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■お家騒動

2005年10月18日 | 私のこだわり・芝居編
音羽屋親子 (菊五郎、菊之助) が共に初役に挑むと話題になっている 『加賀見山』 観劇に歌舞伎座 へ。 江戸時代の三大お家騒動といわれる 伊達騒動・加賀騒動・黒田騒動 のひとつ、 加賀前田家で起こったお家騒動を題材に書かれた芝居で、 その当時は普段町民がうかがい知る由もない御殿女中の様子を覗き見られるということで大当たり狂言だったそうです。

お家騒動とはいうものの 舞台の見せ場は お局 岩藤のいじめによって 中老 尾上が自害してしまい 忠義な侍女 お初がその敵を討つ・・・という敵討ちのお話です。 赤穂浪士、 曽我兄弟、 荒木又右衛門の鍵屋の辻 などの勇ましい男性が出てくる仇討ちとはひと味ちがう 女性版の仇討ち話と言った方がわかりやすいように思います。 (ですからこのお芝居を 「女忠臣蔵」 と言う人もいます。)

お局として権勢を振るっている 岩藤は、 いわばワルの親玉で、 一座の座頭格の立ち役が普段はやらない敵役の女形を勤める (加役という) のが通例です。 先代の勘三郎や延若の岩藤は凄みがあり、 はまり役でした。 菊五郎劇団系列では 団十郎がよく岩藤を勤めていましたが、 病気療養中で芝居に出られないのが残念。 そんな理由でかは知りませんが、 今回は菊五郎が初めて敵役を演じることに・・・、 まっ 菊五郎はナイーブで線が細い中老尾上役には向かないかな~。

その尾上役、 ご高齢の雀右衛門にはもう無理だとすると、 今や 玉三郎が最適人と言わざるをえません。 どんな役を演じても一種独特な玉三郎ワールドをかもしだしていて、 今日も思わず息を殺して見入ってしまいました。

菊之助のお初、 このところ大役がまわって来ることが多く、 めきめき腕を上げているのが目に付きます。  役者一家 のDNA とでもいうのでしょうか、 将来が楽しみです。