鬼笑で行こう。

おいしいものの話や、まじめでいい加減な不定期評論など…

生きるために必要

2007年05月31日 | 鬼笑が知らせる

「宇井純を学ぶ」が近づいてきました。行きたい。



東京大学公開自主講座・公害原論の「開講のことば」より...

個々の公害において、大学および大学卒業生はほとんど常に公害の激化を助ける側にまわった。その典型が東京大学である。かつて公害の原因と責任の究明に東京大学が何らかの寄与をなした例といえば足尾鉱毒事件をのぞいて皆無であった。
建物と費用を国家から与えられ、国家有用の人材を教育すべく設立された国立大学が、国家を支える民衆を抑圧、差別する道具となって来た典型が東京大学であるとすれば、その対極には、抵抗の拠点としてひそかにたえず建設されたワルシャワ大学がある。そこで学ぶことは命がけの行為であり、何等特権をもたらすものではなかった。
立身出世のためには役立たない学問、そして生きるために必要な学問の一つとして、公害原論が存在する。


ほめられて育つ(?)

2007年05月30日 | 鬼笑な日々
まったく専門外の雑誌。尊敬する方が編集責任者で、畑違いながら頼まれた原稿を引き受けた。

やっぱり畑違いだった。
ものすごくしんどかったのに、情けない出来具合。

でも、「すごくいい」とおほめの言葉をいただいた。
「生々しい」「人間くささがある」と言っていただいたのが、何よりうれしい。

最近、小器用なばかりで、そこにいるはずの人間の気配が感じられない文章が増えていると、日頃から不満に感じていたから。

近づけば生温かい息もかかるし汗のにおいもする、切れば血が流れる、そんな文章が書けたらと思う。

松岡農水相の遺書

2007年05月29日 | 鬼笑が話す
政府はプライバシーの問題があるから公表しないと決めたようだけど、ほかはともかく「国民のみなさまへ」は僕たち宛てなんだからちゃんと公表すべきでは。

そもそも政府が決めることなんだろうか?

首相宛てのを首相が読んで「こりゃ公表せんほうがええな」と判断するのは、まあありかもしれない。納得できんところもあるが。

国民あてのは国民が読んで「こりゃ国民以外には公表せんほうがええな」とか判断するべきでは…?

故・松岡農水相のこと

2007年05月29日 | 鬼笑が話す
実は、もう10年近く前になりますか、松岡さんと公開の場で「対決」したことがあります。農水省の事業をめぐって。

きょうの新聞・テレビをみていると農水分野の“政策通”ということになっているようですが、そのときは、基礎的な知識に欠けるところがあるなあ、という印象をもったことを覚えています。

“通”の意味はよく分かりませんが…。

そのときすでにまわりの人から悪い評判がつたわってきたし、その後もいろいろあって、因縁浅からぬ人とずっと注意してみていましたが、ここにきてたまりにたまったものが一気に吹き出した感じです。

緑機構の理事だった人も自殺。いやな雰囲気になってきました。
国会も、捜査当局も、臆せず追求をつよめてほしいです。

残念

2007年05月28日 | 鬼笑が話す
時事通信によると、午後2時に死亡が確認されたとのこと。
遺書はないそうで動機などはいまのところ不明ですが、献金問題が理由だとすれば、気の毒な気もしますがやはり本人が悪いし、国会議員として、大臣として、無責任だと思います。

へんにかばわずにさっさと辞任させるなり罷免するなりしていたら、ちがった展開になって死を選ばずにすんだかも、という気もします。

松岡さん、元気になって語ってください。

2007年05月28日 | 鬼笑が話す

松岡農水相、自殺図り重体 議員宿舎で首つる(朝日新聞) - goo ニュース

うーむ、……このところ、ほとんどクロの金をもらったとかいうニュースが絶えることがなかったからな。
テレビにテロップが流れたときは、同僚と、「ナントカ還元水に入水自殺か?」「追求かわしの狂言では?」などと不謹慎なことを言い合っていましたが、心肺停止状態ですか…。

ふてぶてしいというか、鈍いというか、無神経というか、そういう印象がつよかったですが、意外と気にしていたのですね。

きょうの新聞で発表された内閣支持率急落を気にしていたのかもしれません。
支持率低下で与党内からも辞任要求がつよまる→安倍首相もかばいきれず辞任→大臣の肩書きなくして検察の追求つよまる→起訴
こんな流れが頭をかすめたかも。

