東京 DOWNTOWN STREET 1980's

東京ダウンタウンストリート1980's
1980年代初頭に撮影した東京の町並み、そして消え去った過去へと思いを馳せる。

品川からの道~碑文谷道その十七:三ツ木通り周辺

2015-01-28 18:37:46 | 品川区
大崎駅周辺の旧居木橋村エリアというのも、駅の周辺がすっかり超高層ビルの町になってしまい、往時の雰囲気など想像しようにも到底無理な感じになっているのだが、数分歩いて奥へ踏み行っていくと、昔ながらの雰囲気を感じ取れる町並みに出会えるところが面白い。何よりも、地形的にアップダウンの交錯しているところで、目黒川によって浸食された台地の端の複雑な地形が特徴といえるだろう。再びタイトルには、碑文谷道としてみたが、以前掲載した品川宿を南馬場から出て日本ペイント工場前まで行き、真っ直ぐに行くのが目黒道で、そこから分かれてもう少し大井町寄りを行くのが元々の碑文谷道であったようだ。ただ、鉄道の開通やさらには車庫や工場が出来たことでその道は完全に分断されていて、そこからどう繋がっていたのか、今となっては判然としないところもある。もともと、平行して何本もの道が延びていたというところもあるようだ。
まずは大崎の高層ビル群を望む、貴船神社へと向かう道から。この道を背中の方へ進むと、以前掲載した貴船神社の横手に出る。


そして、さらに進んで行くと尾根筋を下るようにして、より低いところへと降りていく。ここまできても、大崎の高層ビル群の異様なスケール間が分かる。


少し先にモルタル仕上げの看板建築になっている北沢屋酒店が見える。立派な瓦屋根で、モルタルの正面のファサードの下には出桁造りの店舗があるのではないだろうか。


この通りは三ツ木通りという商店街になっている。三ツ木というのは、この地域の古くからの地名。そして、ここがこの周辺では一番低い。


一番上は東海道新幹線、下は品鶴線、今は横須賀線といった方が分かりやすいのだろうか。そして、その下を道路が向こうへと伸びる。この道、戸越銀座の通りの延長なのだが、その一番先は平塚橋のところのかつて池があったという辺りまで繋がっている。池のことを調べてみても、明治の初期の地図でも既に存在していないので、品川用水の工事が行われる中でこの池とそこから流れ出る川も、品川用水に取り込まれる形になったのではないかという気もしている。地形から見ていくと、その池から流れ出た小川が浸食した形でこの道筋が谷になって続いている。一番低い位置なので、用水化される時には廃された川筋なのではないかと思う。用水は高いところの尾根筋を通されていき、各々低い所に配水していくようになっている。


そして、線路を潜って進んできたところ。高さも低いのだが、フラットに道路が続いている。そんな経緯から、道路になったのも古い時代で通り過ぎる人で賑わった感じがする。


不動産屋の建物の良い雰囲気だ。この辺りは、以前は田圃の広がるところであったのだろう。台地上は畑、低地は田圃という割り振りになるのだが、田圃に適したところはそう多い訳ではない。こうした古くからの商家のあるところは、古くからの道筋であった痕跡と言える。


道沿いには、元タバコ屋。もう、永らくこのままになっている様子。


いつからこの看板は、この前の景色を見つめ続けているのだろうか。


そして、妙光寺。以前、この裏手の道を辿った時に掲載したけど、こちら側が表になっていた。こちらから見ると学校のような大きな建物。門前には沿革が掲出されていた。
「当高照山妙光寺は明治二十八年(一八九五年)、元常泉寺住職、京橋教会担任教師であった富士本広布院日奘贈上人が三木、蛇窪、中延、戸越及び京橋本因妙講の信徒等と供に、此の地に本宗寺院を建設し、遠く元和二年(一六一六年)総本山第十五世日昌上人によって、駿河国駿東郡浮島に創せられた妙光寺の寺号を移し、総本山第五十五世日布上人を御開基に仰いだ事に始まる。
 その後第二代有元大慈院日仁贈上人は折伏の法将として、東都の広布に挺身し、その足跡は豊島区長崎、大田区大森、目黒区緑ヶ丘、そして当時の中華民国上海に教会所を開設するに及んだ。
 今日の目黒妙真寺、板橋妙国寺等の前身である。
 当山には日蓮大聖人、日興上人を始め百三十余幅の重宝御本尊が厳護され、境内地は墓地を合せて千八百坪、現在の堂宇は昭和三十九年(一九六四年)三月、第六代柿沼大東院日明贈上人の代に、妙光寺全法華講員の信心の結晶に依って、新築落慶をみたものである。
 墓地の中には、大正期の画壇にあって、独創的な画風を開拓した萬鉄五郎画伯や、長く国政に参画貢献された元建設大臣、環境庁長官小山長規先聖、料理に男の一生をかけた築地ふく源主人川島源蔵翁の墓などがある。」

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