中央区の銅板貼り建築、今回は八丁堀、新富町、入船、湊、そして佃嶋、月島とまとめてみた。八丁堀周辺は再開発が進行していて、ほかにも残されていた建物があったのだが、撮影しないままになっている。今の時点でどれだけ残っているのか、かなり心許ない。新富町はバブル期以降に町中ビル化が進んで、相当に様相が変わってしまった。入船も同様で、湊は一番バブルという時代に傷付けられた町だと思う。爪痕がそのままに残っている . . . 本文を読む
さて、中央区の銅板貼りの建築をまとめてみた。中央区も戦災の被害も受けており、さらには開発の速度も速いところだ。バブル期の破壊的な荒波も受けているので、ここでも残されているものはそう多くはない。今回は旧京橋区の中でも銀座と築地のエリアをまとめてみてみた。
銀座と言っても、昔からの川の中の銀座エリアには銅板貼りの建築は残されていない。昭和通りを越えた、かつては木挽町といわれたところ、その北寄りに僅か . . . 本文を読む
このところ、また急速に姿を消している都心部の昭和初期の建築をまとめてみている。今回からは中央区である。まずは、旧日本橋区エリアから。銅板貼りの建築が残されているところと言うのは、基本的に関東大震災で火災の被害を受けたところであり、さらに第二次世界大戦中の空襲の被害を免れたところと言う二つの条件を満たす必要がある。関東大震災の被害を受けていないエリアでも、その時期に銅板貼りの建築があることもあるのだ . . . 本文を読む
以前、このブログで両国広小路のことを取り上げて、私製の重ね図を掲載してみたことがあったのだが、「東京・遠き近くを読む(30)帝都復興計画を読む」を書いた後に、都立中央図書館へ行く機会があり、太田圓三著「帝都復興事業に就て」も読むことが出来た。広範に渡った震災復興事業について、図面なども多用しながら、その意図するところを分かりやすく述べた内容で、興味深く読めた。大部ではないのだが、よくぞこれだけに事 . . . 本文を読む
さて、前回御紹介した「明治大正昭和建築写真聚覧」の中で、目下張りぼて化されて高層ビルを建てられている工事の最中にある三菱倉庫江戸橋倉庫の建築当時の写真が掲載されていたので、これだけは御紹介しておきたいと思った。前回は明治、大正編から紹介したが、昭和編にも馴染み深い建物が数多く収められている。ここしばらくの間で姿を消してしまったものがかなりあることに、複雑な気持になる。
この三菱倉庫江戸橋倉庫に . . . 本文を読む
先日、兜町辺りを歩いた時に、そういえばと思って久し振りに江戸橋にも回ってみたら、周囲をフェンスで囲われて解体作業がはじまっていた。日本橋川沿い、江戸橋の袂にある三菱倉庫株式会社江戸橋倉庫ビルのことである。このビルは、昭和5年に三菱倉庫の設計、竹中工務店の施工で建設された。RC6階建て、地下1階。建築要覧15414に掲載されている。東京都選定歴史的建造物にも選定されており、今では日本橋川沿いに残る水 . . . 本文を読む
私が両国広小路に興味を持つ様になったのは、両国橋界隈を歩いてみたことから始まる。神田川が隅田川に流れ込む辺りには、柳橋が掛かっており、かつては東京でも有数の花柳界で知られたところである。現在では見る影もなく、橋にその名を留めている。隅田川は堤防で囲われ、町から水面の雰囲気を感じ取ることは難しい。かつては、人々の生活と共に水面があり、憩いの場でもあったのだが、周辺の町自体も生活感を感じない町にもなっ . . . 本文を読む
両国広小路、まずその成り立ちは前回ふれたが、明暦の大火で江戸の町が火事に見舞われたとき、両国橋はなかった。さらに、浅草橋御門が閉まっていたということで、多数の死者を生じることになってしまった。このことから幕府は隅田川に橋を架けることにしたわけである。
明暦の大火というのは、江戸の町の歴史上でも一つのターニングポイントであり、家康入府以来突貫工事で作り上げてきた江戸という町が、想定以上の速度で発展 . . . 本文を読む
さて、東京の町の移り変わりを考える上で、関東大震災は一つの大きなターニングポイントである。これによって失われたものの大きさは、計り知れない。江戸以来の繁華な場所で、今は全くそのイメージが湧かない場所として両国広小路を上げることが出来ると思う。靖国通りの脇に両国広小路の記念碑が建てられているのだが、その場所に建ってみてもイメージは浮かばない。
両国といえば、今日では隅田川の向こう側、両国駅の周辺 . . . 本文を読む
というわけで、今度こそ本当に'80年代に撮影した分は最後になる。銀座といっても、結局三原橋周辺で少し撮影しただけで、今思えばもったいないと思うのだが、最早仕方がない。というよりは、三原橋周辺がこれほどまでに変わっていくのかということに、改めて銀座という町のエネルギーを感じている。
五丁目13番。晴海通りと昭和通りの交差する三原橋交差点から直ぐのところ。改造社ビル。左右で外観が異なっているのが面白 . . . 本文を読む