鬼笑で行こう。

おいしいものの話や、まじめでいい加減な不定期評論など…

山が見えるようになった

2007年05月17日 | 鬼笑が話す
今回の地震でもっとも被害が大きかった地区のひとつ、輪島市(旧門前町)道下(とうげ)の仮設住宅に知人を訪ねました。本人もお母さんも明るく元気でほっとしました。

阪神・淡路、中越と経験を重ね教訓がいかされているそうで、仮設住宅は予想していたよりよくできていて、彼も「普通のアパートとかわりない」「思っていたよりずっと快適」と言っていました。真夏・真冬を経ないと分からないことも多いと思いますが。

道下の集落を案内してもらいました。(写真も胸を痛めながら実は何枚か撮りましたが、被災者の気持ちを考え、ここには掲載しません。)
倒壊住宅の取り壊しもかなりすすんでいて、前回(4月4日)総持寺門前通りに行ったときのような凄惨な雰囲気はなくなっていましたが、あちこちに更地ができていて、そこにあった暮らしを思うと胸を衝かれます。

更地。取り壊しの順番待ちの家。取り壊しの目処さえ立たない家。更地。更地…

家やお店が建ち並んでいた旧国道から、山が見えます。

多くの人が地震直後の茫然自失状態から立ち直り、仮設住宅での生活にもやっとなれてきたようですが、仮設住宅から出て、もとの場所での生活にもどれる人がどれだけいらっしゃるか。
高齢者が多く(旧門前町の高齢化率は48%)、こういってはなんですが、せいぜいあと10年か20年しか住めない家を再建する気力と資力はなかなかないでしょう。これを機に、金沢などに住む息子・娘との同居を選ぶ人も増えるでしょう。
そうなれば、ただでさえ過疎化で売り上げが落ちている商店も、再建を断念するところが増える。
店が減れば不便になって、なお人が減る。

悪循環。過疎化の加速化。

これまでとちがった復興支援のスキームが必要です。