HIMAGINE電影房

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リアル「緑が森」! 『大侠梅花鹿』を観る

2010年06月30日 | 中華圏映画

 お待たせいたしました、約一月ぶりの更新でございます。

 ここ最近はお中元用短期バイトとmixiコミュニティー用のイラスト描きばっかりで、映画レビューのほうはとんとご無沙汰になっていたのですが、ようやく溜まっていたDVDを少しずつ観賞できる余裕ができてきました。といっても定期的に更新できるかどうかは別の話ですが…


 今回は1961年製作の台湾映画『大侠梅花鹿』を紹介します。


 まず、掲示してあるポスター画像を見てもらいましょう。この図版から貴方は何を想像しますか?

 ヒーローもの?ファンタジーもの?

 実はこれ、動物を擬人化したもので、スーパーパワーもスーパーヴィランも存在しません。とある森で繰り広げられる悪い狼集団に小動物を守るために殺害された父の敵を打つために主人公・梅花鹿の復讐の旅を描いた映画だったんです。

 いわばリアル『山ねずみロッキーチャック』、もしくは『銀牙』(あれは犬か)なんですね、コレ。

 いい大人が動物キャラクターの衣装(全身タイツ)を着て、それでいてかなり人間くさいストーリーを演じるんですから違和感バリバリです。男性キャラはともかく女性キャラのコスチュームはどれも色っぽく(61年当時では)、劇場に子供たちを連れて行くお父さんたち向けのサービスとしか思えません。中でもパッと見ワンダーウーマン(もしくはダルナ?)みたいなセパレートな衣装を着ていろんなキャラを誘惑する小悪魔・狸狐精はインパクト強すぎますし、梅花鹿の恋人である鹿小姐は、彼と別の鹿との自分を賭けた決闘に心痛めたり、敵である吸血狼を助けてしまったりとあまりの人(鹿か、この場合)の良さに違う意味でインパクト強すぎです。

 くだらない作品が多数存在するアメリカのグラインドハウス映画、もしくはドライブ・イン・シアター向き映画と十分にタメを張る、奇跡のトラッシュムービーである『大侠梅花鹿』、いったい誰が作ろうなんて言い出したんでしょう?謎です。
 
 
 こんなスゴイ映画を見る機会を与えてくださったスージー大哥には感謝っ!


 追伸:この作品で主役の梅花鹿を演じた俳優・龍松はのちに凌雲と改名。そう、あの香港ショウ・ブラザースのトップ俳優のひとりであります。人に歴史あり、ですねぇ~。

コメント (3)
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