生き死にがかかっているときにきついようですが、一国の農林水産業をあずかる者として、無責任だと思います。

最近では、談合関与の疑いで警察に事情聴取された志賀町(石川県)の町長が、睡眠薬を大量に飲んで自殺をはかりました。
入院中、辞意をしめしていましたが、退院後一転、続投を表明。
疑惑解明を果たさず任務放棄して、地震でいちばんたいへんなときに入院していて、いまさら何が職責を果たすだ、と非難の嵐でしたが、ご本人は踏みとどまって職務遂行に邁進(?)しておられます。

いまは生還を願いますが、野党も捜査当局も決して追求をゆるめてはいけないし、無事快復されたときにはご本人にはそれこそ死んだ気になって真相を語っていただきたいと思います。


合楽椀

2007年05月27日 | 鬼笑が知らせる

角偉三郎さんの代表的な作品群・合鹿椀(ごうろくわん)は、柳田村(現能登町)に古くからつたわる合鹿椀にインスパイアされてつくりはじめたものです。

柳田村・夢一輪館の高市さんは、角さんに「先生、合鹿椀はもともと柳田のものなんだから、柳田に本拠をかまえてつくってくださいよ」とお願いしたそうですが、「ほんものの合鹿椀は、柳田の君が柳田でつくりなさい」と答えられたそうです。

角さんが亡くなり、いろいろ思案した末、柳田に室町時代からつたわり輪島塗のルーツになった合鹿椀を途絶えさせてはいけないと、高市さんは合鹿椀製作を決意。手で漆を塗りつける豪快奔放な作風を受け継ぎながらも、独自の工夫をくわえて、合楽椀(ごうらくわん)として世に送り出すことになりました。

合楽椀。
つくる者も楽しくつくり、つかう人も楽しくつかう、そんな気軽なお椀にしたいとの思いが込められています。


滅多に人には見せないんだけど、と案内していただいた作業場。漆の濃い香りで満ちています。
写真は、最後の手塗りを待って乾かされているお椀たち。
すでに予約がどんどん入ってきていて、数か月待ちの状態だそうです。

村役場をやめてブルーベリーづくりにとりくみ、蕎麦屋、畑のチーズ、邪無、きのこ山と地元に根付いて取り組みをすすめてきた高市さんの新たな挑戦です。



地域密着型で行こう。

2007年05月26日 | 鬼笑な日々

能登で環境関連ビジネスを起こそうとしている人たちのお手伝いに行ってきましたよ。
まだ内容は公表できませんが、みなさん熱心で、これは成功の予感があります。

地球環境の保全に役立つことはもちろん、地域の環境を保全・再生し、地元で雇用と所得を生み出して、観光振興にも役立つ……。そういうビジネスです。

過疎化・高齢化の先進地から、内発型・地域密着型エコ・ビジネスの先進地へ。


いいお兄ちゃんだ

2007年05月25日 | 鬼笑な日々
「男か?」と訊く男のつづき。

このお店ではP太さんという方がはたらいていらっしゃいます。髪型も着物も男性ですが、お化粧をして、言葉も女性(?;ちょっとちがうか…)です。性自認は男性で、同性愛者であることを公言しておられます。ファウンデーションで毛穴がつまり、前頭部の生え際がどんどん後退していると嘆いておられます。(ほんとか?)

今回は、P太さんのお兄さんが部下らしき男性を3人連れて飲みに来ておられました。いい兄弟なんだなあ、と。

僕には兄弟はいませんが、もし兄でも弟でもいたら、何より兄弟仲良くありたいものだとカラオケ熱唱するおふたりをみていて思いました。

国民に、義務なし。

2007年05月24日 | 鬼笑が話す

日本国憲法第99条
 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

 
憲法擁護義務は、国民にではなくて、大臣やら公務員やら、要するに権力側にあるんですね。
 僕らの義務は、第12条、自由・権利を保持するために不断に努力すること。


大阪にしかないらしい

2007年05月23日 | どーでも話

大阪の帰り、友人が「これ、大阪でしか売ってへんねんでぇ」と土産にもたせてくれた。

うれしいけど、この紙袋ぶらさげてまちなか歩くのけっこう恥ずかしかった。振り返る人多し。

これもってダムの公聴会へ。微妙に緊張感にかけるところが…。


「男か?」と訊く男

2007年05月22日 | 鬼笑が語る
きのう、なじみのニューハーフバーに。
僕は〝ニューハーフ〟という呼び方は好きではないけれど、ママの経営上の判断でこうなっているのでまあ認めざるをえません。

気のあうSちゃんと楽しくおしゃべりしていたのですが、途中で、かなり酔っぱらったおじさんふたりが来店、しばらくすると店の女の子を順番につかまえて、「お前は男か?」とひとりずつ訊きはじめました。おいおい、おっさん、なにすんねん?

