
        上部滝と二段になって美しく流れ落ちる 霊蛇滝(れいじゃだき)
 
 高さ6m、幅3mの滝である。
 滝そのものものも美しい滝であるあるが、滝壺の透きとおった碧さも格別で、心に引かれる。
 霊蛇滝の名は、白蛇が岩をよじ登る趣があり、滝の流れの中に顔を出す岩が、龍のつめ痕を思わせることからつけられた。

           
  不動明に似ていることからつけられた不動滝  渓谷に聳え立つ絶壁と岩肌を覆う紅葉の谷

 不動滝は赤目五瀑に指定され、高さ15m、幅7mの名瀑である。
 不動明王にちなんで名づけられたもので、明治以前には”滝参り”とはこの滝に御参りすることで、明治の中頃まではこの滝から奥には入れなかった。 

          
      幾段かのごつごつした滝壁にぶつかりながら美しく流れ落ちる不動滝
 
           
 岩を伝わって千手のように流れ落ちる千手滝(せんじゅたき=写真左)  
 青々とした深い壷の中に一面の岩肌から糸を引いたように美しく流れる布引滝(ぬのびきだき=写真右)

 千手滝も赤目五瀑に指定されている。
 高さ15m、幅4mの滝で、複雑な形をした岩をすべる落ちる美しい姿から名づけられた。
 布引滝も赤目五瀑に指定されている。
 高さ30mの滝で、名の通り白布を長々とたらしたような優美な姿の滝である。
 水が掘り込んだ滝壺の深さも30mと、驚くべきべき深さである。

          
    多くの人たちも落葉した葉のある岩肌に立って楽しんでいる滝ケ壷(りゅうがつぼ)
 
 大きな一面の岩盤をすべるように落ちる、女性的な美しさの滝である。
 写真では見えないが、滝から流れる水の力が、一面の岩盤を切抜いて作られた滝壷は、底無しといわれるほど深い壷である。
 ここに龍が棲んでいるという伝説から名づけられた。 
           
崖の上から岩を伝わって雨が降るように落ちる雨降滝(あめふりたき=写真左) 
骸骨滝(がいこつたき=写真右)渓流にかかる小さな滝で、落ち口に骸骨に似た岩が横たわっていることから名がついた。
     
          
                  百畳岩(ひゃくじょういわ)と茶店 

 茶店の前から、一枚岩の大きな岩盤が広がっている。横が15m、幅が10mもあり、百畳ほどの広さがあることから百畳岩と呼ばれている。
 渓谷の中にくつろぎの空間を感じ、周りの景観を楽しめる場所でもある。

          
岩の上部から幾重にも根を垂らし、紅葉とうまく調和して独特の景観をかもし出している七色岩(なないろいわ)

 百畳岩の前にある大きな岩で、岩の上には何種類かの樹木が自生し、紅葉を見せている。
 写真は百畳岩の反対方向からで、岩の上の木根が岩を挟むように、地面まで伸びている。
 渓谷の中での複数の岩や樹木と紅葉の美しさは抜群である。

          
     両側には聳え立つ絶壁が迫り、清水が美しく流れ落ちる滝や、紅葉した渓谷を楽しむ人たち

          
    苔のある岩肌を寄り添うように、仲つつましく流れ落ちる姉妹滝(しまいだき)
 
 七色岩を少し過ぎた所から見えてくる、大小二つに分かれて落ちる滝である。
 仲の良い姉妹を思わせるような姿から、名づけられた。  

           
 姉妹滝と紅葉の渓谷(写真左)  滝も渕も小さく渓谷を清純な乙女のように流れる乙女滝(おとめだき=写真右)

          
            深い谷間にある一面苔で覆われた岩と神秘的な渓谷 
 
          
 赤目四十八滝の中で数段に分かれて美しく流れ落ちることから人気が高く、絶好の撮影ポイントの荷担滝(にないだき)

 荷担滝(にないたき)も赤目五瀑に指定されている。
 高さは8mであるが、二つに分かれて流れ落ちるさまから名づけられた滝である。
 個性的な姿が人気で、赤目四十八滝のシンボル的な存在の滝である。

          
             渓谷随一の景観と絶賛される荷担滝(にないだき)  

          
      幾段にもなって流れ落ちることから名づけられた雛壇滝(ひなだんたき)

 川が二つに分かれ、赤目渓谷の本流側にある初流で、一面の岩が幾段にもなった清流が流れ落ち、雛壇のように見えることから名づけられた。
 
          
            渓谷に紅葉した絶壁の谷間が迫り、神秘的な遊歩道を歩く人たち 

           
太陽光線も届かない谷間と絶壁の頂きの明暗さの渓谷 晩秋漂う静かな渓谷と紅葉

          
           落葉した渓谷を流れる清流と上流にある琴滝(ことだき)

          
           琵琶滝(びわだき)前で静かに流れる渓谷を楽しむ人たち

 琵琶滝も赤目五瀑に指定されている。
 高さ15mで、楽器の琵琶に似ていることから名づけられた。
 滝壺の色からも神秘的で魅力的な滝である。 

           
           渓谷と琵琶滝(びわだき)    深い渓谷の谷間に差し込む光線

          
              赤目四十八滝の最後の滝 巌窟滝(がんくつだき)

 滝の中腹に深い石穴があることから巌窟滝と呼ばれている。
 高さ7m、滝壺は小さく深さ3m程の滝である。 
       
 赤目四十八滝の48は数が多いことを意味し滝の数ではない。
 大小の滝を併せるともっと多いようである。
 古来よりこの滝は霊地として拝められ、修行や参拝する滝であった。
 妙法山の阿弥陀如来を配していることから、四十八滝を全周することで、諸願が達成されることに通じると、考えられているようである。
 赤目渓谷を訪れて感じることは、渓谷美全体から、今まで訪れたことのない神秘的で、幻想的な雰囲気が漂っているように感じる、何時までたってもあきる事の無い、大変印象深い渓谷と滝であった。
 


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1 コメント

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Unknown (太陽)
2008-12-26 16:52:59
ホント久し振りに散歩によって見ました。(~o~)
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