森かずとしのワイワイ談話室

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三重県議会の議会改革視察(津市より)

2010-08-31 17:13:17 | 議会活動
 宿泊地の東京から名古屋を経由して三重県津市にやって来た。津市といえば、確か大学3年生の夏、中部国立大学野球大会で津球場で試合をした。第一打席で詰まらされて、第二打席では始動を早めてジャストミート。左中間にホームランを打ち込んだ記憶がある。これは余談だ。

 三重県議会の議会改革は全国で有名だ。私は、先だって全国地方議員交流会で三谷哲央議長の講演を聞いたばかりだ。今日は議会事務局が説明に当たってくれた。
 議会基本条例を制定し、会期を年二回にして開催期間を大幅にひろげた。年間開催日数は102日間から230日間へ。これで、議長の諮問機関としての調査機関の設置や議員の調査活動が多様に組み込まれた。執行部への質問を議席側から行うために議席側に質問演壇を設置(これは所沢市議会でも実施)。議場正面にモニターを設置し、質問者正面映像を傍聴席から見えるしくみに。インターネット中継に加え議案関連委員会資料をネット上に掲載を始めた(これは私も議会のあり方検討会の課題として持ち込んでいる)。これには執行部は難色を示したようだが、会議30分前の掲載には、議会事務局の業務がたいへんという。すでに傍聴者には関連資料は配布されている。資料配布をしない金沢市議会は傍聴者を恩典扱いで終わっている。私は、決まる前の議案や関係資料の事前公開が市民が市政に参画する大前提だと考えている。
 一方、議会議論活性の目玉と目されてきた議員間討議だが、うまくいっていないようだ。執行部提案の議案、予算案審査は、賛成・反対討論を経て議決するのが通例だ。議員は会派の立場や考え方の相違をこの討論で表明するが、執行部提案に対する討論だ。ここでは議員間の討議はなじまない。そうなると、議案審査、採決後に議員間討議の時間を設定しても討議するべき中身がないことがほとんどだ。テーマを持った特別委員会なら話は別だが。そのようなわけでインターネット中継の続く委員会で沈黙の議員間討議の時間が流れる。これをどう改善するのか、頭を悩ましていた。

 ところで、私は、地域主権改革推進会議で提起されている二元代表制は義務付けをはずし、自治体で選択できるようにする地方自治法改正を視野に入れていることについて、受けとめを尋ねた。三重県議会としての公式の見解ではないがと前置きし、地方の規模によって、柔軟な運営を行うことは場合によっては必要。その中に首長と議会が協働するやり方はあってもよいが、二元代表制そのものを否定するような制度見直しには反対だと答えが返ってきた。私も、橋下大阪府知事に代表される経費削減一本槍の行政改革の中で、議会が無駄扱いされ、首長が権力を一手に掌握するような機構改革を進めることは、民主主義にとっては危険だと考える。議会は権能を発揮し、首長の暴走を止める力を目に見えるようにしなければならない。また、議会の中から市政の発展のための政策が打ち出されてくることも大切だ。
 そのためには、政務調査費をしっかりとつけ、志と行動力に応える報酬・処遇を行うこともタブーであってはならないと言う。三重県議会の議会改革には、議会が自治と民主主義の砦足ろうとする士気の高さを感じさせてくれる。私は議会のあり方検討委員の一人だ。金沢市議会の抜本改革のチャンスがやってきている。

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