3回に分けてお届け致します。食欲は相変わらず旺盛で、草の実を食べていました。
内示が出ると職場内では公表される。異動者はその日の内に異動先へ電報を打ったものであるが、最近は電話連絡が多いようである。自分が行ってきた業務を纏め、引き継ぎの準備をする。既に4月からの年間訓練計画は出来ていて、行事計画、時間割、担当者まで決めてある。私物以外はファイルに纏め、引き継ぎ事項と書類の配置を明示し、机やロッカーの中を整理する。引き継ぎ書類を2部作成し、1部は所属長へ、1部は引き継ぎ者へ渡る。定年退職以外は後任との連絡を取り、引き継ぎ日程を決める。うまく日程が合えば良いが、殆どの場合は双方行き違いとなる。引き継ぎ者が地域外から転勤する場合には総務課が中心となって、住居の手配を行う。子供が小さければ学校等の紹介、職員宿舎の状況等受け入れの準備が行われる。
異動先へは異動前に内々で行ってみることも大切なことだと思われる。環境の違いばかりではなく交通の便や住環境の事前調査といったところか、電話だけでは知り得なかったことを前もって行くことにより、不慣れであっても大体の様子を窺い知ることが出来る。
関係機関への挨拶回りは、異動者の直属の上司と一緒に行くことが通例であるが、関係先も人事異動があり、新人同士で途方に暮れることもあったが、何とか仕事が進むのは周りの配慮によるものだろう。
個人的なことになるが、異動に伴う事務的な処理は組織双方の事務担当者が行うのでさほど煩わしいことはないが、区役所などへの転入届、住民基本台帳作成、運転免許書の切り替え、電話、ガス、水道、電気会社、郵便局への連絡、大家さんや不動産会社との入居契約、銀行通帳の作成、子供がいれば学校への手続き、町内への挨拶等住むことへの諸手続が待っている。中でも引っ越し荷物の運送会社との打ち合わせは、前居住者の引っ越しのタイミングがはっきりしてからでないと日程調整が不可能となるため、気を使うところである。
引っ越しは転勤回数が多くなるに連れて手際よくなるもので、梱包を何時の時点からすればよいか計画的に進めることが出来る。引っ越し業者によっては転勤の時期で多忙となるため、予約を入れるのが遅くなると希望する日時に荷物が着かないことになり、生活を開始するタイミングが狂ってしまうこともあるため、早めに予約すると良い。
転勤は人生転換のイベントでもある。様々な思惑が交錯する場面もあるが、物理的な切り替えとして家財道具を整理し、新天地への期待と慣れ親しんだ同僚との別れなど一度に多くのことが続き、落ち着くまでには一定の時間が必要となる。自分は転勤の良さを多く経験してきた。心機一転するという切り替えのチャンスを与えてくれたと思っている。(このシリーズ最終回です)