そぞろ神の物につきて―日本列島徒歩の旅の記録

  (2008年 日本海側)
  (2011年 四国八十八ヶ所)
  (2014・15年 太平洋側)

徒歩の旅 第27日 出雲市  ゑびす屋ユースへ

2009年03月03日 | 2008年日本海側の旅
5月7日(水) 晴、風強し (「キララ多伎」~出雲市 「ゑびす屋ユースホステル」)



5時、起床。浜辺の傍でのテント泊だったので、万一津波でも来たらひとたまりもなく、余りよい宿泊場所の選択とはいえなかった。また、潮鳴りはむしろ子守唄がわりで心地よくまったく気にならなかったが、夜半から寒くなってきたので、もうだいぶ慣れたとはいうもののやや睡眠不足だった。
6時、出発。


国道9号線を離れ、久村海水浴場を見ながら海岸に沿った地方道を行くことにする。道の駅のすぐ先に「見晴らしの丘公園」というのがあり、ここでなら草地の上の幕営も可能だし、海岸線よりもだいぶ高いので津波の心配も少なかっただろう。風車は、キララトゥーリマキ風力発電所である。


また、波の上遠くには、出雲半島の山々が見える。そこが今日の到着地点である。


海は、ラジオの天気予報では、波の高さ2メートルとのこと。長い海岸線では、波頭がくずれる姿が複雑な形になって面白く、見飽きない。何コマか写真を撮る。




6時45分、海沿いの畑でおばあさんが作業している。


7時10分、さらに海岸線を行く。振り返ると、風車もずいぶんと遠くなっている。


国道ではないので車の量は少ない。
7時30分、非常に芳ばしい臭いがし、豚舎がいくつもあるところを通る。
7時45分、国道9号線への分岐地点に、四阿があり、広々とした海を見ながら休憩し、カロリーメイトを食べる。
この道路は、「くにびき海岸道路」と名づけられている。


その後は、目印らしきものが分からないままに道路が海岸線から離れていったのだが、複雑な地形で、現在地を確認できないまましばらく行く。
途中に咲いていたニセアカシアの花(と、思うが)。


8時50分、西園町の表示を発見し、現在地が確認でき一安心する。空は晴れあがって汗ばむ陽気。


8時55分、出雲の山々が間近である。


9時05分、神戸(かんど)川を渡る。汽水域で魚が豊富なのか、川で漁をしている舟が5艘ほどあった。


川の傍のビニールハウスと舟が陽を浴びている。


9時10分~30分、荒茅町のローソンで、牛乳、おにぎり2個、スティックパンを買い、出雲大社への道を確認する。コンビニの駐車場で食事をしていると、早朝でまだ客が少ないせいか、ザック姿に興味をもったらしい店長がやって来て、グレープヨーグルトを1つ呉れる。少し旅の話をし、激励される。彼の夢は、夫婦で四国八十八ヶ所をめぐることだと言っていた。また、若い女店員も飴をくれて、「頑張って」と応援してくれる。これまでに、コンビニで買い物のついでに歩き旅の話になり、「頑張って」と何回も激励されたが、実際に商品を貰ったのは初めてだった。
9時50分、大社方面へ、明瞭になった道を行く。


10時05分、スーパーで買い物。トマト、きゅうり、氷砂糖、いわしハンバーグ、電池。
10時35分、時間がたっぷりあるので、ひとまず県立浜山公園へ。


公園案内図。左側上部に少年野球場。


公園は広く非常にきれいだが、時間帯のせいか利用者の気配はなく、高齢の男女が、草の手入れやトイレの清掃などをやっている。
ユースの時刻には早すぎるので、少年野球場の横の草の上で、食事をしたり昼寝をしたりして時間を過ごす。やや風が強かったものの、空は青く高く、日差しは快く、銀マットを敷いてしばしの間快適に眠る。「至福の時をむさぼった」ということ。長い旅だから、たまにはこんな事があってもいいだろう。
『奥の細道』の文庫本も、下関で買って以来、パラパラと眺める程度だったが、少しまとめて読み返すことができた。
公園を出ようとするときに、元電気屋だという58歳の男性と少し話をした。彼は体調を崩して仕事をやめているのだが、1年ほど前からパソコンを覚え始め、ようやく慣れてきたとのこと。インターネットでの外国の報道(例えばチベットについてなど)を知ると、国内の新聞やテレビがいかに情報を不十分にしか伝えていないかということを実感する、と憤慨していた。確かにそうかもしれない。例えば、郵政民営化の選挙のときのことを思い出しても然りである。「小泉劇場」などと面白おかしく報道し、刺客などと騒ぎまくったが、民営化の真の姿をあきらかにしようという姿勢とは程遠かった。
15時20分、出雲大社へのルートも明瞭。


15時35分~16時、「道の駅 大社ご縁広場」にある「吉兆館」で、吉兆幡や出雲の伝統行事の展示を見学する。無料。


出雲ガイド『物語ろう、出雲国大社』600円を購入する。手短に知識を得たいという虫のよいことを考えてのことだが、ようするに付け焼刃である。


16時15分、堀川をわたったところに「日本一の大鳥居」がある。



16時20分、松並木を大社方面に進み、「ゑびす屋ユースホステル」に着く。


ユースの奥さん(「ペアレント」と言うそうだ)は一見つっけんどんだったがとても親切で、こちらが風呂に入っている間に、衣類を洗濯し干しておいてくれたりした。夕食は、予約時には出せないとのことだったが、もし我が家と同じものでよければということになり、もちろんお願いする。
同宿者は、整備士をやっている神戸の青年ライダー。気持ちのいい若者で、29歳。これまで自分のやりたいことをやってきたから、そろそろ身を固めることを考えている、と言っていた。
夜、『物語ろう、出雲国大社』を少し読む。

経費  10,955円    累計  100,175円
歩数  29,547歩    累計  1,266,566歩
距離     16km    累計  810km

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