HIMAGINE電影房

《ワクワク感》が冒険の合図だ!
非ハリウッド娯楽映画を中心に、個人的に興味があるモノを紹介っ!

既視感系ヒロイン参上!『飛べ!ワンダープリンセス』

2013年09月03日 | 韓国まんがまつり
 星条旗を模した露出度の高いコスチューム、無敵のリストバンド……どこからどう見てもDCコミックスのキャラクター・ワンダーウーマンそっくりであるが、そんなことは問題ではない(本当は大事な問題なのだけれども)。男女ペアで地球を守る比率の高い韓国アニメ映画おいて、屈強な男性を差し置いて、単身悪の軍団に立ち向かうヒロインが活躍する珍しい作品があるのだ。それが韓国アニメーション映画のパイオニアであるキム・チョンギ監督が作った『飛べ!ワンダープリンセス』(1978)である。

 韓国が宇宙船の開発に成功し、ガンドンヒョク中佐をパイロットにして宇宙探査に乗り出す。しかし、世界征服を夢見る赤い帝国の邪魔に宇宙船は破壊され、ガン中佐は宇宙で迷子になる。誰もが生存を絶望しかけたある日、なんとガン中佐は奇跡的に地球に生還していたのだ。彼の話によると、宇宙を漂流中に宇宙人たちの住む王国に救出され、その王女と一緒にこちらの地球に戻ってきたということらしい。ガン中佐の帰還に再び活気を帯びた研究はミンビョンギ博士を中心に第2次探査を計画するが、赤い帝国のワンチク総統によって送り出された刺客の襲撃を受けて危機に陥る。だがその瞬間どこからともなく現れたスーパーヒロイン・ワンダープリンセスによって危機は回避される、果たして彼女の正体は一体……?

            
          
  
 私は実は元ネタであるTVドラマ版のワンダーウーマンをよくは知らないんだけれども、韓国の方が書いたブログなどを拝読させてもらうと、変身シーンはおろか、主題歌(韓国放映版)まで一緒らしい。僅かばかりの罪悪感も持たずによく上映したな、こりゃ。だが当ブログではあくまでも、その作品が面白かったかどうか?を評価するだけ。

 結論としては面白かったですよ。なんせ「いやぁぁぁ!」と掛け声も勇ましいヒロインが、単身で好きな男性の周りで起こる危機を見事に振り払ってくれるんだもん、痛快ったらないですよ。古典韓国アニメ映画にありがちな、ウザいガキんちょもあまり本筋に絡まなかったし。ただ、冒頭のプリンセスと敵の戦闘機とのドッグファイトが中盤、背景を入れ替えただけ(舞台を宇宙→地球上)で同じ事やってるのは興ざめだけれども。こんな大胆なバンクフィルムの使い回しは初めてだ。だって上映時間も短いんだし、新しく描き起こすなり違ったシチュエーションにすれば映画的にずっといいのに。
 他にも間あいだに挟まれる、赤い帝国総統と腰ギンチャクの科学者とのどつき漫才も楽しいし、基本的には面白い!ただメインキャラクターの件もあり倫理上大声で言えないだけなんで。何でオリジナルキャラでやらなかったのかな……キム・チョンギ監督?

          
           
                 
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遅れてきた夏休みおとな劇場!『テコン童子 マルチアラチ』

2007年04月08日 | 韓国まんがまつり

 かの名著『世界トホホ映画劇場2/アニメ&特撮大作戦』(大畑晃一・著)で紹介されて以来、是非観てみたいと思っていた韓国製アニメ映画『テコン童子 マルチアラチ』(77)がDVDになって発売された。

 こうやって突拍子もなく観たい映画がソフト化されるもんで、やっぱりキチンと働かないといけないなと痛感した次第であります。まぁ、YOU TUBEやなんかでタダで観れる事はあってもモノが自宅にあるという感動には敵いませんが。


 休暇で山登りにやってきた科学者夫婦は、この山で二人だけで厳しい自然の中で暮らしている兄妹・マルチとアラチに偶然に出会う。

            

