森かずとしのワイワイ談話室

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変動地形学者渡辺満久さん断言する

2012-09-01 09:43:39 | 反原発・脱原発
 変動地形学者の東洋大渡辺満久さんの講演会(中継録画映像)を「志賀原発直下に活断層!渡辺満久講演会」実行委員会が開催した。県地場産業振興センターコンベンションホールに、折りたたみイスを出すほど聴衆が集まった。

 渡辺さんは、静かな語り口ながら、調査映像を駆使して、志賀原発直下の断層は活断層以外にはあり得ないと断言した。しかし、それは、富来川南岸断層の「子分の断層」で、急に原子力安全保安院が持ち出してきた新基準「主断層」「副断層」「弱面」の区分設定によって、「弱面」と認定することによって、再稼働を容認するシナリオではないかと経産省の目論見を喝破した。

 志賀原発直下の活断層については、問題になったあのスケッチが最も精密な情報だという。建設工事によって今は地層は失われてしまっている。このスケッチに、地層の集積が活断層のズレが発生する前に堆積し、一緒にずれた層とその後に堆積した層とがよく分かる。ずれたときに書き込まれ、れき(石)が回転して立っているのが克明に描かれている。堆積物の年代特定から、12万~13万年前以降に動いたものだ。こう説明を受けながらよく見ると、納得するのだ。「これを活断層と言わずして何が活断層か」。渡辺さんは、従って、再調査は必要ないし、再調査で出てくるものはあのスケッチ以上のものにはなり得ないと言い切った。

 学術的な提言が顧みられない絶望的な日本の状況にあって、何が渡辺さんを駆り立てるのか。それは、変動地形学は御用学者達によって、軽んじられ、愚弄され続けてきた。そのことへの反骨心からだと率直に言われた。「不都合な真実」を発見し、それへの対策を導き出すという学問の論理をも否定する「原発の安全神話」を学者魂が許さないのだ。「原発何が何でも反対ではない。」という渡辺さんの言葉だけに重い。

 この秋に中間報告がなされるという北陸電力による再調査。これにどう向き合うべきか、それを整理するための大きな示唆を受けた。

 

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