HIMAGINE電影房

《ワクワク感》が冒険の合図だ!
非ハリウッド娯楽映画を中心に、個人的に興味があるモノを紹介っ!

上官小寶の『李小龍』

2006年11月25日 | 雑記

 以前、香港のコミック誌を集めていた時期があった。あの迫力ある画と未知のものに対する興味でつい転んでしまったのだ。ちょい古いのから最近のものまでいろいろ読んでみたが、行き着くところやっぱり「古い」香港漫画が欲しくなってしまう。
 
 前々回紹介した『小流氓』のように復刻されているものならまだ入手できるのだが、日本やアメリカと違い古コミックの流通状態がどれほどのものかよく分からない香港の事、どうやって探したらいいのか困ってしまう。実際に現地に行って古本屋で探せばいいと思うが、そんな経済状態もよくないし…

 私が香港漫画の指南書としている『Hong Kong Comics: A History of Manhua 』という書物にはいろんな香港(および中国)の漫画の表紙絵がカラーで掲載されている。武侠ものから日本のものを明らかにパクッた空想科学ものまで読んでみたいものはいっぱいあるのだが、そのなかでも「これは!」と思った漫画がある。それは上官小寶・著の『李小龍』だ。

 なんだか黄玉朗の『小流氓』に雰囲気が似てませんか?絵柄といい、キャラクターといい。もう、このソックリさ加減で興味がグーンと湧いた。『李小龍』というタイトルだからブルース・リーが主役だと思うでしょ?実は名前が李小龍というだけで、全然本人とは関係ないのだ(顔も違うし)!ジークンドーも使わないしね。

 これを書いた上官小寶という人物はこの作品で当時、黄玉朗と人気を二分してたそうな。しかし、80年代に入ると自らの出版社まで興すぐらいにまで成長した黄玉朗により、漫画ごと引き抜かれたそうである(その後独立、2001年に引退)。いかに“香港漫画界のキング”黄玉朗が彼を、そして『李小龍』をライバル視していたかがよく分かるエピソードである(邪測が入ってるかもしれませんが)。

 現在持っているのは最近の号のやつで、絵はキレイすぎるし(こればっかり)荒唐無稽さが感じられず少々寂しい。私としては是非昔のヤツが見てみたい。主人公が目ん玉潰したり、腹から内臓ひり出したりするような残酷描写が見てみたい!(そういうスプラッター描写が大好きってワケじゃないのだけどね)

      
              
   ●左が昔のもので、残りは最近のもの。昔のほうが味があっていいと思いませんか?

『僕の彼女を紹介します』に泣く

2006年11月24日 | 韓国映画

 ようやく観ましたよぉ~!チョン・ヒジョン主演の日本でも大ヒットしたラブストーリー『僕の彼女を紹介します』(04)を。
 こういう世間的に知れ渡っている作品は観る機会を逃すとなかなか「観よう!」という気が起こらないものであるが、偶然にも鑑賞するチャンスが巡ってきたので一生懸命に観させていただきました。

 日本でも字幕つきのDVDが発売されているのでストーリー紹介は省略するが、何だか「泣かせよう」としてかなり強引なストーリー展開や演出があったりして、醒めた目でみれば「くだらない・わざとらしい」作品として映ってしまうのだが、公開当時大勢の観客がこの映画を観に劇場まで足を運んだ要因は「泣かせの演出」に浸りたい・酔いたいという事なので、そこん所を否定しちゃったらオシマイなのである。まぁ、たしかに恋人の男性が主人公に謝って撃たれて死んでしまうというのは不自然すぎて引いてしまったが…

 この作品の最大の売りは何と言っても主演女優であるチョン・ジヒョンの存在である。いくら空撮のシーンがカメラぶれぶれで観づらいとか、編集が荒いとか言われようが、そんな事は些細な問題だ。彼女がキュートに撮られていればそれでOKなのである。
 ブルース・リーの『ドラゴン危機一髪』だって技術的にもストーリー的にも陳腐なものだが、ブルース・リーの魅力で観れる作品になってるでしょ?それと同じでこの『僕の彼女~』という映画は“チョン・ヒジョン”という名前で客を呼んでいる作品なのだ。
 何も間違っちゃいない。スターの“芸”を観るためにお客さんは劇場に足を運ぶのだ。

 今の日本映画界に果たして「名前」だけでマネーメイキングできるスターは何人いることやら…?

      

      

『龍虎門』の前身『小流氓』について

2006年11月20日 | 雑記

 前回、映画『龍虎門』について紹介したが、今回はその前身(改題前)である黄玉朗・著の『小流氓』について書いてみようと思う。

 小流氓とは「小さな暴れ者」という意味で、平たく言えば「チビっ子ギャング」である。ただ、こう書いちゃうとコメディみたいになっちゃうのだが実際のマンガは、暴力と残酷描写のオンパレードで、親からしてみれば「こんなマンガ読んじゃいけません!」と言われる事間違いなしの内容なのだ。そして作品の中心にあるのは正義と友情・正しい者への尊敬なので子供たちにウケないはずはない。日本で言えば『少年チャンピオン』系の作風と言えば分かりやすいか。

