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【心 de 経営】 徒然なるままに日暮パソコンに向かいて 第59段 大事を思ひ立たむ人 やりたいことに集中

2024-08-01 12:01:00 | 【心 de 経営】 徒然草に学ぶ
■【心 de 経営】 徒然なるままに日暮パソコンに向かいて 第59段 大事を思ひ立たむ人 やりたいことに集中      
  「徒然草(つれづれぐさ)」は、吉田兼好による随筆集の冒頭の文章です。作者は、兼好であるという明確な証拠はないようです。おそらく大半の方が、何らかの形で、この文章に接しているのではないでしょうか。
 徒然草といいますのは、清少納言の『枕草子』、鴨長明の『方丈記』とならび日本三大随筆の一つといわれています。
  高校生時代に戻った気分で、また、社会人として人生を歩み、自分の高校時代には理解できなかったり、誤解していたりすることを発見しながら、独断と偏見に満ちた、我流の解釈を僭越ながらお付けしました。
 徒然なるままに、日暮パソコンに向かいて、よしなしごとを、そこはかとなく書き付けてまいります。
 お届けも、徒然なるままにアップロードしますので、読者の皆様も、日暮パソコンに向かいて、末永く、徒然にご覧下さるよう、お願いします。
◆第5 9段 大事を思ひ立たむ人 やりたいことに集中
 出家を思い立った人は、俗世から離れ、俗字を捨てなさいと主張しています。
 「大事」、すなわち出家することは、今も当時も変わらず、それほど容易なことではなかったことが、この段から読み取れ、それを体験している兼好であるから強くいえるのでしょう。
 死ぬときには、愛着を持った人や物などとの関係が絶たれるのが必定であるので、やりたい事を一旦決心したら、道を究めることは容易ではないですが、それに全力を注ぐべきであるといっているように思えます。
 徒然草の中では、最も兼好らしい、聡しの段の一つといえます。

【原文】
 大事を思ひ立たむ人は、さり難き心にかからむ事の本意を遂げずして、さながら捨つべきなり。
 「しばしこの事果てて」、「同じくは彼の事沙汰しおきて」、「しかしかの事、人の嘲りやあらむ、行末難なくしたためまうけて」、「年ごろもあればこそあれ、その事待たん、程あらじ。物さわがしからぬやうに」など思はんには、えさらぬ事のみいとど重なりて、事の尽くる限りもなく、思ひたつ日もあるべからず。
 おほやう、人を見るに、少し心ある際は、皆このあらましにてぞ一期は過ぐめる。

 近き火などに逃ぐる人は、「しばし」とやいふ。
 身を助けむとすれば、恥をも顧みず、財(たから)をも捨てて遁れ去るぞかし。
 命は人を待つものかは。無常の來ることは、水火の攻むるよりも速かに、逃れがたきものを、その時老いたる親、いときなき子、君の恩、人の情、捨てがたしとて捨てざらんや。

【用語】
 大事: 出家をして仏堂に入り、修行を通して悟りを開く
 去りがたし: やめられない、捨てにくい
 さながら: すべて、そっくりと
 年頃: 何年も
 物騒がし: せっかち、性急な
 おほやう: おおかた、大体において
 あらまし: 予定、計画
 一期: 人の一生、人生
 無常: この世の中の一切のものは常に生滅流転 (しょうめつるてん) して、永遠不変のものはないということ。特に、人生のはかないこと(goo辞典)、ここでは「死」を意味する
 いとけなき子: あどけない子、幼子、幼い子供
【要旨】
59 現代語要旨 大事を思ひ立たむ人




 道を求めて悟りを開こうという一大事を決意している人は、放っておけず、心にかかる事があっても、希望を果たそういう方法で、それを解決しようとせず、そっくり捨ててしまうべきです。


 「いま少し待とう。これが終わってからにしよう」とか、「同じことなら、あれこれと片を付けてから」「これこれのことは、人に嘲笑されるかもしれない。将来非難されないように、ちゃんと整理してから」「長年こうして過ごすことができたのだから、そのことの結着を持ったとしても、それほどには時間はかからないだろう。そうせっかちになるほどの事ではなかろう」などと考えていたら、放置できないような、為さねばならないような用事ばかりが、次々と出てきて溜まってきたしまいます。


 しかも、為さねばならない用事が消えてなくなることもなく、ついには出家をし、仏道に励もうという一大事を決行する日も失われてしまうようです。


 世間の人々を観察しますと、大方の場合、多少はしっかりした面を持つ程度の人は皆、このようにして計画倒れになったまま、その一生を終えてしまうそうです。


 近所に火事があった時に、逃げる人は、火を前にして「ちょっと待ってよ。これでいいのだろうか」と言うでしょうか。まず、そう言う人はほとんどないでしょう。


 助かりたければ、恥も外聞もなく、財産さえ捨てて逃げるのが普通でしょう。


 いったい、寿命というものは、自分の都合を考えて来てくれるわけではありません。死が迫ってくる状況というのは、洪水や猛火が襲いかかるよりも速く、逃れることはできません。


