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対決!「クンフー」vs「カンフー」

2015年08月16日 | 雑記

映画などで中国武術を扱った場合に、「○○拳」「××派」等事細かい分類でなく、総称してよく《カンフー》といいますが、年期の入った香港格闘アクション映画ファンからすれば、それはトンでもない呼び名で、正しくは《クンフー》なんだよ、と即座に (誇張少々) 訂正される勢いであります。

実際の《功夫 / Kung Fu 》という中国語の単語には「工夫、努力、鍛錬の蓄積」等の意味があり、武術以外の一般社会でも使われている単語なのでありますが、欧米や日本ではクンフー=中国武術ですっかり浸透しています。実は《カンフー》という言葉はアメリカが発祥で、中国語の《Kung Fu (Gong Fu ) / コンフー》を米人が誤って「カンフー」と読んでしまったのが事の始まりとされています。

日本では『燃えよドラゴン』が公開されて以降、"中国功夫電影"はしばらくの間「空手映画」という呼び方をされてきましたが、『ドランクモンキー 酔拳』の公開以降は一般的には《カンフー》、児童向け書籍を含めた専門的な場所では《クンフー》で定着していきました。特にテレビ等の放送媒体では耳障りがよいのか《カンフー》読みが採用され (D・キャラダインの主演ドラマ『燃えよ!カンフー』もありましたし) 、日本語吹替版功夫映画でも殆どがこの呼称を使用していますね。

功夫映画を愛するファンたちからすれば、絶対に《功夫=クンフー》でこだわりたいものですが、どうやら世の中の風潮は《功夫=カンフー》のようで、改めて定着させるのはちょっと難しいでしょうね。ですからわたしは、功夫映画を余り知らない人には《カンフー》を、FB朋友ぐらいの方であれば《クンフー》と使い分けたりしています、口では《カンフー》と言いつつも「……本当はクンフーなんだけどなー」と心の中では思いながら。


※追記

『燃えよドラゴン』公開後すぐにやってきたジミー・ウォング主演の『片腕ドラゴン』パンフレットでは、まだ《クンフー》《カンフー》表記は無く"中国功夫電影[中国空手映画]"と紹介されています。なお本文中には英語スペル"Kung Fu"の文字もありますがカタカナ表記はされていません。

      


わたしの持っていた74年公開の功夫映画パンフレットには、《クンフー》《カンフー》表記はほとんどなく《空手映画》で統一されていましたが、75年公開の『スカイハイ』パンフでやっと《クンフー》の文字が見受けられます。

   



※再追記

どうやら《カンフー》はリスニングに近い表記のようですね。Google翻訳で試しに「功夫」と入力し喋らせてみたところ「(こ)くぉんふー」と発音していました。これが転化して英語の「かんふー」になったみたいです。ちなみに「Kung Fu」と入力して喋らせてみたら「かんふゅー」でした。英語のスペルを(多分日本人が)そのままローマ字読みした表記が《クンフー》だったんですね。

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