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近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

メビウスの輪

2014年12月01日 00時00分01秒 | 紹介

 メビウスの帯ともいわれ、紙テープを適当な長さに切り、片方を180度回してその端を一方に貼り付けると曲面を持つ輪となる。この形は大変不思議な性質を持つため、古くから多方面で研究されてきた。位相幾何学の分野といわれ、その立体はエンドレスであり、表裏が無くなる。生活面ではデザインとして、リサイクルのマークに使用されている。工学や化学の面でこの形状が利用されている。文学の方でもエンドレスの話は終わりがないため、題材に使われやすい。

 表裏一体や、リバーシブルとの考えも出来、唯単に180度捩っただけで多用な展開が可能なのも意外性が受け、手品などにもこのアイデアが使われている。自分もお伽の世界に引き込まれてしまう。鉛筆で表面をなぞると出発点の裏側に到達し、更にその軌跡を進めると出発点である元の位置に戻る。例えば、線でなく文字を書き、それを移動させて、出発点の真下に来たときには、文字が左右反転し、鏡文字になる。透き通ったテープを使うとよく分かる。

 文学の方でのとらえ方は、出発点に戻ることを比喩的に表現し、一周すると左右の向きが逆転する性質を現在と過去に置き換えて、現在に戻るような場合に、「メビウスの輪のようだ」などとして言い表す。

 機械工学では、動力を回転する力に変えるのに、モーターと回転体を繋ぐのにベルトを用いるが、このベルトをメビウスの輪にするとエンドレスに力を伝えることが出来、且つ、ベルトの表裏両面を使えるため、消耗を2倍にすることが出来る。最近では余り使われなくなったが、カセットテープはこの理論が使われていた。磁気塗料を基盤となるプラスチックテープの両面に塗ることによって、両面に磁気記録が可能となり、記憶量が2倍となる。また、蓄電するために用いるコンデンサーもメビウスの輪にすると両面に蓄電できる。

 不思議な性質は、メビウスの輪を帯の幅の真ん中を半分に切断すると捻れた2倍の長さの輪になるが、1周しても裏側には到達しなくなる。捩れを360度にした場合や、帯を3分割した場合など色々試してみるのもおもしろい。0や8のでもエンドレスのことを考えてみると、メビウスの輪と同じではあるが、平面の場合や立体の場合を考えると高等数学となり奥が深い。日常何気ないことやちょっと手を加えたことで異なる世界が表出するのはロマンがあり、興味は尽きない。