どうにも出来ない事・・・

音楽教室を運営しているといろんな事がある

子供を通して家庭の事情もわかったりする

私は子供達が大好きなので聞いていて辛くなる事も時々ある

いつも一人でレッスンに通っていた女の子・・・ママは小さい弟や妹達を預けて働き始めたと聞いていた

生活は決して楽ではないようだった

下校後誰もいない家に帰宅し扉のノブにかけてあるレッスンバックとランドセルを交換して公園でレッスン時間まで遊び・・・通っていた

まだ子供の事・・・たまに遊びに夢中になり来るのを忘れてしまったりした事があった先週に３度目をやってしまい

罰としてか・・・止めさせられてしまった

ママからの電話の口調で何となく感じた・・・

本当に音楽が好きでピアノも大好きで次回から新しいテキストにも入る予定でワクワクして帰って行ったのに・・・

ママは「遊びに夢中で忘れる位だから遊んでる方がいいそうですから止めます」と言っていたけれど・・・そうでないことはよくわかるのでずっと気になっていた

いつも一緒のお友達に聞いてみた

私の思った通りだった

ママは子供に何も言わずに電話をしたようだった

お友達が「何かね・・・お引っ越しするのにお金がないからピアノはやめるように電話したから・・・ってママに言われた」ってしょんぼりしてたと教えてくれた

レッスンを忘れて行かなかったこと・小さい下の子を預けてまで働いてるのにお金を無駄にした事・・・そんなことが重なって激怒したのだろう

レッスンを忘れたのは悪いから叱られても仕方ない

でも・・・実の母親ならば少しお灸をして復活させると思うけれど・・・

この子の場合事情があるので複雑です・・・

いつも大人に対して遠慮する子でしたママにも遠慮してるのだろうと思う

母親には思いっきり自分をぶつけられるのがホントだと思うけれど・・・それが出来ないのでかわいそう

私も突然の事だったのでとても残念で仕方ありません

少なくともこの子は音楽の素養があったし確実に上手くなることが出来たはず

環境も才能の一つと言われるけれど・・・

残念だけれど私にはどうしようも出来ないし、子供もお金を払うのは親だからどうしようも出来ない

でも・・・お友達に「いつでも練習室のピアノは弾きに来ていいんだよ」・・・と伝えるように話した

「歓こびの歌」が弾きたいと言っていたので譜面に書き写して渡そうと思う

コピー譜ではなくこれから先・・・この子が嫌な思いを少しでもしないで幸せに大きくなれるよう音符に願いを込めて私の手で写譜し、この曲がベートーベンの交響曲第９番の４楽章だという事・・・ベートーベンがこの作品に込めた思いも書いて、渡したい

この曲が辛い時の励ましになってくれればと思う

私にはそんな事位しか出来そうにない