鳥!連続写真!掲載中!

近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

病院システムその4

2017年07月15日 00時00分01秒 | 紹介

 病院システムの重要な部分といえば術後の食事であろう。手術の程度と部位にもよるが、人体の再生能力と密接に関係し、段階を経て普通食に至るが、食事を司る部署と、担当医との情報共有が大切であることは想像できる。大学病院ともなれば、病院自らが給食可能な人員と設備を保有している。調理の前には、栄養士が介在するし、患者個々の病状にあわせる献立を工夫する必要性があろう。

 

 実際の調理現場を見たわけではないが、入院当初、外注しているのであろうと簡単に考えていたが、食事時間が決まっているので、ほぼ時間通りには給食準備が整っていなければならないし、普通食を中心とする献立表は少なくとも数週間前には通知できていることが望ましい。つまり、病院での患者の最大関心事でもあるからである。とはいえ、患者は当然のことであるが、それぞれの病状によって、または回復状態によって、食事の種類が異なっている。その意味では出来合いでは困るし、どう考えても、オーダーメイドとならざるを得ない。

 

  そのように考えると、大変さがわかる。つまり、献立のバラエティーをいくつも持ち合わせていないと対応できないであろう。献立は入退院が激しければ、それに応じた適切な判断と対応が求められる。担当医と密接な連絡調整ができていなければならない。従って、外注では対応が不可能と推察される。場所は異なっていても常時、患者の状況に合わせた給食サービスがシステマティックに動いていなければならない。このことは、ほぼ決まった経費の中で、食材を選択し、定時に間に合うように患者の状態にあわせて加工調理するという神業が求められているのである。

 

  毎回、提供される食事の感想をメモ書きできるペーパーが付属していて、患者とのパイプ役を果たしているようであった。毎回のこととなると、病状によってはそう簡単ではないが、自分は、入院している間、ほぼ毎回の食事にコメントを書いたものである。どれだけの患者がコメントを書くかはわからないが、提供される食事への感謝と病状の回復は食事を通じてよくわかるものである。

 

  食物アレルギー、糖尿病、高血圧、痛風等減塩や、食材の選択にも注意を注がなければならないが、併せてカロリー計算や、季節を感じさせる味覚ともなれば、総てがかなうことはできないにしても、何らかの工夫や努力が感じさせられる食事が多かった。

  改めて、数多い病院のシステムの中で、給食システムは注視に値する得意な分野であったと感じたところである。


病院システムその3

2017年07月10日 00時00分01秒 | 紹介

 入院患者の生活サポートは、病院生活の全般にわたる。病状によって異なるが、方向的にはいかに短期間で元の体力と生活を取り戻すか、つまり、自立支援にある。そのためには体調管理がベーシックな指標となるであろう。検査の項目は、体重、体温、血圧、心拍数、血中酸素濃度等である。起床時、昼食後、就寝前の3回が測定される。手術後はICUと呼ばれている集中治療室で医師の監視の下で過ごすことになるが、体調が安定すれば一般病室に移ることになる。その判断は、担当医の判断となるのであろう。

 

 点滴を含め、薬剤投与には、毎回患者本人かどうかの確認が口頭で行われるとともに、入院時には、個人IDが書き込まれたバーコードの腕輪(テープ状のプラスチック製)をはめることになる。多くの患者を識別し、区別するにはこの方法が最も適しているのであろうか。患者の取り違え医療ミスを防ぐためであろう。患者の容態は常にナースステーションが監視しているが、ナースは通常二交代制で夜勤を担当する少数の看護師は顔が異なっていたが、日勤担当との申し送りは確実になされているようであった。病室の部屋割りは大方決まっているようである。一日に数回の医師と看護師とのミーティングが開かれていた。当然、担当医の回診は頻繁に行われている。

 

 自分が入院した病棟は9階であったが、中央のエレベータホールを中心に左右に分かれそれぞれナースステーションがあった。看護師の実数の把握は難しく、多くの看護師がいることは明らかであった。病室は患者の治療科別に分かれていたようであったが、必ずしもそうではなく、担当医師もそれぞれのナースステーションに出入りしていたようで、個室に陣取っている様子ではなかった。自分が入院中は、院長や、医師のお歴々の回診場面を目にしなかったのであるが、そのような制度がドキュメントには書かれてあった。

 

 日々患者の容態は変化する。それに応じた適切な処置は、医療に従事する者が情報を共有していなければ対応できないため、大変難しい管理が望まれるのであるが、あまりピラミッド化した組織であり過ぎると、逆に重大な見落としが発生しやすくなる。医療は医師と看護師との協調性にある。ある意味、研究職スタイルの平坦な組織が敷かれているようであった。

 

 今回、医大の看護専門学校の研修生が、卒業前の実務実習のため、各ナースステーションに配属され、個別に患者に張り付く研修が行われていた。もちろん事前に患者の了解が必要となるが、講義だけではわからないナースの仕事を理解するのには大変重要な機会であると思われた。この医大は関東に4か所の施設があり、それぞれが看護専門学校を併設しているという。