HIMAGINE電影房

《ワクワク感》が冒険の合図だ!
非ハリウッド娯楽映画を中心に、個人的に興味があるモノを紹介っ!

『Ong-Bak3』を観た

2010年08月24日 | タイ映画
 今年のアジア・アクション映画最大の注目作であるトニー・ジャー主演・監督作(パンナー・リットクライと共同)『Ong-Bak3』(2010)、ようやく鑑賞することができました。

 製作中におけるトニーの失踪事件など紆余曲折を経て完成した本作は、前作(『マッハ!弐』)にもまして本人考案の新アクションは見事で、ちゃんと開巻当初→荒々しく野性的、物語後半→達観して落ち着いた硬軟織り交ぜた動作、とちゃんとキャラクターの心の成長とともにアクションを変えているのがとても良い!タイ・マーシャルアーツ映画の《シンボル》的な動作である膝・肘を多用したアクションは少なく、トニーならびにパンナー印のアクションが現状維持ではなく、新たなるステージへ向かっている事がうかがい知ることが出来る。

 ラスト近くの《最高に盛り上がるクライマックス場面をわざわざゼロに戻す》演出は観ていて「へっ?」と思ったが、これって当初からトニーが考えていた脚本にあったんでしょうか?ものすごく不自然だし、興奮が途切れちゃうんですよコレだと。仕切り直しでトニー対本作の悪役ダン・チューポンの一騎打ちが開始されるのですが全然感情が入らない。格闘アクションは凄いですけどね。果たして本作はどこまでトニーの意見が織り込まれているのか?『マッハ!弐』がもの凄い緊張感で物語が推し進めていただけにその点だけが悔やまれます。


 この作品を最後にトニーは、仏門に入るため映画界を引退(?)するわけですが、「残念」「もっと作品が観たかった」等という声があるけれど、私はここらで一旦観客の目からフェイドアウトして自身のキャリアをリセットするのもアリかな?と思います。『マッハ!』で始まった怒涛のトニー・ジャー・アクションですが、自身の監督作である『マッハ!弐』『Ong-Bak3』を完成させた現在、彼がこれ以上のハイレベルなアクションを見せ続ける事は難しいと思いますし、映画ファンの興味を繋ぎ止める事だって難しいでしょう。それならば数年後かに今までとは違った魅力を持つ《新生トニー・ジャー》としてカムバックしたほうが良いのではないか?と考えています。

 果たして彼は今でも映画への情熱は持っているのでしょうか…?

『Ong-Bak3』と『Insee Dang』

2010年08月06日 | タイ映画

 熱中症や夏風邪が流行っているそうですが、みなさん如何お過ごしでしょうか?(←私らしくないなぁ、この挨拶)

 この度8/11にタイで発売(予定)になるトニー・ジャー主演・監督作『Ong-Bak3』のVCDを毎度お世話になっているニューロードさんの所で予約したんですが、トニーが出家して映画界から身を引いた現在、肉体をフルに稼動させて作り上げた最後の(?)超絶アクションを見るのが今から楽しみです!!

「予約したよ~」と同じ趣味の知り合いにメールを送った所、「これ見たら、今年の行事はほぼ終了」との返事をいただきました。そうだよなぁ、アジア映画ファンからすれば今年一番の話題作だったもんな、これを観ちゃったら…ねぇ?

だが、タイ映画にはもう一つ個人的注目作が残っていたのだ。それが10月公開予定の『Insee Dang(Red Eagle)』である。タイの大衆小説から生まれたこの義賊ヒーローは何度も映画化され、伝説的映画スター、ミット・チャイバンチャーの当たり役でもあったこの作品が彼の40周忌にあたる今年、いよいよ復活するのだ。

「何故に40周忌に公開?」と思う方もいらっしゃるだろうが、実は彼の最後の作品であり遺作がこの『インスィー・ディン』シリーズの一つで自身の監督作『Insee Tong(Golden Eagle)』それもこの映画の撮影中に不慮の事故で亡くなってしまったという悲劇性と相まってタイ人にとってはインスィー・ディン=ミット・チャイバンチャーという意識は強いのである。

この作品を監督するのは『怪盗ブラックタイガー』や『シチズン・ドッグ』で独特の色彩感覚と映像美でタイを代表する監督の一人であるウィシット・サーサナティアン。2007年頃にこのリメイク版『Insee Dang』を製作するという発表があって早3年。自然消滅したかと思っていた時もあったが、こうして予告編で観れる日がこようとは…世界配給を狙ったかのようなスタイリッシュ&ダークな雰囲気にすげー期待なんですケド!!ソフトが出るとしたら来年早々か…絶対買おうっと。

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