里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

今年のイネは最悪は免れるか

2019年07月23日 | 田んぼ

 当地方は7月に入り、平年を大幅に下回る低温と日照不足が続いています。アメダスデータをみると、この辺りだけが特異的に悪く、日照時間は例年の20%しかありません。大雨はないのですが、1日に一度は雨が降るといった状況が続いています。
 今日もどんよりとした曇り空に霧雨。気温も上がっていません。今、イネは最も気象の影響を受けやすい重要な時期を迎えています。
 このような状況でも田んぼの姿は、病害虫の発生もなく、一見悪くないように見えます。

 どの田んぼも低温対策のために深水にしています。といっても、この田んぼは深さ10センチ位なので十分ではありません。

 この田んぼは比較的深水にしやすい田んぼです。分けつは過剰かもしれませんが、生育は非常に揃っています。


水の深さは15センチはあります。

 昨日、茎を3本ほど取って剥き、幼穂を見てみました。
 これが1本目

 これが2本目

 これが3本目

 まさに、減数分裂期のまっただ中です。穂の形がしっかり見えています。通称、穂ばらみ期といわれるこの時期は、稲穂の花粉ができる時期で、この時に障害を受けると花粉ができないので、穂が出ても実らないのです。
 幼穂の長さで言うと3~12㎝、穂が出る10~15日前が、この「減数分裂期」に当たるとされているので、我が家の田んぼも、早いものはすでに終りを迎えていて、遅いものでもあと数日でこの時期は過ぎると思われます。穂も今月末か来月早々に出始め8月5日くらいには出揃うと計算できます。
 この時期が低温に最も弱く、一日の平均気温が20℃以下又は最低気温が17℃以下の日が数日続くと極めて危険とされています。以前の予報だと、先週の後半くらいから気温が上がってくるとの予報でしたが、1週間くらい後ろにずれ込んでおり、一向に上がってきません。
 ここ10日間の近くのアメダスデータをみると、最低気温が17℃を割った日はありませんが、平均気温20℃以下の日が5日あり、低温障害を受けるかどうかのボーダーラインにあります。極端に下がってはいないので、心情も入っていますが、なんとか耐えてくれているのではないかと思っています。もっとも明日から気温が予報どおり上がってくれることが前提です。
 これまで今月5日以降、幼穂が出来て1週間くらい、連続で平均気温20℃以下、最低気温17℃以下になり、特に10、11日は最低気温が12℃台と極端に下がっており、これがどの程度ダメージを与えているのか非常に気になっています。
 改めて、大凶作だった平成5年と15年のアメダスデータを見てみると、低温の続いたレベルが今年をはるかに越えているので、そのようなことはないとは思いますが、そろそろ週間予報が当たってもらわないと困ります。