鬼笑で行こう。

おいしいものの話や、まじめでいい加減な不定期評論など…

居酒屋の人生訓

2009年11月29日 | 鬼笑な日々
居酒屋ではよく、自分の経験を絶対化して、連れてきた目下の者に人生訓を伝授している人がいる。
目下の人はおごってもらう立場上、たいていおとなしく肯定的な態度できいている。

よくみかけるのは、「いちばん大切なのは感謝の心」「謙虚さがなにより」。
しまいには、「俺がここまでなれたのは謙虚さを失わずにきたから」と、よくわからんことを言い出す。

俺が世界一謙虚だぁ! と言い出しかねない勢いですよ。

談合自慢のおじさん

2009年11月28日 | 鬼笑な日々
26日夜、韓国出張から帰ってきて、なじみの鮨屋へ直行。

カウンター10席ほどの小さい店に、先客は男性4人組と女性ひとり。僕は、4人組の左端のおじさんから1つあけて席をとる。

この4人組、せまい店をわがもの顔で大声でさわぎ、まさしく傍若無人。なかでも僕のとなり、左端のおじさんは、4人でいちばん上司らしく、しきりに「俺が」「俺は」と大声で喚いている。

そこへ遅れて30前とおぼしき作業着の男性が到着。
「現場から直行してきたもので、作業着で申し訳ありません」と上司たちを前に恐縮している。

左端のおじさん、「作業着結構! 現場があっての会社だ! いっとくが、俺がいなかったらお前の現場はなかったんだぞ!」といよいよ調子があがる。

大声なんでいやでも聞こえてしまうのだが、左端のおじさんが政治家やら同業他社やらの間を走り回ってたいそう苦労してとってきた仕事だそうで、要するに、おじさん、談合をとりまとめた自慢話を披歴していたのでした。店の外までひびくほどの大声で。

ひとしきりさわいだあと、決裁との関係でしょう、お勘定をふたつに分けて領収書を出すように要求し、宛名も別々の部署に分けさせて、ごきげんで出て行きました。

左端のおじさん、「かわいい子がいる店に連れて行ってやろう!」と豪儀なことを叫んでたけど、そこでも同じようにせこい領収書を出させるんだろうな。

こうして、僕たちの税金が、おじさんの食欲と性欲に費消されていくのでした。

眞露がおいしかった話

2009年11月25日 | 鬼笑が食べる、飲む
眞露などつまらない希釈焼酎と思ってたけど、なぜか韓国で飲むと、おいしい。

中身が違うのか、やはり料理と合うのか、単なるトラベラーズハイなのか…。
なんにしろおいしいのだから、安くて幸せ。

日本ではロックでしか飲んだことないけど、当地では必ず、冷やしたストレート。希釈酒だから、これでちょうどロックの濃さか。

いま明洞の店でプルコギで眞露をやってます。
『地球の歩き方』をもった客がつぎつぎ入ってくるし、片言の日本語ができるおばさんがいるので、日本人客で稼いでるみたいだけど、家族経営みたいで、韓国人客も多く、なかなかおいしいです。

僕のすぐあとに学生らしき女性が10人ほど入ってきて、出張旅費以内におさめなければならない僕とは格ちがいのオーダーで盛り上がってます。
あとからひとり入ってきた、みるからに「貧乏学生の一人旅」みたいな若者が、何かの麺だけウーロン茶で啜ってるのが、この世代を象徴しているみたいでちょっとおもしろい。

チムタクを食べた話

2009年11月24日 | 鬼笑が食べる、飲む
ソウルから高速バスで3時間、「Capital of Korean soul」、アンドンに。

1時に着いて、まずは腹ごしらえを考える。
市場の奥に入ると、飲食店らしいが看板もなく何を出すのかさっぱり分からない店がつづく。
順番に声をかけていって、ほんの少しだけ英語が通じるおばさんに尋ね、名物チムタクは当然あるということで、この店に決定。

チムタクは一皿ニワトリ一羽だというので、それは無理、半分にしてくれと交渉。
おばさん、娘さんらしきひとと長く相談(残った半分が困る?)した結果、OKしてくれました。

ハーフサイズでもすごい量。鶏肉だけでもすごいが、そこに長ネギ、玉ねぎ、人参、じゃがいもと春雨がたっぷり。
お皿の直径、およそ35センチ。

うんまかったぁーっ!

ヤキトリ、鶏鍋、タンドリーチキン、…これまで食べたどの鶏料理より、はるかにうまかったです。野菜、春雨も目茶苦茶おいしい。

ぜったい無理と思ったけど、鶏肉は全部残さず食べました。半羽も。野菜や春雨は心ならずも残したけれど…。

食べ終わったのは3時前、
さすがになかなかお腹がすかなくて、ちょっと胸やけで、夜はあっさり、冷麺に眞露で、バランスよく、満足。

明日は、今回の目的地ハフェマウルへ。

初デート

2009年11月20日 | 鬼笑な日々
ずっと楽しみにしていたTさんとの初デート。

スタバで本を読みながら待っている間、彼女がきたとき最初に口にする言葉をあれでもない、これでもないと考えながらずっとドキドキしてました。(本の内容てんで頭に入らず。)
デートの待ち合わせでこんなにドキドキするのは、はじめてのこと。

時間より少し早く着いた彼女は、この数日胸のなかでふくらませていたイメージよりずっときれいで、まぶしく、心中狼狽してしまった。

映画をみて、蟹面食べて、キノコが大好きというからA城でいろんな種類を食べて、Lタスでちょっと寝て、最後はCでボジョレヌーボーのんでずっと楽しくおしゃべり。

ほんとに素直で、よく食べ、よく飲み、よくしゃべり、よく笑い、……かわいい!

女子高生と5人のおじいさん

2009年11月08日 | 鬼笑な日々
スタバにて。

混み合ってるもんで、女子高生ひとりで勉強してるのを、5人連れのおじいさんが囲んで相席するかたちに。
この時点で、かなりへんてこな状況。
傍目で見て、彼女、かわいそう。

おじいさんたち、おたがい携帯を出して、メールの打ち方がわからんとかなんとか言い出して教えあってるんだけど、さっぱり要領をえない。

とうとう女子高生に「お嬢ちゃん、ちょっと教えて」と言い出したのだけれど、彼女、いやな顔ひとつせず、丁寧に教えてあげる。最後には自分の携帯で実演してみせ、おじいさんたちとアドレス交換して分かれました。

「親切にしてもらってK市の印象ようなったわぁ」「おかげで若返ったわ」とおじいさんたち、ニコニコ。女の子もちょっとうれしそう。

二日酔いで2時間ほどグッタリ無意味な時間をすごしてる僕にも、ささやかな清涼感。


(となりでキラー・カーンそっくりの大男が汗だくになってパソコン打ってる…。)

天才ボーカリスト?

2009年11月03日 | どーでも話
きょうちょっと時間があったので、K大祭へ。

お目当ての映画のあと、キャンパス内を歩いていたら、メインステージで学生のロックバンドが聞いたことない曲をやってた。

そのボーカルがすごい。
なにがすごいかというと、はじめから終わりまで、ずっと音程をはずしたままなのだ。

相当のオンチで名の通った人でも、一曲歌えば、何かの拍子にワンフレーズぐらいは音程が合うものだ。

たとえば僕が、わざと音程をはずして歌おうとしても、その曲を知っている以上、どこかでつい正しい音程で歌ってしまうだろう。と思う。

それなのに、彼は、文字通りいちども音を合わせることなく、最後まで歌いきったのだ。

これはもう、感嘆するしかない。
彼をボーカルに指名した仲間も、すごい。