HIMAGINE電影房

《ワクワク感》が冒険の合図だ!
非ハリウッド娯楽映画を中心に、個人的に興味があるモノを紹介っ!

『ヨングとブッシュマン』を観た

2013年05月28日 | 韓国映画
 最近YouTubeで、多量の韓国児童映画をアップしてくださる方が現れて、お金のない私としては本当に有り難い事です。シム・ヒョンレ大哥の『ウレメ』シリーズや『ヨング』シリーズ他かなりの数の児童映画が観られるので(主にビデオテープからのアップロード)興味のある方は削除される前にGO!だ。

 今回はその中から前後編合わせて2時間以上もある大作(ランニングタイムだけは)『ヨングとブッシュマン』(1992)を紹介。

         


 【あらすじ】狂気の科学者コジュブ博士が、世界征服のために作り出した妖怪が偶然にもヨングの母に憑依してしまう。自分の力では手に負えないヨングは山に住む導師の元で教えを乞い、妖怪退治の秘術を習得して母に憑りついた妖怪を倒すことに成功したが、他にも博士が作り上げた妖怪たちが存在する事を知ったヨングは、さらに厳しい修行を重ね、ついには変身能力まで身に付けて数々の妖怪たちと闘いを繰り広げるのだった……

         
         

 何故にタイトルに“ブッシュマン”?どうも劇中に登場する妖怪の呼称がブッシュマンというらしい。多分『ブッシュマン/キョンシーアフリカへ行く(非洲和尚)』(1991)の影響ではないかと思われる。あっちには本物のニカウさんが出演してたけど、こちらは身体を真っ黒に塗った韓国人俳優が「ワカチコ!ワカチコ!」と叫んだり火を噴いたりと、もうブッシュマンでも何でもなくなっている!他にも忍者姿の日本ブッシュマンだの、ただのバカにしかみえない韓人ブッシュマン、巻き舌でアメリカ人ぶるのが可笑しいアメリカンブッシュマンなど、観てるこちら側も「もう、勝手にしろよ」と諦めの境地に達してくる。

         
         
          
 ヨングの変身形態もチョイスの基準がよくわからない。最初の対決では猪八戒姿、アメリカンブッシュマンほか連合軍(アフリカンブッシュマン除き全員一撃で消滅)や最終決戦では伝統芸能の仮面を被った姿、そして本筋とは全然関係ないギャング段&人造キョンシー(ヨングの友達を改造)との闘いでは黄金バット(劇中ではスケルトン戦士と呼称。『ヨングと黄金バット』を製作したため使えなかったらしい)と、もうごっちゃごちゃ。でもアクションシーンだけ見ればスタントダブルの効果もありすごくカッコよく撮られている。忍者との対戦なんてまるで『妖刀・斬首剣』みたいで(あそこまで洗練されてないけど)面白かった。

         
         

 ただ、“ヨング”映画としてみた場合、ちょっと違和感を感じる。というのも、ヨングって基本「ええおっさんが幼稚な事やって笑わせる」キャラクターじゃない?この作品には出だしこそ“いつもの”ヨングではあるが、修行していくうちに人間として“成長”してしまい、笑わせはするけどバカをしなくなり結局ヒーローとして完結してしまうのだ。“ヨング”というキャラクターを完全に把握していない韓国以外の観客(つまり我々の事)はヨング=格闘ヒーローと認識してしまうではないか。他のヨング映画では、主役のクセにロクに活躍もしなかったりする、だらしないパターンが多いのに……監督、『ウレメ』シリーズや『スーパーホンギルトン』と間違えてはいませんか?

『HELL COMES TO FROGTOWN』を観る

2013年05月20日 | その他の映画、テレビ
 先日YouTubeを眺めていたら、“変な”映画の予告編を発見した。画面に登場するのはカエル面の怪人、貞操帯みたいなのを付けたロディ・パイパー、そして例のカエル男たちを素手で倒すビッチ風衣装の女性……「何じゃこれ?」私の心は“怖いもの見たさ”で一杯になった。多分一般の映画ファンなら絶対トキメかないと思いますケドね。
 検索してフルサイズの動画を発見・鑑賞した後―――「うーん、予告編以上の物がないなぁ……」分かってました。くっだらないのは分かっているんですケド、ついつい《ヘンな映画好き》としては見ずにはいられないというか……存在を知っちゃった以上は無視できなかったというか。
 1980年代、劇場・ビデオ・ケーブルテレビ向けに多量に作られたB級SF映画のひとつ、それが今回の物件『HELL COMES TO FROGTOWN』(1987)だ。(ちなみに日本でもビデオリリースされており、邦題は『SFヘルスラッシャー』という……らしい)

          

 内容は、例の『マッドマックス』や『北斗の拳』と同じく核戦争後の世界を舞台に、ミュータントの居住区《フロッグタウン》に街の支配者のハーレム要因として連れ去られた女性たちを救うべく、政府より派遣された腕っぷしも強い美人医師スパングル(『コナン・ザ・グレート』のサンダール・バーグマン)、女兵士、そして筋骨隆々の荒くれ者・サム(R・パイパー)の3人が忌まわしき《フロッグタウン》に向かい救出活動を開始するというもの。
 面白いのは“犯罪者”であるパイパーが、政府の人間である彼女たちから逃げ出せないよう装置を着用されていて、バーグマンの持っているコントローラーによって局部に激痛が走るように仕掛けられているのだ。孫悟空じゃあるまいし、よくそんな馬鹿馬鹿しい事考えるよなぁ米産プログラムピクチャーって。

          
          

 ただ惜しいのは、主役級でアクション担当であるはずのパイパーにこれといった見せ場がないという事。格好よく銃器をぶっ放すわけでもなく、プロレスラーらしく派手な格闘シーンがあるわけでもない。これじゃあ何の為に彼をブッキングしたのかよく分からない!むしろ大活躍なのはバーグマンのほうで、カエル男を殴る蹴る、ダンサー出身らしくセクシーなダンスを披露するわでツンデレ大全開である。画面映えも(どっちかといえば)童顔のパイパーよりも強いので、こりゃ彼女メインでいいんじゃね?とも思った。

          
          

 カエル男のモンスタースーツをクリエイトしたのは『ガイバー』等で知られるスティーブ・ワン。スーツの皮膚感が相変わらず素晴らしい出来であります。しかし国内盤ビデオも廃盤になってるだろうし、DVD化も望めないので(海外だと単品と『デフ・コン4』とのカップリング盤あり)どうしても高画質で観たいっ!英語でも構わないっ!というのでなければ、今ならYouTubeで楽しめますので一度お試しあれ。