ママは雑誌などでも有名な〝ニューハーフ〟。あっけらかんと「はーい、男です♪」と答えてたけど、ほかの子は困った顔をつくり笑いでごまかすしかありませんでした。

マスターひとりをのぞいて、この店の女の子たちは全員、女性です。(女の子のことを女性だとわざわざいうのもおかしいけど…)
不運にして戸籍が男だったり、男性器がついていたりする子もいるし、戸籍も女で性器も女性器だという子もいるし、性統一手術を受けた子もいるけど、本人が自分は女だと思っているのであればその人は女です。

この客の意図が、「本物の女」と「女の格好をしている男」を仕分けしようというところにあるのは明白だったし、そういう仕分けをしたがる人は、「半端な人間」を見下して優越感を得ようとするものです。
僕は不快でした。

ま、きのうの客は少々執拗にすぎるところがありましたが、そんなこと訊いて楽しむというか好奇心を満たすというか、そういう客もけっこういて、それはそれで売り上げの少なくない部分を占め、彼女らもなれっこでもあります。

こういうお店の世界では、「ニューハーフ」「オカマ」をウリにして生きている人も少なくなく、そんなことせずとも生きていける社会になればと思いつつも、その人たちを非難する気にはなりません。僕の考えをつたえることはあるけれど、押しつけたくはない。

ママがうまくふたりをあしらって送り出したあと、Sちゃんが僕のところにもどってきて「私、本名はタケシっていうんです」といきなりカミングアウト。
僕を信頼してくれて、ありがとう。戸籍上の名前・性別には関心ないけど。

それにしても、戸籍っていったいなんなんだ!


恥知らぬ人びと

2007年05月21日 | 鬼笑な日々

ダムの公聴会に行ってきた。
ダム湖水没予定地に反対派市民が共有地をもっていて必要な土地を取得するのが難しいので、土地収用法でもって強制的にとりあげようということで、県は国土交通省に事業認定申請を行った。それに対して市民が公聴会の開催を要求し、きのう・きょうと開催されることに。

「用地交渉が難航」というが、このこと自体、ウソ。
現に地権者のひとりである僕はまだ1回も交渉を受けたことがない。
第一、新しい共有地で7年間、古い共有地だと20年間も、だれひとりとして1回も交渉のはたらきかけをうけていなかった。それが、2005年5月中旬頃にはじめて交渉らしき連絡が地権者数名のところに入りはじめたのだけれど、そのわずか3か月後、8月には県が強制収用にむけて動き出したことが公文書公開で判明している。
なにか地権者が頑迷で交渉がまとまらないかのように描こうとしているが、自分たちが交渉をサボってきただけ。怠慢のツケを地権者に転嫁して財産を奪いとろうとするとは、まったく言語道断だ。

公聴会での県の「回答」は、毎度のことながら、うそ、すりかえ、ごまかし、はぐらかし、だんまりばかりで、何一つまともに回答せず。
それでも、公述人の意見陳述・質問と県側の回答をあわせて30分という時間制限は厳格で、答えにならない答えの途中でも、「はい、ここまで」と強制終了。
答えになっていないことを指摘され、絶句してずっと黙り込んでいる間もカウントダウンの時計はとまらない。県は都合の悪いことには黙っていれば逃げ得です。

すりかえの例をあげると...
[質問]重要な文化遺産の間近にダムなどの巨大構造物が計画または建設されて世界遺産に登録された例はあるか?
[回答]ダム建設により世界遺産に登録できなかったという例はない。

[質問]ダムに反対という思想を理由に一人の例外もなく共有地地権者との用地交渉を後回しにしてきたことは、憲法第14条(法の下の平等)および第19条(思想及び良心の自由)に違反していると思うがどうか? 違反していないというのであれば、学説、判例などを挙げて説明していただきたい。
[回答]これまでも地権者のみなさんとは誠意をもって交渉してきたところであり、今後も誠意をもって交渉をすすめてまいりたい。

たとえ不十分な答えでもいい、質問になんとか答えようという姿勢、努力のあとがみえれば歩み寄りもありえると思うのだけれども、誠意のかけらもない。
はじめからごまかすことしか考えていない。

人として恥ずかしいことだ。

彼らは自分の子どもたちの前で胸をはってこんなやりとりをできるのだろうか。
あまりにみずぼらしく、こちらが悲しくなってくる。

何というタイトルだったか忘れたけれども、藤沢周平の時代小説に、「恥を知るものが恥知らぬものと喧嘩して勝てるわけがない」という言葉がでてくる。そんな気もする。
しかし、負けるわけにはいかない。