沖縄のこの小さな島で音楽教師をしながら思ったことは、子供達の生きる力のすごさだった。何か子供なのに生活力があるのだ

さとうきびやウニの収穫時期になると家の手伝いをするために学校を休む日もあるのにはちょっと驚いたけれど・・・この島ではずっとそうやって生活してきてるようだ。兄弟も多く一番上の15歳の子が病気がちの母親に代わり一番下の3歳の子を面倒見たりする。幼稚園も同じ敷地内にあるので、その子が登校する時に一緒に連れて来るのだ。しっかりと責任を持ってる様子には感心した。こんな子もいた。両親とも蒸発してしまい親戚の家で一応は暮らしている男の子だったが、自分だけの小屋のような家を作っていて、そこで自炊もし、野菜を作ったり海で魚を釣ったりして食べたりしていると聞いた。いろいろ訳ありのようで担任だった男の先生が常に心を配っていた。ある授業の時、学校には来てるはずなのに姿が見えない男の子がいた

どうしたんだろう?と心配していると・・・制服のズボンを折り曲げ短パンのようにして、濡れた状態で戻ってきた

どうしたの?と聞くと何か私にビニール袋に入ったものを「先生!これやるさ~!」とくれた。えっ

何?と思い中を開けると大きなトゲトゲのウニが10個位入っていた

話を聞くと、本土から来た私に海で捕ったばかりのウニを食べさせたかったらしく・・・島の秘密の場所に行き捕ってきたらしい・・・一人でいて海に落ちて何かあったらどうするの?と心配して叫んだが、他の先生達もこの島の子達はみんな泳ぎも達者で素もぐりで貝やウニも捕れるし危険な場所や危険な生き物の事も私達以上に詳しいですから心配いらないですよ

と笑われた

そうなんだ・・・それにしても何て優しい子達なんだろう

と感動した。ただ、このトゲトゲの中からどうやって中身を取り出すんだろう

と思い聞いた。そしたら「えー中身の出し方知らないさ

」と言って、休み時間家庭科室を借りてその子がさばいてくれ食べるだけにしてくれた

すごく甘くてとろ~りとしていて最高においしかった

まだ14歳なのに何かすごい生活力を感じたのでした。確かに勉強の面では都会に暮らす子達と格差があるのは確かだけど、人間として本当に大切なものをこの島の子供達は自然と身につけている気がすることばかりでした。子供達は私に「楽しい音楽をたくさん教えてくれて、毎日とても楽しいです。とか、ピアノでいろいろ弾いてくれたりいつも音楽室にいて一緒におしゃべりしてくれてありがとう!」とか手紙を書いてきてくれたりしてたけど、私の方こそ子供達から溢れんばかりの素直な気持ちや感動をもらうことが出来たと本当に感謝しています。そのころ小学生だった子達ももう成人を迎え、立派になってることだろうと思い浮かべるのです。現在その島にはキレイな橋がかかり、車やバスが通れるようになったので、島の学校は閉鎖され、島で暮らす子供達も本島の学校へ通学してるようだし、毎朝、島へ渡っていた第八古宇利丸もなくなってしまったよう・・・。時の流れを感じながら・・・。あの瞬間はもうあの時にしかなかったと思うと本当に貴重な体験だったと思うと共に、そういう巡り会わせに出会えたことに心から感謝の気持ちです

続く・・