里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

ソラマメも間もなく終り遠い昔の終り初物

2024年06月15日 | 畑:豆類

今年のソラマメは例年より1週間ほど早く5月末から穫り始めました。
我が家の品種は中晩生種の「河内一寸」なので、5月中から穫れることは稀です。
平年なら今頃は梅雨に入っている時期なのに気温が異常に高い。
当然ながらソラマメの終了するのも早まっているようです。


倒伏対策は土寄せとしっかりしたパイプ支柱に横テープを2段に張った簡易な方法で問題ありませんでした。


ソラマメ全体が少し黄ばんできました。収穫のピークを過ぎると次第にこのようになってきます。


昨年少し出たエソ系のウイルス病は今年は見られませんでした。
ソラマメに付き物の赤色斑点病(チョコレート斑点病)通称チョコ斑は少し見えています。


雨が多ければ蔓延することも珍しくありませんが、今年は総じて高温乾燥です。
病害虫対策は越冬前のアブラムシ予防の粒剤施用のみです。
当地方の主力品種は中早生種の「打越一寸」。一方、我が家の品種は「河内一寸」です。
元々3粒莢が少ない品種のため後半は殆ど2粒、1粒莢になります。意外にも今年は結構3粒莢があります。


「河内一寸」は粒の大きいのが取り柄なので自家用向きです。
今年は上段の着莢が良く5、6段くらいまで着莢している株もありました。
しかし、高温乾燥の影響か思ったほどは肥大しませんでした。


一方で後半になると例年錆の付いた莢が目立ってくるのですが、今年は非常に少ない。


もう少し雨が降ってくれれば良かったとは思うもののトータルで見れば良作だったと思います。
この程度穫りました。我が家のこの時期としては綺麗な莢です。


終盤になるとどうしても穫り遅れ気味になります。
今年は莢の外観に余り変化がなかったため実の熟度は進んでいることが多かったような気がします。
むき身としては悪くありません。


熟度が進んでいると思い3分間茹でてみました。


茹でた粒はお歯黒が黒くなっているものが多かったので長めに茹でるのが正解でした。
この後は、一度に纏めて穫って終了とします。
最盛期の先週末、当地方のある直売所でそらまめ祭りが催され賑わっていました。
当地方がソラマメの生産が盛んになったのは、その昔「終り初物」の産地として珍重されたからです。
かつて、越冬栽培されるソラマメは当県南部が北限とされました。
京浜市場に出荷されるソラマメは鹿児島から順次北上し当地方が最後なのでした。
しかし、30年余り前、当県北部で春播き栽培が開始され、以来、どんどん北上して北海道にまで達しました。
当地方がかつて「終り初物」の産地だったのも遠い昔となりました。そして、それを知る人間も少なくなりました。