HIMAGINE電影房

《ワクワク感》が冒険の合図だ!
非ハリウッド娯楽映画を中心に、個人的に興味があるモノを紹介っ!

チャイニーズ・パルプフィクション!~武侠小説の挿絵を見る~②

2022年08月17日 | 武侠関連資料

1959年に創刊されて以後60年の長きにわたって、香港人のアイデンティティーともいうべき《新派武侠小説》の発信源としてファンに愛されていた週刊誌、それが『武侠世界』です。
本ブログでも2009年に当時の号の挿絵を紹介した事がありますが、最近米サイトの【Internet archive】に1980年代の『武侠世界』がたくさんアップされていましたので、当時の挿絵から香港武侠小説の熱気を是非とも感じ取ってください。


〇『武侠世界』 第24年第8期 (1982年2月) 号


チャイニーズ・パルプフィクション!~武侠小説の挿絵を見る~①

2022年08月12日 | 武侠関連資料

金庸や古龍の武侠小説出版ラッシュは、もはや過去の出来事となってしまいました。新古本でも徳間書店からでていた金庸作品はたまに見かけるものの、小学館や他の出版社から刊行されていた古龍作品なんて、ヤフオクでもあまり見かける事がありません。ブームが過ぎた…と言えばそれまでですが、出版権を持っていた徳間が金庸作品を推していただけでブームにすらなっていない。それでも香港映画ファンには「〇〇の原作」という事で結構読まれていたと思います。
 
結局は中国史好き、もしくは香港映画ファンの中だけで「終わって」しまった武侠小説ですが、今でも中華圏では旧作や新作の出版が盛んで、書籍だけでなく電子媒体でも読めるくらい浸透しています。題名だけ見ていてもわくわくするような漢字の羅列が読書意欲をそそりますが、悲しいかな中国語が読めません (ぴえん) 。だけど文字が読めないのであれば、小説に付く挿絵はどうでしょうか?しかし武侠小説のソフトカバーをめくっても絵が付いているものはほんの少しです。そこでインターネットで武侠小説、武侠小説誌の検索をした結果かなりの数が集まったので、ここで紹介させてもらおうと思います。

まず最初は、第二次大戦前のいわゆる《旧派武侠小説》に属する平江不肖生 (1890-1957) 作『江湖小俠傳』(1925) の挿絵です。リアルとは無縁な素朴な画筆が、当時の武侠小説の雰囲気が伝わりますね。