HIMAGINE電影房

《ワクワク感》が冒険の合図だ!
非ハリウッド娯楽映画を中心に、個人的に興味があるモノを紹介っ!

おばけカードけむり

2009年06月29日 | レトロ


 現在、駄菓子屋でバイトをしているのだが、駄菓子とともにある年齢を過ぎた方たちが必ず「懐かしい!」というのがこの『おばけカードけむり』だ。

 カードの裏に塗ってある薬品を付け、こすり合わせると煙(みたいなもの)がが出てくるのだが、不肖ワタクシメは遊んだ事が無いのでありますな。当時もっぱら蛍光塗料が塗ってある妖怪カード(みたいなもの)で遊んだり、怪獣カードを集めたりしていたもので、遊んだという記憶がないのだ。その駄菓子屋が入荷してなかっただけかもしれないが。

 そんな遊んだ事のない『おばけカードけむり』だが、このたび50枚(+2枚)1セットを購入してしまいました。というのも、働いている駄菓子屋とは別に近所のドンキホーテ内にあった駄菓子屋が閉店するというのでオール半額セールをやっていたので、これを機に欲しかった(興味があった)『おばけカードけむり』を買ってしまおう!と思って買っちゃったのだ。元値1050円の半額だからかなり安い。

 この『おばけカードけむり』に描かれている奇怪な絵は昨今のアニメ風の洗練されたイラストにはない何とも云えない魅力がある。他の駄玩具のパッケージは今風なのに対し(中身がすげぇバッタもんでも)、コイツだけは頑なに昔ながらの駄菓子屋テイストを守り通していると言うべきか。泥臭いテイストは紙芝居画にも通ずるモノがあるような気がする。

 それでは『おばけカードけむり』NO.10(9があるかどうか不明だが)全図柄紹介だ。

              

     

     

     

     

     

     

 いかがでしたか、いかがわしいでしょ?こういうドロ系のイラストは永遠に子供たちを魅了して止まないのだろう。あっ、今はカードゲームか。

 それにしてもいまどきの客ってこの手の「引きモノ」の買い方って知らないのね。1枚引いて(何枚でもいいのだけれども)精算すればいいのに、いちいち一式持ってきて「1枚いくらですか?」と聞かないでよ。

 

 

 


大梵林(ボリウッド)映画祭 ~第八回~ 『JACKIE CHAN』

2009年06月05日 | インド映画

 基本的にはヒンディー語映画を扱っているこの大梵林映画祭だが、時として多言語の作品を扱う事があるのでここに記しておきます。でも、まぁインド映画=ボリウッドで通っちゃっているのであまり気にならないか。

 今回の紹介作品は南インドのカルナータ州で製作されるカンナダ語映画界が誇るアクション馬鹿野郎、スリラー・マンジュの監督・主演作『JACKIE CHAN』(96)だ。
 タイトルだけ聞くとジャッキー映画かと勘違いしそうだが、ビタ一文ジャッキーは出演しておりません。劇中に小道具として彼の主演作『デッドヒート』のポスターが出てくるだけ。最初にこの事実を知らずに鑑賞すると痛い目に遭います、これホント。しかし、ジャッキー云々を抜きにして一本のアクション映画として観るとなかなか新鮮で面白かったりするんだ、これが。 

     

 内容はマンジュ演じるマーシャルアーツの達人の刑事が、悪徳政治家も裏で絡んでいるギャング団により身内を殺された男たちと協力し合い復讐・全滅させるといったもので、ここでもインド映画お得意の“不幸の連鎖”が描かれており、ドミノ倒しのごとく続く不幸にと観るものをゲンナリとさせてくれます。でもこれがあるから血しぶき舞う復讐場面や格闘シーンが生きてくるんだけどね。
 「魅力的な極悪人」は南インド娯楽映画には存在しない。悪党は悪い事を続けて観客のヒートを買い、最後に悲鳴を上げながら死んでいき、それを観て観客は日ごろの鬱憤を晴らすという健全たる娯楽映画のあるべき姿がそこにはある。

     