 自分の武館『龍虎門』をアジトに脚技の達人・王小虎を中心に柔道&ヌンチャクの達人石黒龍や4人の舎弟をつれて町の平和を守っているのがこいつら小流氓で、その力は警察までをも動かすことができるのだ。こんな小僧たちが。
 そして他流派や悪党に雇われたすんごい武功を使う武術家、チンピラたちが彼らの敵として毎回登場するのだが、この造詣がまたすごい!見るからに「悪党」な面構えなのだ。そしてこいつらの最後が顔を潰されたり、頭カチ割られたり、内臓ぶちまけたりと「悪党に人権無し」と言われているような悲惨な死に方をする。この分かりやすさ文句無しである。

 私はこの『小流氓』は中国図書専門店で文庫版になって復刻されていたのを読んだ。中国語は分からないが、漢字の組み合わせと絵によって何となくだが理解できた。まぁ、暴力のオンパレードだからそうムヅカシイものではないのだけれど。
 主人公たちが映画館から帰る途中に「いやぁ、王羽の映画は面白かったなぁ」(意訳です)とか言ってるのを読むと思わずクスッと笑っちゃうのがクンフー映画好きの悲しい性。
 そういえば、この作品に1編で小流氓たちがあのブルース・リーと対決する話があってそいつも面白かったなぁ。リーの顔が全然似てないの。このマンガで香港の人たちが彼の事を「龍哥」と本当に呼んでいたんだな、というのが勉強になった。

図版→http://lfm.those-days.com/




●左から王小虎、石黒龍、王小龍ですな


            

            ●ブルース・リー登場回の表紙 

『龍虎門』、ついに鑑賞!

2006年11月19日 | 中華圏映画
 香港マンガ界の重鎮・黄玉朗のクンフー大河コミック『龍虎門』がドニー・イェン武術指導で映画化されると聞いてもう随分たったが、この間ようやく実物を鑑賞する事が出来た。

 いやぁ~、凄ぇわコリャ。

 ここまでマンガを移し変えたような色彩や映像だと、怒るどころかかえって清々しい。何事も中途半端は良くないからね。
 内容がクンフー・アクションものということで“反ワイヤーアクション派”からは「またか…」と嘆きの声が聞こえてきそうなのだが、この映画では私はそう悪いとは思わなかった。だって原作がマンガだもん。明らかに自然の摂理に反する動きをキャラクターたちがやってナンボの世界。それを視覚的に表現するためにはワイヤー?OK、CG?OKなのである。

 個人的には『龍虎門』に改題される前の『小流氓』の愛読者で(99号目から『龍虎門』に改題)、あの何ともいえない猥雑した70年代初頭当時の香港の雰囲気をうまく出している味のある黄玉朗の絵が好きだ。今の『龍虎門』は絵がキレイすぎる!それが悪いわけではないのだが、あの頃のマンガが持っていたB級テイストが失われて何だか淋しい気がする(高級になりすぎた日本のマンガにも言えるのだが)。

 ただ、この映画には問題が一つ。マンガでは主役のはずの王小虎(ニコラス・ツェー)と石黒龍(ショーン・ユー)があまり大暴れせず、ドニー演じる王小龍が大活躍していたって事だ。映画全体を見渡しても美味しいところは全~部ドニーがかっさらっているのだ(あと、ショーン・ユーも少し)。これでは主役の片翼を担っているニコツェーの立場が無いんじゃないの?スケジュールの問題か?
 
この映画大ヒットにより、パート2が製作される事になったそうだが、次回はニコツェーの大活躍を期待するぜ!
 ホントいいとこ無かったもんなぁ、彼。

           


           

ルチャリブレは生身のヒーロー・アクション映画だ!

2006年11月18日 | ルチャリブレ
 一月以上ぶりの更新です。何をやっていたかって?そいつはナイショ。ただ、何も更新してないこのブログを覗いてくれていた方々には本当に感謝します。


 ここ最近、YOU TUBEやGOOGLE VIDEOで世界の珍しい&面白い映像を観て一人で興奮しておりました。そして特に気に入ったものはダウンロードして“永久保存版”にしています。

 こういう動画共有サイトで面白いのは素人が撮った自主映画でもホームムービーでもなく、厳密には違法であるテレビ&ビデオ映像だ。観たことのない映画の予告編や、日本ではまだ公開されてない(されない)映画のフッテージ、そして海外(や過去)のプロレスの試合映像など、今までカネ出してしか観れなかった貴重な映像がタダで観れちゃう(電気代はバカにならないが…)のだ。


 その中でもお気に入りは海外のマニアが投稿してくれるルチャリブレ(メキシコのプロレス)の試合映像だ。

 本国・メキシコで放映されたテレビ映像もあれば、地方都市で行なわれた試合の隠し撮り(か、もしくはオフィシャルなもの)映像ほか、ルチャリブレにハマって数十年の私としてはホント、堪らない“宝の山”である。

 ここで何と、小学生or中学生の頃に観てルチャにおける6人タッグマッチの面白さを知った『世界のプロレス』(テレビ東京系)で放映されたロス・ファンタスティコスvsブラソ3兄弟が投稿されていたのだった。スゲェ、YOU TUBE!


 「プロレスってちょっと…」という人でもルチャリブレなら視覚的にも派手だし(全レスラーの半数以上がマスクマン)、売りの一つである空中戦は日本のヒーロー番組を思わせる凄さなので、是非一度観てみてはいかがだろうか?きっと「人間の身体能力って素晴らしい!」と感じるはずだ。

 昔、子供向けのプロレス本で怪奇レスラーの記事を見てプロレスにハマったワタクシからは以上です。