鬼笑で行こう。

おいしいものの話や、まじめでいい加減な不定期評論など…

眞露がおいしかった話

2009年11月25日 | 鬼笑が食べる、飲む
眞露などつまらない希釈焼酎と思ってたけど、なぜか韓国で飲むと、おいしい。

中身が違うのか、やはり料理と合うのか、単なるトラベラーズハイなのか…。
なんにしろおいしいのだから、安くて幸せ。

日本ではロックでしか飲んだことないけど、当地では必ず、冷やしたストレート。希釈酒だから、これでちょうどロックの濃さか。

いま明洞の店でプルコギで眞露をやってます。
『地球の歩き方』をもった客がつぎつぎ入ってくるし、片言の日本語ができるおばさんがいるので、日本人客で稼いでるみたいだけど、家族経営みたいで、韓国人客も多く、なかなかおいしいです。

僕のすぐあとに学生らしき女性が10人ほど入ってきて、出張旅費以内におさめなければならない僕とは格ちがいのオーダーで盛り上がってます。
あとからひとり入ってきた、みるからに「貧乏学生の一人旅」みたいな若者が、何かの麺だけウーロン茶で啜ってるのが、この世代を象徴しているみたいでちょっとおもしろい。

チムタクを食べた話

2009年11月24日 | 鬼笑が食べる、飲む
ソウルから高速バスで3時間、「Capital of Korean soul」、アンドンに。

1時に着いて、まずは腹ごしらえを考える。
市場の奥に入ると、飲食店らしいが看板もなく何を出すのかさっぱり分からない店がつづく。
順番に声をかけていって、ほんの少しだけ英語が通じるおばさんに尋ね、名物チムタクは当然あるということで、この店に決定。

チムタクは一皿ニワトリ一羽だというので、それは無理、半分にしてくれと交渉。
おばさん、娘さんらしきひとと長く相談(残った半分が困る?)した結果、OKしてくれました。

ハーフサイズでもすごい量。鶏肉だけでもすごいが、そこに長ネギ、玉ねぎ、人参、じゃがいもと春雨がたっぷり。
お皿の直径、およそ35センチ。

うんまかったぁーっ!

ヤキトリ、鶏鍋、タンドリーチキン、…これまで食べたどの鶏料理より、はるかにうまかったです。野菜、春雨も目茶苦茶おいしい。

ぜったい無理と思ったけど、鶏肉は全部残さず食べました。半羽も。野菜や春雨は心ならずも残したけれど…。

食べ終わったのは3時前、
さすがになかなかお腹がすかなくて、ちょっと胸やけで、夜はあっさり、冷麺に眞露で、バランスよく、満足。

明日は、今回の目的地ハフェマウルへ。

農家の嫁

2008年04月16日 | 鬼笑が食べる、飲む




「農家の嫁」である。

農業問題やってる女の子にこの写メ送ったら、「かわいい!」と…

たしかにそのようにも思うし、明確なコンセプトも感じるが、うーん、いいんだろうか、という気も…。

味はいいです。おいしいです。


正しい日本のハム

2008年04月14日 | 鬼笑が食べる、飲む



なじみの場末系のスナックに、明宝ハムが。
焼いたのと生のを出してくれました。

これがかの明宝ハムか…。
近頃、ちょっとした店に行けばパルマ豚やイベリコ豚の生ハムに会いますが、明宝ハムはこれらとは全然ちがう味の系統、なんともしみじみと懐かしくまた新鮮なおいしさでした。

このお店、本物のシシャモがあったり、チーズとかスルメとかの黒板メニューのなかにうれしくなるものが当たり前のように書かれているのです。

ケチャップが、いいと思う。


2007年12月17日 | 鬼笑が食べる、飲む



わ、である。
こんな看板(?)ちょっとめずらしい。

藤枝駅近くで、友人のなじみの店で飲んだ帰りにたまたま前を通りかかったのだが、こんな看板をみたら入らないわけにはいかない。

圧倒的な訴求力。広告業界の方にはぜひ現地に赴いてみてきてほしい。

看板から分かるように、安くておいしく、だいいち酒飲みに居心地のよい店だった。


蟹面で温まる

2007年12月09日 | 鬼笑が食べる、飲む



蟹面である。
「かにづら」でなく「かにめん」と読む。(念のため)

茹でたカニの身をいったんほぐして甲羅に詰め、ふたたび蓋をして干瓢でしばり、注文を受けてから鍋に入れる。
絶品である。

おでんに蟹面というのは当地だけらしいが、当地でもこれを出す店はごく限られている。原価がかかることもあるが、何より、おでん種としては破格に手間がかかるのだ。要予約。

香箱ガニ(ズワイガニのメス。地域によってセコガニなどとも)の食べ方として、いちばんおいしいと思う。

香箱が解禁されたら蟹面を食べずにはすまされない。
鍋のなかでくつくつ揺れるおでんをみながらこれを食べるのが大好きだ。

大好きな人といっしょだとなおさら、心のすみずみまで温まってくる。


「いしる」の話

2007年11月13日 | 鬼笑が食べる、飲む

能登の「いしる」が改訂『広辞苑』に載ったらしい。

地元では、「いしる」(主に外浦=日本海側。鰯を中心にたまに鯖、鰺などが原料)という呼び方と、「いしり」(主に内浦=富山湾・七尾湾側。イカが原料)という呼び方が拮抗している。ほかに、「よしる」(珠洲市の一部など)という呼び方もある。