 彼らは仙人のような老人に育てられ自然の中で生きる術やテコンドーを教わっていたのだが、ある日世界征服を企むドクロ団の首領である生きたシャレコウベ・青ドクロにより老人を殺されてしまう。マルチとアラチは復讐の為さらに強くなろうと心に誓い山中に篭っているのだという。

            

 話を聞いた科学者夫婦は自らが経営しているテコンドー道場での修業を勧め、彼らを山から下ろす。

 数ヵ月後、修行の成果は世界大会出場という形で現れる。だが、そこにはすでにドクロ団の魔の手が及んでいて、試合中のマルチを突然選手に変装した戦闘員が襲い掛かり、命こそは奪われなかったものの一時的に戦闘不能になってしまう。

            

 体力が回復したマルチは、アラチと科学者の友人である諜報部員の男と共に郊外にあるドクロ団のアジトに潜入、次々と戦闘員を倒し憎き仇である青ドクロと対面するが、まだ勝負の時ではないとばかりに隠していた飛行物体に乗り込みマルチたちの前から去ってしまう。こうしてマルチとドクロ団との戦いが開始されたのであった…

            

 77年製作なので当たり前なのだが、すごく懐かしい感じがする作品である。アニメなどというハイカラな単語よりも“まんが映画”という言い方がシックリくる。劇画調の主要キャラクターとコメディリリーフ役のマンガタッチのキャラクターが同一画面に出るのはいかにも韓国アニメだなぁ(この辺は2~3本韓国アニメを観れば納得できるハズ)。

 すごいのはこの作品、話の展開が速い事で、次から次へと見せ場がやってくるのだ。何の前触れも無く次のステージに移動し、今まで微塵も紹介されなかったキャラクターが当たり前のように登場しているという、こちらの不安もお構いなしに話を進める強引なパワーに脱帽だぁ!
 
            
            
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韓国マンガまつり?! 『怪獣大戦争』

2005年11月04日 | 韓国まんがまつり
 非ハリウッド系娯楽映画ファンにとって“韓国”といえば“パクリアニメ映画王国”である。現在でこそオリジナルの『ワンダフルデイズ』や『マリといた夏』が評価されている韓国アニメーションだが、つい最近までは「どこかで聞いたようなタイトル」や「どこかで見たようなキャラクター」がまかり通っていた著作権無法地帯だったのだ。良識ある映画ファンは眉をひそめそうだが、変化球的映画好きにとってはこの“中途半端なパクリっぷり”がたまらなく、しばし話題の種になったものである(好き者限定)。今回の作品はそうドキツいパクリ描写もなく、いい歳こいたよい子のみんなも安心して観ていられる冒険アニメ『怪獣大戦争(クェステジョンチェン)』(72)だ。

 まずはジャケット画を見ていただこう。これをみてどんな作品を連想するだろうか?多分「ゲッ〇ードラゴンもどきの巨大ロボが活躍するロボットアニメ」と思うでしょ?ところが本編は、下のほうにちっちゃく載っている巨大ヒーロー(〇ルバー仮面っぽいフォルム)が出ておりました。両方が映画に出ていたら面白かったのに…。話は宇宙開発のロケット打ち上げを阻止しようとする悪の組織と、それに立ち向かう政府の密命を受けた特殊工作員との戦いが軸になっていて、それに組織によって人質として連れてこられた子供(男女)の救出劇が挿入されている。



一番の見所は悪の組織が破壊工作用に造った怪獣たちの大暴れっぷりと、特殊工作員がウル〇ラマンみたいな巨大ヒーローに変身して怪獣たちをバッタバッタと倒していく所だ。へぇ~、巨大ヒーローって概念は韓国にもあったんだねぇと、これを観て感心した。多分日本製怪獣特撮モノの影響だと思うけど。全体的にかつての東映の子供向けマンガ映画的な雰囲気に満ちていて、懐かしい気持ちに浸りたい時にとても最適な一本だ。



●オリジナル版ポスター。ビデオジャケットはイカサマだったのか!
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