 人生が、それほどまでに緊迫した状況に置かれているにもかかわらず、その時に、老いた親、幼い子、主君の恩、人の情けなど、「それは捨てがたいことだ」といって、捨てないでいられるかといいますと、捨てないでいられるはずはありません。




59 コメント 大事を思ひ立たむ人


 洪水の時に、初めのうちは「水が来ないかもしれない」と正常化バイアスが働くかも知れませんが、目の前まで迫ってくるときに、私達は、会社のことや困っている人達のことよりは、まず、自分の身の安全を考えてしまいます。


 しかし、道を究めようとする人は、人情や人のしがらみなどにこだわっていないで、それら、いっさいを捨てて、速やかに、出家という一大事を決行しなければ、状況の変化に流されて、その実現のタイミングを失してしまうだろうと、兼好は警告を発しています。


 これは、仏道に入るだけではなく、私達の人生においても、「いまでしょう」と考えられることが多いです。




 景気の悪いときには、就職を決めることが厳しいです。学校・大学側の就職指導の担当者は、自分のやりたいことができる会社を選びなさいとアドバイスをするでしょう。その結果、「自分のやりたい仕事に就きたい」という学生さんが多いようです。


 「やりたいこと」というのはすぐにも見つかるような印象がありますが、一生をかけたいことというのは、表面的なものを見ただけでは見つかりません。学生生活を通して見た社会というのは、氷山の一角でしかありません。


 いろいろな経験の中から、自分がやりたいこと、自分に適していることを見つけ出すことができるのではないでしょうか。


 まず、目の前にある、やりたいことを見出したら、それに全力を尽くして集中してみてはいかがでしょうか。いつのまにか、それが自分のやりたいことになってくることもあります。そうでないこともあるでしょう。


 その上で、自分で決断し、右に行くか、左に行くかを決めれば良いではないでしょうか。私は、このやり方は、兼好の言っていることと矛盾するようですが、兼好が本当に言いたいことは、このようなことではないかと思います。
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【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記 7月31日 「あたりまえ経営のきょうか書<戦略思考編> 5-16 経営理念の構築・再構築における自社の見直し視点

2024-08-01 08:21:00 | 【小説風 傘寿】老いぼれコンサルタントの日記

 

  【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記 7月31日 「あたりまえ経営のきょうか書<戦略思考編> 5-16 経営理念の構築・再構築における自社の見直し視点 

 平素は、私どものブログをご愛読くださりありがとうございます。

 この度、下記のように新カテゴリー「【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記」を連載しています。

 日記ですので、原則的には毎日更新、毎日複数本発信すべきなのでしょうが、表題のように「老いぼれ」ですので、気が向いたときに書くことをご容赦ください。

 紀貫之の『土佐日記』の冒頭を模して、「をとこもすなる日記といふものを をきなもしてみんとてするなり」と、日々、日暮パソコンにむかひて、つれづれにおもふところを記るさん。

【 注 】

 日記の発信は、1日遅れ、すなわち内容は前日のことです。

■【小説風 傘寿の日記】

 私自身の前日の出来事を小説日記風に記述しています。

7月31日(水)

 プレジデントオンラインによりますと、高齢者の4人に1人がYouTubeを見ているそうです。

 この費率を高いと見るか、低いと見るか、いや当然のことと見るかで見え方が違って来ますね。

 それらの高齢者を、私は「電脳高齢者」と呼ぶようにしました。

 コンサルタントを目指す人達の集まりがあり、【あたりまえ経営のすすめ】について、お話をする機会を得ることができました。

 下記のようなテーマでお話しました。

 

■第5部 【あたりまえ経営のすすめ 戦略思考編】 戦略思考で経営者・管理職のレベルアップを図る

 企業経営では、日常業務におけます事項から、経営戦略など、企業の根幹になるようなじこうまで、いろいろなレベルや内容の意思決定をしなければなりません。
 高度な戦略的な意思決定を行うには、戦略思考ができませんと、誤った方向に企業が走り出しかねません。
 一方で、戦略思考というのは、容易には身に付けることは困難です。この課題に取り組んで行きましょう。

5-2 経営理念とは何かを考える
 企業が、安定的に成長して行くためには、企業としての基礎がはっきりしていなければなりません。
 企業が目指すべき方向にそった「経営地図」が不可欠です。それが戦略であったり、経営計画であったりします。
 では、その戦略や経営計画は、どの様に構築すべきなのでしょうか。また、構築した戦略や経営計画が、それでよいのか確認する方法はあるのでしょうか。
 このような、企業の意思決定をするときの原点であり、「ものさし」であるのが「経営理念」です。