 一番の売りであろうスリラー・マンジュの手によるアクションは一言で言えば「やりすぎ」で、何べんもグルグル回転したり(見栄とか格闘とかで使用)、コマ落とししすぎて格闘シーンがマンガになっちゃったり、やられる悪漢はビューンと飛んでいったり、フロントガラスを何枚もぶち破ったりとやりたい放題。内容からすれば低予算映画なのかなと思いがちだが、次々と火花が上がったり、何十台と言うバイク・自動車・馬・トラクター(?)が一斉に主人公たちの乗ったトラックを追いかける場面を観ると、意外にお金が掛かっているのがわかる。
 このやりすぎアクションを観ていてふとラジニカーントの映画を思い出した。そういえばタミル語映画も南インドだったなぁ。無茶ぶりアクション演出は南インドでは常識なのか?北インドのヒンディー語映画ではお目にかかりませんが。

     

 「96年の作品だから無茶苦茶なんだよ。今だったらもっと洗練されているに違いないって」
 とお思いのあなた。現在YOUTUBEでその一部が視聴できる最近のマンジュ(アクション演出)作品『DURGI』(04)をご覧になって観て下さい。やりすぎアクションは現在も(ちょっと前だけど)健在です。南インド映画アクション万歳!

      
      


怪鳥音、イスタンブールの空に轟く! 『Ac Kartallar』

2009年06月04日 | 非ハリウッド娯楽映画
   

 最近は極めてまっとうな作品ばかりを観ていたが(あくまでも個人的見解)、久々にトンでもない作品を鑑賞する機会を得た。製作国がトルコ内容がマーシャルアーツと聞けばもう内容は保障済みだ。面白いか、ブッ壊れているかのどちらかである。「面白い」ってのも一般の基準には当てはまらないからなぁ…

 まぁ、ともかくそんなわけで今回はめったに観る事のできないトルコ製マーシャルアーツ映画『Ac Kartallar』(84)の紹介だっ!

      

 遠方からトルコにやってきた空手界の大物が何者かに殺されるという事件が起こった。門下生である刑事と弟子、そして彼が手塩にかけて育てていた主人公である最強の空手使いの3人が事件の調査に向かう。襲い掛かる刺客、次々と関係者が殺されていく状況のなか、ついに黒幕を突き止める。それは主人公の恋人の父親だった。ヘロイン密売をめぐって殺された空手界の大物とトラブルになり制裁のために配下の者を使い彼を殺害したのだ。すべての事情を知った主人公と刑事は怒りに燃え彼の大邸宅へと歩を進める…

      

 今までトルコの東洋武術を扱った映画の中では比較的まともで(空手とクンフーの勘違いは目をつむるとして)、普通に違和感なく観られたというのが素直な感想。中には目眩を起こしそうな勘違い描写があるものもあるからね。この作品は深追いせずにマーシャルアーツのみに絞ったのがよかったのかもしれない。

 ただ、主人公の造形はすごい。ブルース・リーですよ、あなた。ここまでやりますか?ドラゴン・リーブルース・レといったブルースプロイテーション映画(BLUCEPLOITATION:ブルース・リーのソックリさん主演映画群の事を欧米ではこうジャンル付けしている)の波がイスタンブールまでやってきたって感じ。
 所作もモノマネ映画と同じく猫背でチョコマカ走ったり、相手に指を突きつけたりと画面を観ながら「そうそう」と頷いちゃいました。逆にここまでやってくれると清々しい気分になっちゃうのは何故なんでしょうか?ただ、84年製作という事なので彼のアクションにジャッキー・チェンの影響も多々見受けられる。

      

 『怒りの鉄拳』『燃えよドラゴン』を思わせるようなシチュエーションもあり、リー信者なら「おおっ」と喜んで観てくれる事間違いなし!…あっ、怒り狂うかもしれないか。
 ただ、この映画の残念な点をひとつ。敵の一人にハゲで髭を生やした強そうな男が登場して冒頭の空手界の大物を始め、事件の関係者を次々と殺害したりしてキャラが立っているのに、いざ主人公との対決ではあっさりと負けてしまい、最後は刑事によって倒されてしまう(これも結構時間が短かった)という不甲斐なさ。もうちょっと『死亡遊戯』のジャバールくらいに強い設定にすればマーシャルアーツ映画として盛り上がったのに…