東京 DOWNTOWN STREET 1980's

東京ダウンタウンストリート1980's
1980年代初頭に撮影した東京の町並み、そして消え去った過去へと思いを馳せる。

東京がす資料館と滝野川ガスタンクのこと

2011-07-15 17:24:02 | 板橋区
さて、暑い最中を都下小平にある東京がす資料館に行ってきた。


ここは東京ガスがその歩みなどの歴史的な展示をしているところと言うことで、以前から行ってみたいと思っていた。新青梅街道沿いにあって、駐車場もある。私はバイクで行ったけど、暑かった。広々とした敷地に煉瓦造りの建物が二棟あり、芝生の庭には各地から集められたガス灯が灯されている。真夏の日差しの下では、少々分かりにくいのが残念だけど。


煉瓦造りの建物の内一つは、本郷追分町にあった旧本郷営業所の建物。明治42年築。この建物はいわゆる本郷通りの東大前の通りの中山道が追分で別れた直後の東大農学部の並びにあったという。その辺りは私にとっても懐かしい場所なのだが、こんな立派な建物の覚えはないと思ったら、移築されたのが昭和41年のこととのことで納得した。この建物があったのは私が卒業した中学校の向かい側だった。こちらの建物はガス灯館ということで、一階には全体の案内ビデオやガス灯の器具などの展示がされていて、二階は企画展用のスペースになっている。


そしてもう一つは、東京ガス千住工場内にあった計量器室で明治45年築。こちらは昭和52年に復元されたようだ。建築要覧に両方とも掲載されているので、移築はこちらも古いようだ。こちらはくらし館という名称で、ガス器具の新旧やガスの製法の変遷など多岐に渡る展示がされている。


これだけでも充分に興味深い内容で、入館料無料でみて歩けるのは魅力的だと思う。ただ、少し寂しいのは以前のこのブログでも紹介したガスタンクについて、あまり展示がなかったこと。改めて調べてみたところ、正式には滝野川にあったものは有水式ガスホルダーというのだそうだ。文字通り、地面に穴を掘って巨大な円形のプールが作られている上に、風呂桶を伏せたようにタンクがのせてあり、それがガスの貯蔵に応じて外側のフレームに支えられながら上下していたのだ。私が撮影した写真にはフレームは写っているが、タンクが上がってきているところが見えていない。おそらく天然ガスへの切り替え後だったので、既に休止状態だったのではないかと思われる。その辺りの分かりやすい解説などはこちらをどうぞ。

千住のものは知らないが、西東京市にあったガスホルダーよりも、板橋にあったものは遥かに巨大だった。とにかく、圧倒的に大きなものだったのはこの写真からも分かって頂けると思う。(再掲)


帰り際に受付で、滝野川のガスタンクについて訪ねてみたところ、後日学芸員の方から回答を頂くことが出来たので、御紹介しておこうと思う。


滝野川ガスホルダーについて
有水式4層ガスホルダー
設置 1924年12月     廃止 1986年

有水式5層ガスホルダー
設置 1954年 2月     廃止 1986年

とのこと。二つ並んでいる姿を良く覚えているのだが、一つは戦後増設されたということだった。廃止は1986年。私が写真を撮影した数年後に姿を消したわけである。どういったものだったかについては下記を参照のこと。
北九州イノベーションギャラリー

また、まだ未見だが雑誌「荷風」のvol.28に写真が掲載されているそうだ。

今は節電とのことで、このがす資料館の開館時間も限られているのだが、もう少し落ち着いてきたら是非少し日が落ちかけたところでガス灯の灯りがどう見えるのか、また見に行ってみたいと思う。

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