横網町公園内には、復興記念館という建物もある。こちらは入場無料だし、震災と東京空襲に纏わる資料の展示があって、震災で被災した現物を見ることが出来る。
この建物自体も、昭和6年に建てられたもの。この時期の流行でもあったスクラッチタイルが外壁に貼られている。
内部も重厚な雰囲気があって、身が引き締まる思いがする。館内の撮影は、事務所で一言断ってからにしましょう。他の見学者の迷惑にならない様にす . . . 本文を読む
今年は関東大震災から90年目ということで、防災の日9月1日を前に関東大震災に纏わる展示なども行われており、メディアでも報道されている。そして、東京で関東大震災に纏わる事を知ろうと思えば、まずここに行くしかないと言えるのが、両国の横網町公園である。ここには、大正8年に赤羽に移転するまで、陸軍の被服敞があった。被服敞というのは、軍服を製造する工場である。移転後、その跡地が広大な空き地になっていた。大 . . . 本文を読む
「東京・遠く近き」というタイトルのエッセイは、登山関係の評論で知られる近藤信行氏の著作で、丸善から発行されている「学鐙」に1990年から1998年頃に掛けて全105回に渡り連載されていた作品である。氏は1931年深川清澄町の生まれで、早稲田大学仏文から大学院修士課程を修了され、中央公論社で活躍された。その後、文芸雑誌「海」を創刊し、現在は山梨県立文学館館長を務められている。残念ながら書籍化されてい . . . 本文を読む
御手洗については、前回で終わりと思っていたのだが、やはりもう少し町の概略などについて、まとめておいた方が良さそうだと思い、もう一回書いてみることにした。この町のことを網羅した「瀬戸内御手洗港の歴史」後藤陽一編より引用、或いは要約を掲載している。
私がこの町を訪れたのは、私の曾祖父がこの隣の愛媛県今治市岡村島の出身で、明治の早い時期にこの御手洗の港から船で大阪へ出て行ったという経緯があったからである . . . 本文を読む
さて、夏休みスペシャルと題して東京から遠く離れた広島県呉市豊町御手洗をお送りしてきたが、本日が最終日となる。遠く、不便なところにあることで、忘れ去られた港町が江戸時代からの姿をそのままに残して、ひっそりと今もタイムスリップしたかのように存在している、そんな町並みを堪能して頂けたかと思う。手元に資料は豊富に持っているし、この町の歴史、その盛衰、などなど書いていけばきりがないのだが、そういったことより . . . 本文を読む
広島県呉市豊町御手洗の続き。御手洗は江戸時代に、沖乗りと呼ばれる直線的な航路を帆船が航行するようになったことで生まれた港町だが、町の中には神社やお寺ももちろんある。瀬戸内海の島は、太古の頃からの日本のメインストリートであった歴史を持っているだけに、神社なども非常に古い歴史を持っていたりもする。
前回掲載した七卿落遺跡のすぐ近くにあるのが、恵美須神社。
境内にあった碑には神社の由来と、お祭りについ . . . 本文を読む
瀬戸内の幻の港町、御手洗の町。瀬戸内海航路の要衝であったことから、この町には様々な人が立ち寄っている。薩摩藩主も、参勤交代の折にはこの港で一休みしている。江戸から明治に掛けては、陸路の整備は遅れており、海上交通が最速の交通手段であった時代がながく続いた。幕末の動乱期には、瀬戸内の海を外国船が数多く往き来したこともあった。江戸や京都の人々よりも、時代の激動を眼の前で見ていたと言えるかもしれない。
海 . . . 本文を読む
この御手洗の港町はここまで見て頂いている様に、瀬戸内海の美しさを楽しめる上に、歴史的な町並みを堪能できる素晴らしいところだと思う。その割には、観光地として盛んではないのだが、その理由はやはり交通の便が悪いと言うことに尽きる。そして、そうであるが故にこの町がひっそりとそのままに残っているわけでもある。そして、不便を克服して辿り着いたこの町は、決してそう広い町ではない。丸一日をここで過ごすと、充分すぎ . . . 本文を読む
さて、瀬戸内海の忘れられた港町、御手洗を夏休みスペシャルでお送りしている。この町の面白い所は、帆船時代に風待ち、潮待ち、の港として自然発生的に出来たこと。大崎下島の東南部にあるこの町は、眼の前の瀬戸を挟んで愛媛県今治市の岡村島を向かい合っている。この南北方向の瀬戸であったことで、東西方向に一日に二回潮の流れが止まって逆転する瀬戸内海特有の海流の待避場所としての適性を持っていた。さらには、前回書いた . . . 本文を読む
猛暑真っ盛り、真夏の日差しも厳しい日々。ということで、今週は夏休みスペシャルとして、東京を離れて以前訪ねて非常に感銘を受けた町の様子を見て頂こうと思う。東京の街角に過去の面影を捜すことに興味を覚える様な人であれば、きっと心奪われる町だと思う。その町の名は、御手洗という。瀬戸内海の中央、芸予諸島と呼ばれる島影の濃い中にある、大崎下島という島の東南に位置する港町である。この町は、江戸時代に北前船が盛ん . . . 本文を読む