行ってきました、女子プロレス団体・アイスリボンの名古屋大会へ。
最初、「1年で2回も名古屋で興行するなんて!」と素直に喜んでいたのですが、本大会がREINA世界タッグ並びに、インターナショナル・リボンタッグ王座2冠統一王者を決めるタッグトーナメントであることを知ったとき、正直「え~」と落胆しました。せっかくの地方大会であり、集客の為の話題作りであるのは分かるんですけど、現在進行形の余所行きでない、《普段通り》のアイスリボンが見たかった。それに他団体であるREINAのベルトを自前のタッグ王座と統一するという発想がよく分からない。新興タイトルとはいえ仮にもその団体の《頂点の証》でしょ?価値を軽く見てるとしか思えない。
でも、まぁ2冠チャンピオンを目指して「おぉ!」と思うようなバリエーションに富んだメンツが顔を揃え、そして第一試合にアイスリボンの《未来》である堀田祥子vs世羅りさがマッチアップされ、止めと言わんばかりの19時女子プロレス内での、「来年の名古屋大会の予定は未定」という衝撃の発言に奮起し、俄然注目の大会となったのである(少なくとも名古屋近郊のファンにとっては)。
それでは試合の感想など。
○堀田祥子&世羅りさ選手は、常に声を出して戦っていている姿は新人らしく初々しいし、非常に好感が持てた。長身の世羅はその身体を生かしたフィニッシャーを身に付けなければ、個性派ぞろいのアイスリボンでは埋もれてしまう可能性あり。逆に堀田は《関節技使い》というアイスでは珍しいタイプなので、この辺をどんどんアピールしていけば面白い存在になるなぁ。
○タッグトーナメント1回戦(REINA世界タッグ、インターナショナル・リボンタッグへの挑戦者決定戦)は予想通りの渋谷シュウ&新田猫子vs星ハム子&帯広さやか戦と、番狂わせだったチェリー&内藤メアリvs雫あき&成宮真希戦という対照的な試合だった。猫子は空中殺法に加え要所要所での尻尾攻撃など、すっかりキャラクターが板に付いて安心して観ていられるが、帯広のあの落ち着きの無さはなんなんだ?!(笑)でもみんなそういうモンだと思って観ているから、別に負けても格というか商品価値が下がらないのはスゴイ事。でも、もうちょっと上のポジション狙ってもいいんじゃないかな、帯ちゃん?
チェリーさん、やっぱりうまい!歳は同じでも全然キャリアに差がある内藤をうまくリードし、BBA38に初勝利をもたらした手腕は立派。逆に終始押しまくていたのに、最後にフォールをとられてしまった成宮に再浮上の機会はあるのかが気になる。彼女にとって今は試練・我慢の時期なんだろう、きっと。
○REINA世界タッグ防衛戦は、常に安定感のある藤本つかさ、ここのところ情緒不安定気味な志田光のマッスルビーナスと渋谷&猫子との一戦。REINA×WORLDのベルトらしく所々ルチャっぽいエッセンスが入っていて面白かった。ここでも光ったのは猫子。リングサイドとの距離が短いので上に高く飛んでアタックしたケブラーダは値千金!たぶん勝ったマッスルビーナスよりもこの試合、観客の注目は猫子だったはず。つっかのビーナスシュートを頭部に喰らい、ゆっくりと後ろに倒れていく姿は印象的だった。
○リボンタッグ防衛戦、できればつくし&くるみ組の防衛じゃなくBBA38のタイトル奪取が見たかった。試合自体は面白く観られたんだけどねぇ……ここで後楽園ホールのリベンジ成功!となったらもっと盛り上がったと思う。メアリ姐さん、どうもお疲れ様でした。
○松本都vsミスター6号戦は、みやこっちのバケモノみたいな存在感の前に、ミニマムなのが個性の6号くんが若干霞んでしまった感あり。彼の、コーナーからのティへラ(ヘッドシザース)とか見てると、なんかメキシコのミニ・エストレージャみたいだなぁ、と思ったりした。技術云々でなく顔だけでプロレスしてるみやこっちってスゲェ!このレベルまでくると勝ち負け関係ないじゃん。ここでもメアリ姐さんが何気に絡んできていい味出していましたよ。
○2冠統一王座決定戦は、両チームが熱い火花を散らし白熱した好勝負となった。つくし&くるみがいいレスラーだってのは分かるんだけど、背の高い低いは別として、いかんせん藤本&志田とはサイズが違いすぎる。プロレスって攻撃と受身で成り立っている競技なので、見た目の「大人が子供をいじめてる」感がなくなればすんなりと勝負の世界に浸れるのだが。受け方を間違えるととんでもない事になりそうな、志田の魂のスリーカウントを受けきったつくしのプロ根性に拍手を送りたい。あと、竹刀攻撃なんてどうかなぁと思っていたけど、ピンポイントで上手いこと試合中に使っているのを見て、志田ちゃんも考えてるんだな、と感心。流れに関係なくバシバシ殴ってたら只の暴走だもんね。
と、まぁ色々思った事考えた事を書き綴ってみました。おっさんの独り言なのでこれを読んで「違うっ!」なんて文句とか付けないでね。今回生観戦して感じたのは「やはりプロレスはライブが一番」という事。最近TVとかDVDでプロレス見てると途中で飽きてきちゃうんだよねぇ。一瞬でも見逃すまいとお金払った分見る側も真剣だって事ですわ。