高い評価を得ているのはむしろ内浦側の「いしり」なのだけれども、「魚」の古称の「いお」と「汁」の「しる」がつながって「いしる」となったと解するのが無難だ、とかいうのがえらい先生方の最終判断で、広辞苑では「いしる」になった。(ほかの呼び方として、「いしり」「よしる」も但し書きとして記載。)

ニューヨークなど世界最先端の食のお店に「いしり」を売り込み好評をえてきた数馬酒造の数馬嘉雄社長、「残念。つぎの改訂では『いしり』にしてもらえるようにがんばります」とあくまで前向き。

きょう夕食のあと、白川で買ってきたどぶろくの最後の1本を飲むのに、冷蔵庫のなかをごそごそさがして…。
チーズを海苔で巻いたのに、ちょんと、「いしり」(きょうのは鯖が原料)をつけて食べると、無茶苦茶おいしい。(食欲が勝って、写真を取り忘れました。残念。)


八角

2007年11月03日 | 鬼笑が食べる、飲む

なじみの店で八角があったので、唐揚げにしてもらいました。



焼いてもおいしいのですが、皮がかたくてきれいに食べるのがむずかしいのと、唐揚げにしたほうが大きな頭も食べられておいしいと板前さんがアドバイスしてくれたので、唐揚げに。

かなりごつい見てくれですが、頭からバリバリ骨ごと食べられます。
身もおいしかったけど、頭が最高。
脳が大きいわけではないだろうし、エビじゃないんだからミソでもないだろうけど、なんだかミソっぽいのがいっぱい詰まっていて、それがあつあつで、かなりいい具合でした。


菊理媛

2007年10月30日 | 鬼笑が食べる、飲む

同じくいただきもので、菊姫合資会社の最高峰、菊理媛(くくりひめ)。



これはすごいです。



寝かせること11年。
ここまでくると、いわゆる「リンゴのような」とか「桃のような」といわれるフルーティな吟醸香は影をひそめ、味も香りもコクも、すべてが角がとれて丸くなっています。

少しだけ角も残り、丸くもある。いわゆる、八角、ですね。

ただ、やはりお値段はどうかと思います。
今回はギフトでいただいたので僕などでも口にすることができましたが、まあ、「中の上」程度のクラスに属する人では、自宅用には買えないでしょう。

その点、前回紹介の「鶴乃里」がやはりすばらしいと思うのです。

これは「生涯一度」でよい酒だと思います。

最近、ワーキングプアやプレカリアートなどに関する本を集中的に読んでいるので、なおさらこの酒を飲んだことには心痛むところがあるのです。
開封した夜のうちにあけてしまったけど…。 (雨宮処凛さん、ごめんなさい。)


鶴乃里

2007年10月29日 | 鬼笑が食べる、飲む
菊姫会専売酒の「鶴乃里」です。



美食倶楽部は菊姫の純米酒をつかっているそうですが、海原雄山氏は、菊姫が醸造用アルコールを足した酒もつくっていることを批判。
連載時は菊姫の実名が出ていましたが、単行本になったときには「鶴の里」にさしかえられていました。

雄山氏の叱咤激励に応えたのかどうか、純米酒「鶴乃里」がIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)2007の日本酒部門で最優秀賞を受賞。

試してみなければと思いつつ買う機会がなかったのだけれど、昨日、知人からいただいたもので、さっそく飲んでみました。

かなりうまいです。

しかも、うますぎて料理の邪魔になることもなさそう。

このところ、そのうまさは認めつつも、菊姫には感心しないことが少なくなかったのですが、この仕事は立派です。

つぎは、福光屋にならって、全銘柄の純米酒化に挑戦してほしいです。

能登と高知の出会いもの

2007年10月25日 | 鬼笑が食べる、飲む

南風耕作堂さんからどっさりいただいたパプリカ、やはり生がおいしいのですが、昨夜はちょっとだけ手をくわえてみました。



オリーブオイルをからめてしばらくおき、お皿にとってから「いしる」をかるくかけまわします。
オイルといしるをさきに混ぜてドレッシング様にしてしまわず、食べる直前にいしるをさっとかけるのがコツ。(コツというほどのことか?)

どや! おいしそうやろ!

能登をこよなく愛されたミキさんが高知でつくったパプリカが、珠洲のいしるとであってよろこびいっぱいのおいしさです。

今回のいしるは、「夢のと」さんの鰯を原料にした「よしる」をつかわせていただきました。


根性と生命力

2007年10月21日 | 鬼笑が食べる、飲む

南風耕作堂さんから、とれたてのパプリカがとどきました。


「夏の台風に2度倒されてもしぶとく生きのびた、根性と生命力はタイコ判のパプリカです。」

さっそく赤いのをひとつ。
おお、根性と生命力が口いっぱいにひろがり、甘酸っぱい香りでしばし陶然。

まっとうなものを口にすると、血が澄んでいくような。
そして、まっとうに生きなければと静かな力が体を満たしてくるのを感じます。

生命力のおすそ分け、ありがとう。