HIMAGINE電影房

《ワクワク感》が冒険の合図だ!
非ハリウッド娯楽映画を中心に、個人的に興味があるモノを紹介っ!

トルコ娯楽映画でGO! ~プロローグ~

2005年11月18日 | 非ハリウッド娯楽映画
 トルコ娯楽映画…それは世界の娯楽映画における最終到達点 、だと思う。いくら70~80年代の香港映画が有名映画のパクリが多いの何だのって言ったって、誰でも知っているキャラクターやサントラを無断でを使用し、場合によっては元ネタの場面ごと使用してしまうこの無政府状態、良識ある映画ファンなら怒り狂ってしまうこと間違いなし!私ですら「えっ、いいの?」と思ったくらいだからその無法ぶりは察するところだろう。ただ、知的所有権やら著作権などを考慮せず鑑賞すればこれほど面白い映画はない。規制がない分映画作りが自由奔放なのだ。しいて言えば好きなキャラクターを使ってオリジナルストーリーで動かしている同人誌に似ているかもしれない。多額の資金を使い、たくさんの人数にお金を使わせて観させる映画のほうが罪は大きいけど。

 その無法っぷりに世界のコアな娯楽映画ファンは狂喜し、彼らが作ったブートレクのビデオがマニア界隈で出回っていたのだが、この度マニア御用達のMONDO MACABRO 社から英語圏では初めてであろうDVDソフトが発売された。悪い画質で観ていた私からしてみると今回のDVDは非常に画がきれいで(といってもオリジナルのネガから起こしたわけではないので、作品によっては多少の退色はあるが些細な問題だ)、しかも英語字幕がついているので非常にありがたい。完全に英語を解かっているわけじゃないけど、読んで多少理解できる言語の字幕があるのとないのでは、作品の印象に大きな差がある。たとえ英文が5%くらいしか解らなくても。問題の中身だが、これはおいおい紹介していこうと思う。今回はトルコ娯楽映画のDVDが入手できた喜びだけで書いてます。これ。

はやく観たいな 『トムヤムクン』!

2005年11月11日 | タイ映画
 いよいよ本国・タイにて、トニー・ジャー主演作第二弾『トムヤムクン』のVCDが発売となった。うぉ~!!早く観てぇ。相変わらずDVDのほうは海外バイヤーとの兼ね合いでしばらく先になりそうなのだが(『7人のマッハ!』の時も英字幕を付けろだの何だのでモメた)、本編を観る分には問題ないのでVCDでヨシとする。個人的にあまり画質とかにこだわらない性質だし、何と言っても値段も安いし、ね。
 
 東京ファンタでの上映は大盛況だったそうだが、字幕付きでいち早く鑑賞できた人はホントうらやましい。東京に行く時間と金銭がなかった私は、劇場公開前にこのVCDを鑑賞して遅らばせながら大興奮しようと思います。字幕が付いてない?全然、無問題です。アクション映画だもん、観てりゃ分かりますって!(ってまだ手元にないのに購入した気になってるし…)
     
 あっ、今回の画像はタイで公開された時に発売されていたVCD『メイキング・オブ・トムヤムクン』のジャケットと本編カットです。たぶん、メイキングはDVDには特典映像として入ってるんだろうね、これ。

完全たる怪奇映画 『夜半歌声』

2005年11月09日 | 中華圏映画
 今でこそ中国映画は世界的名声を得ているが、第二次大戦前、まだ中華民国だった頃1930年代にも世界の映画レベルに引けを取らないほどの状態にあったという。芸術性の高い作品は研究者に任せるとして、ここでは娯楽性の高い作品を紹介していこう。
 今回は故レスリー・チャンのリメイク作が有名な『夜半歌声』(37)だ。リメイクの方はラブストーリーにウエイトが置かれていたが、オリジナル版はムードたっぷりの怪奇映画なのだ。

 人気俳優だった主人公は、舞台を観にきていた富豪の娘と恋に落ちるが、彼女に横恋慕する地主によって顔に硫酸をかけられ、ふた目と見られぬ顔となってしまう。彼は覆面を被り、事件のショックで精神に異常をきたした彼女のため夜な夜な歌を歌う。数年後ある劇団の青年がボロボロの劇場で歌の練習をしている所、主人公と出会い、彼から醜くなった自分のかわりに彼女の前で歌を歌って欲しいと頼まれる…
   
 『オペラ座の怪人』を思わせる悲恋もののストーリーだが、セット、照明、カットが見事なまでに“怪奇映画”を醸し出している。主人公のボロボロになってしまった顔のメイクも当時のハリウッド製怪奇映画にも引けをとらないほどの出来で、モノクロ画面との相乗効果により、観るものに恐怖と悲しみをあたえる。ラストの、群集により火をつけられた塔の中で主人公が息絶える場面は『フランケンシュタイン』を思わせ、ところどころ同年代のユニバーサル製怪奇映画の影響をうかがわせる。西洋的な感覚を持つ中国語を話す事以外はまったく中国らしくない洗練された映画だ。これが1937年製作って信じられます?