【あたりまえ経営のすすめ 戦略思考編】 5-16 経営理念の構築・再構築における自社の見直し視点

 それでは、自社を見直す「視点」について念のため見ておきましょう。
 再三お話していますように、時代の先行きが見えない、不透明な時代です。経営計画を立てることも難しいですし、立てても途中で修正せざるを得なくなる、といって経営計画を立てないとその場しのぎの経営になってしまいます。
 時代が不安定な時期には宗教が盛んになります。これは人々が心のよりどころをどこかに求めたいと潜在意識がそうさせるものなのでしょう。英雄が出てくるのも激動の時代です。不透明な時代であればこそ心のよりどころ、経営のよりどころ、判断のよりどころが必要なのです。
 経営理念とは、経営戦略の中核をなすべきもので、経営者の経営に関する基本的思想、信条のことで、企業としての使命感を明確にしたものです。その視点で見るときに、チェックポイント的な事項をここでご紹介しておきます。
  ①社会は、わが社に何を求めているのか
   ②社会の求めに応じるためのわが社の存在意義は何か
  ③それを実現するためのわが社の役割、目的は何か
  ④わが社はどの方向に進むべきか
   ⑤その結果わが社はどの様な企業になれるのか、わが社の将来像は何か
 これらを成文化し、ことあるごとに口にし、文書にし、全社員に理解させ、社員の判断・行動基準になるようにします。掲示しておくだけでは、絵に描いた餅にすぎません。絵に描いた餅では会社は良くなりません。
 経営計画、年度方針書など、すべての決定に対して正しいかどうか、取るべき道が間違えていないかどうかの判断基準にします。これがまた、社員に経営理念を徹底することにもなるのです。

 すでに、経営理念を経営に活かしている企業の業績は好調であることをご紹介しました。では、なぜ、経営理念を活用しますと、業績向上に繋がる企業が多いのでしょうか。経営理念の生み出す効果について触れておきましょう。

◇ 一体感
 経営理念は、組織の共通の価値を明らかにし、組織と従業員の一体感を高める効果があります。「共通目標・共通認識・共通行動」という全写真の指揮や行動のベクトルがそろっているからです。共通する価値の共有による一体感は、規則や賞罰以上に従業員のモチベーションを高めることに繋がります。

◇ やる気を生み出す発火点
 経営理念は、企業の社会的役割や責任、企業の目的、共通の価値基準を明確にしたものです。
 このため従業員は「なぜこの仕事をしているのか」「なぜこの仕事が重要なのか」「この仕事は会社のどの部分に位置付けられるのか」など、自己に与えられている仕事の意味を理解することができます。
 これにより、社会に対する貢献意欲や自己実現の欲求が、さらに明確になり、やる気を生み出す発火点になるのです。これはマズローの欲求5段階説でも説明がつきます。

◇ 企業宣言
 経営理念を内外に発表することは、企業の社会的役割や責任、企業の目的、共通の価値基準を宣言することになります。これは、コーポレート・アイデンティティー(CI:企業イメージの統一)の一部として企業のイメージ高揚に繋がり、宣伝効果を上げることにもなります。 

◇ 企業の憲法
 小学生でもわかる表現をしますと、経営理念は「企業の憲法」のようなものです。法律が憲法に則っているように、経営理念など下位概念が経営理念に基づきます。
 すなわち、経営理念は、企業のルールの基であり、行動規範を示す原点でもあります。



 


■【今日は何の日】

  当ブログは、既述の通り首題月日の日記で、1日遅れで発信されています。
  この欄には、発信日の【今日は何の日】などをご紹介します。
      https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/c/7c95cf6be2a48538c0855431edba1930

  ■【今日は何の日】 8月1日 ■ 花火の日 ■ 水の日 異常気象は嫌ですね

■【経営コンサルタントの独り言】

 その日の出来事や自分がしたことをもとに、随筆風に記述してゆきます。経営コンサルティング経験からの見解は、上から目線的に見えるかも知れませんが、反面教師として読んでくださると幸いです。

■ 音楽プレーヤーの始まりはエジソンの蓄音機の発明にある?? 731
 デジタル録音の時代に、アナログのレコード盤の良さが見直され、一部の人が再び愛用しだしたようです。
 蓄音機は、レコード盤のプレーヤーです。
 その発明は、発明王トーマス・エジソンであると信じられています。
 しかし、それは、「誤解」です。
 蓄音機の特許は、エジソンが持っているので、その様な誤解を招いています。
 実際に、蓄音機が発明されのは、エジソンが特許を取る2年前のことです。

 誰によるものかは、【今日は何の日】をご覧下さるようお願いします。

  ■【今日は何の日】 7月31日 ■ 千日詣り 京都愛宕神社の行事 ■ 蓄音機の日 発明者は誰もが知っているリンクblog.goo.ne.jp

■【老いぼれコンサルタントのブログ】

 ブログで、このようなことをつぶやきました。タイトルだけのご案内です。詳細はリンク先にありますので、ご笑覧くださると嬉しいです。
 明細リストからだけではなく、下記の総合URLからもご覧いただけます。
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