米国でスマートフォンの新商品発売が相次いでいる。
シェア首位のリサーチ・イン・モーション(RIM、カナダ)が12日にタッチパネルを搭載したブラックベリーを投入。米アップルのiPhoneや、米グーグルの基本OSアンドロイドを搭載した商品との競争が激化しそう。
●3強しのぎ削る
RIMの「ブラックベリートーチ9800」は同社の特徴である操作性が高いキーボードに加え、画面に触れて操作するタッチパネルを搭載する。
1999年にブラックベリーを発売したRIMは、電子メールの利用が多いビジネス客を中心に支持を広げてきた。ただここ数年はアップルなどに追い上げられており、商品力の強化が急務だった。
米調査会社のニールセンによると、今年4-6月期の米スマートフォン市場におけるRIMのシェアは33%。米モトローラなどが販売するアンドロイド搭載商品が27%、アップルが23%と続く。
1年前はRIMが市場の半分近くを握る状態だったが、RIM、アンドロイド陣営、アップルの3強がしのぎを削っている。
従来型の携帯電話はコモディティー(汎用品)化が進み、米市場のシェア上位5社うち、サムスン電子とノキアの携帯電話事業は4-6月期に営業減益。
LG電子は営業赤字となった一方、価格を比較的高く設定できるスマートフォンの販売が堅調だったモトローラとRIM(3-5月期)は増益を確保した。
●競争激化
ただ、米ヒューレット・パッカード(HP)が米パームを買収してスマートフォンへの本格参入を狙うなど、成長市場をめぐる競争は一段と激しくなる見込み。
アラブ首長国連邦(UAE)などがRIMの電子メール機能を制限する動きを見せるなど波乱要素もある。
今後は商品の性能に加えて、端末に取り込んで使うアプリケーションソフトを充実させるなど、ハード、ソフト両面の強化が競争を勝ち抜くカギになりそう。
【記事引用】 「日本経済新聞/2010年8月5日(木)/11面」