鬼笑で行こう。

おいしいものの話や、まじめでいい加減な不定期評論など…

正義を行うということ

2007年11月29日 | 鬼笑な日々
正義とは何か。難しい問題だ。だから、正義を行う、ということはなかなかに難しいことだ。
一方、これは明らかに不正義だと言い切れることというのは、まちがいなく、ある。

明白な不正義が行われようとしている場にたまたまにしろいあわせたとき、僕は、立ち上がり、声をあげる人間でありたいと思う。

きょうそんな事件があった。
いろんな人が電話をかけてきたり、訪ねてきたりして、どう思う、どうする、と質問された。ちょっとくたびれた。

正直、あまりにくだらない人びとを相手にしなければならない問題で、できることなら避けたい気持ちもある。

が、これは眼前で行われようとしている間違いのない不正義だ。
僕は、立ち上がり、声を出さなければいけない。
質問には、やせがまんで胸をはって、断固たたかいますときっぱり言った。
言って自分を奮い立たせた。

こんなことのくりかえしで、きっと人は、結果として、それが何かを定義できないままに正義を行うことになるのだろう。

大好き、ということ。

2007年11月27日 | 鬼笑な日々

大好きなひと、って、つくろうとしてつくれるものでもなく、大好きになってしまったのだから、その感情を抑えられるわけもなく、ましてや忘れたり嫌いになれるものではない。

愛は、ある場合、努力によってなしえる。
でも、「大好き」は、ただただ、心がどう感じるかの問題。

僕は、人を愛することは尊いことだと思うけれども、「大好き」のほうをたいせつにしたい。


手術

2007年11月21日 | 鬼笑な日々
数年前に職場の先輩が亡くなったときに、形見分けに本を何冊かいただいた。
本棚に積んであったうちからたまたま手にとった1冊をいま読んでいる。1961年出版の本。

しおりがわりに新聞の小さな切り抜きがはさまれていた。「手術」という題の小学6年生の詩。


運搬車に乗せられ 手術室に入った
私のとなりには 若い女の人がねていた
 (中略)
名前も知らないこの人に
いらないかかとの骨をあげるのだ
それを思うと うれしくなってきた
足がなおったら この人といっしょに あるきたい
そして この手術を 思いだすだろう

一生懸命の尺度

2007年11月18日 | 鬼笑が知らせる

NPO法人・能登ネットワーク理事の数馬嘉雄さん(数馬酒造社長)のお話をうかがう機会があった。

配付資料の最後のページ。
「一生懸命の尺度」。

一生懸命の尺度
一生懸命本気でやれば、なぜか面白くなる。
一生懸命本気でやれば、なぜか心が燃える。
一生懸命本気でやれば、なぜか人が助けてくれる。
一生懸命本気でやれば、新しい世界(道)が開けてくる。


僕は、3番目、「なぜか人が助けてくれる」がとくに好きだ。
「尺度」というのも、いい。


「いしる」の話

2007年11月13日 | 鬼笑が食べる、飲む

能登の「いしる」が改訂『広辞苑』に載ったらしい。

地元では、「いしる」(主に外浦=日本海側。鰯を中心にたまに鯖、鰺などが原料)という呼び方と、「いしり」(主に内浦=富山湾・七尾湾側。イカが原料)という呼び方が拮抗している。ほかに、「よしる」(珠洲市の一部など)という呼び方もある。

高い評価を得ているのはむしろ内浦側の「いしり」なのだけれども、「魚」の古称の「いお」と「汁」の「しる」がつながって「いしる」となったと解するのが無難だ、とかいうのがえらい先生方の最終判断で、広辞苑では「いしる」になった。(ほかの呼び方として、「いしり」「よしる」も但し書きとして記載。)

ニューヨークなど世界最先端の食のお店に「いしり」を売り込み好評をえてきた数馬酒造の数馬嘉雄社長、「残念。つぎの改訂では『いしり』にしてもらえるようにがんばります」とあくまで前向き。

きょう夕食のあと、白川で買ってきたどぶろくの最後の1本を飲むのに、冷蔵庫のなかをごそごそさがして…。
チーズを海苔で巻いたのに、ちょんと、「いしり」(きょうのは鯖が原料)をつけて食べると、無茶苦茶おいしい。(食欲が勝って、写真を取り忘れました。残念。)


東京に行った話

2007年11月11日 | どーでも話
早朝の池袋。

朝6時半に朝食。座って食券を出してとなりをみたら、おばさんが納豆をかきまぜていた。
牛飯食べ終わって席を立つときとなりをみたら、まだまぜいていた。

向こうからふらふらやってきた朝帰りらしい若い女性が、映画のパンフレットを濡れた舗道にビチャッと落とした。
しばらく見つめて、そのまま立ち去った。

東京モノレールの一両の定員は99名。
もどかしい。

日本一のお運び

2007年11月09日 | 鬼笑な日々
「わたし、日本一のお運びになりたいんです。」
彼女はきっぱり言った。

なにをもって日本一というかむずかしい気もするが、この決意だけですでに一流だと思う。

それぞれの山で、それぞれの高みをめざす。

「お運び」をきわめる。

2007年11月08日 | 鬼笑な日々
知人のRさんは、30席ほどある和ダイニングのフロアをひとりできりもりしている。
小柄な体で笑顔をたやさずよく動き、森のなかを敏捷に走り回るリスのよう。客あしらいがじょうずで、機転もきく。

「わたし、お運びをきわめたいんです。どうやったらお客さんに料理とお店を楽しんでもらえるか、毎日いっしょうけんめい勉強しているんです。」

このお店、店長さんの腕はなかなかのものでかなりできるほうなのだけれど、料理やインテリアなど、「この店でなければ」という訴求力に欠けるところがあるのも事実。
僕がたまに足を運ぶのは、彼女の笑顔と声と動きが実にきもちよく、それがつくる店の空気が好きだから。

きわめたい、という思いをきいて、これは応援しなければと…。

八角

2007年11月03日 | 鬼笑が食べる、飲む

なじみの店で八角があったので、唐揚げにしてもらいました。



焼いてもおいしいのですが、皮がかたくてきれいに食べるのがむずかしいのと、唐揚げにしたほうが大きな頭も食べられておいしいと板前さんがアドバイスしてくれたので、唐揚げに。

かなりごつい見てくれですが、頭からバリバリ骨ごと食べられます。
身もおいしかったけど、頭が最高。
脳が大きいわけではないだろうし、エビじゃないんだからミソでもないだろうけど、なんだかミソっぽいのがいっぱい詰まっていて、それがあつあつで、かなりいい具合でした。