第2回韓国マンガまつり?! 『大怪獣ヨンガリ』

2005年11月06日 | 韓国映画
  今回は『韓国マンガまつり?!』第2弾として、怪獣映画好きなら一度は聞いたことがあるであろう韓国製怪獣映画『大怪獣ヨンガリ』(66)を紹介しよう。 2002年に日本で公開された『怪獣大決戦ヤンガリー』はこの『ヨンガリ』をCG技術を駆使してリメイクしたもので、いわば韓国におけるゴジラ的立場の怪獣だ。間違ってもガッパやギララではない。本編を観ると作風的にはガメラ(平成ガメラシリーズじゃなく昔のね)が一番近いのかな?子供が主人公で怪獣に絡む所なんかが。

 内容は地殻変動の影響で地上に現れた太古の生物・ヨンガリと、それに対抗する韓国軍との戦いを描いた、いかにも“怪獣映画”的な怪獣映画で、韓国オリジナルのエピソードなど別に無く、ただひたすら怪獣映画の文法に則って映画が進む( 前兆→怪獣出現→都市破壊→対策→攻撃→一時撤退→解決策発見→再び攻撃→怪獣退治成功、といった具合)のだ。画面上に、逃げまどう群集の中にチマチョゴリを着た女性の姿や、『朝鮮日報』の文字に気付かなければホント日本で製作された幾多の怪獣映画と間違えても不思議ではない。でもそんなマイナス面ばかりではなく、実に愛すべき作品ではあるんだよね、このヨンガリは。少年のイタズラで踊ってみせたり(BGMはエレキサウンド版アリラン!)、最期は身体の痒くなる薬をふりかけられ掻きむしながら死んでしまったりと、愛嬌タップリなのだ。昭和40年代前半の第一次怪獣ブームのなかにいた人ならば絶対「懐かしい!」と唸るはず。
 
 なお本作はアメリカ公開版(英語吹替)を元にして作られたDVDが発売されていて、私が観たのもこちら。一度オリジナルはどうなっているのか確認してみたいので、韓国でDVDを出してくれないかなぁ(フィルムが現存していないかも)…。

韓国マンガまつり?! 『怪獣大戦争』

2005年11月04日 | 韓国まんがまつり
 非ハリウッド系娯楽映画ファンにとって“韓国”といえば“パクリアニメ映画王国”である。現在でこそオリジナルの『ワンダフルデイズ』や『マリといた夏』が評価されている韓国アニメーションだが、つい最近までは「どこかで聞いたようなタイトル」や「どこかで見たようなキャラクター」がまかり通っていた著作権無法地帯だったのだ。良識ある映画ファンは眉をひそめそうだが、変化球的映画好きにとってはこの“中途半端なパクリっぷり”がたまらなく、しばし話題の種になったものである(好き者限定)。今回の作品はそうドキツいパクリ描写もなく、いい歳こいたよい子のみんなも安心して観ていられる冒険アニメ『怪獣大戦争(クェステジョンチェン)』(72)だ。

 まずはジャケット画を見ていただこう。これをみてどんな作品を連想するだろうか?多分「ゲッ〇ードラゴンもどきの巨大ロボが活躍するロボットアニメ」と思うでしょ?ところが本編は、下のほうにちっちゃく載っている巨大ヒーロー(〇ルバー仮面っぽいフォルム)が出ておりました。両方が映画に出ていたら面白かったのに…。話は宇宙開発のロケット打ち上げを阻止しようとする悪の組織と、それに立ち向かう政府の密命を受けた特殊工作員との戦いが軸になっていて、それに組織によって人質として連れてこられた子供(男女)の救出劇が挿入されている。



一番の見所は悪の組織が破壊工作用に造った怪獣たちの大暴れっぷりと、特殊工作員がウル〇ラマンみたいな巨大ヒーローに変身して怪獣たちをバッタバッタと倒していく所だ。へぇ~、巨大ヒーローって概念は韓国にもあったんだねぇと、これを観て感心した。多分日本製怪獣特撮モノの影響だと思うけど。全体的にかつての東映の子供向けマンガ映画的な雰囲気に満ちていて、懐かしい気持ちに浸りたい時にとても最適な一本だ。



●オリジナル版ポスター。ビデオジャケットはイカサマだったのか!