ブログ「かわやん」

森羅万象気の向くままに。

普天間基地移設問題と社民党 4;川瀬俊治

2010年05月29日 20時03分06秒 | Weblog
 普天間基地移設と韓国の関係は意外と論及されていないが、29日の済州島での日中韓の首脳会談で李明博韓国大統領が「普天間の移設でよく決断された」との趣旨の内容の発言を鳩山首相にしたと報じられたことは、韓国側が沖縄の米軍基地移設を歓迎したことを明確に物語っているようだ。

 韓国哨戒艦「天安」事件が朝鮮民主主義人民共和国によるものとの断定した韓国政府だが(しかし韓国国内の世論調査では30パーセント近い人々がこの断定には満足していないと伝えられている)、鳩山首相が「抑止力を勉強した」と言いはじめた背景に、この「天安」事件と韓国側の何らかのアプローチがあったと想定されるところだ。

 朝鮮半島での有事での沖縄の米軍基地という使い古された安保観。この考えの根強さをどう越えられるかが今後の新たな転換のカギだといえる。社民や普天間基地を抱える宜野湾市長らが実現を求めるグアム移設案。現実的判断として越えねばならない課題である。

 沖縄の島ぐるみ闘争になった普天間基地移設問題。結果として鳩山首相は沖縄の民意を無視した中で日米合意に「辺野古」が盛り込まれた。歴史的、国際的、軍事的論及から課題克服の道筋を明らかにする必要がある。前政権路線を踏襲した現実に向き合い、積極的な代替基地問題を示す必要がある。
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普天間基地移設問題と社民党 3

2010年05月29日 10時09分45秒 | Weblog
 社民党の福島党首の行動は社民存続を占う意味とともに、沖縄県民の意志の受け皿を考える上で大きな意味を持っていた。私は現実的判断で「連立離脱はない」と過去のJ-NETの記事で書いていたが、その読みは少し修正しなといけないと、今思う。

 どうして現実的判断をしていたかは、社民の連立政権での成果を聞かされていたからだ。国労問題での解決を図ったのに大きな力となったのは社民連立の成果であり、国交省の辻元副大臣が尽力したことを集会で聞いた。無論、辺野古移設決定の先延ばしも昨年12月の福島党首が「連立離脱」をちらつかせる発言がカウンターパンチになったことも事実だ。

 こうした中でたとえ福島党首が罷免になっても連立離脱は、社民としての存在感を消去する政治的選択はとらないとみた。しかし、社民関連の友人に聞くとかなり連立離脱に傾いているという。党首が「クビ」をきられて連立に留まるのは首尾一貫していないというわけだ。その意見が強くなっているという。

 それにしても、鳩山首相はどうするつもりなのか。地元の賛成などまったくないのである。辺野古回帰は。抑止力問題で韓国側が在沖縄米軍基地の重みを評価していると聞く。本日の日中韓首脳会議(済州島)でどうした話が出るのか。哨戒艦「天安」事件について話が出るものの、日本の国内問題であり、また中国との関連ではナーバスな米軍基地問題は出ないだろうが、韓国の反応は何らかのかたちで伝わってくるだろう。

 私は沖縄に新たな基地をつくらせないとして首尾一貫した主張を貫いた福島党首の行動に社民の存在感を示したと賛辞を送る。ただ社民よ、もっと日常活動で足腰の強さをと叫ばざるをえない。それと積極的な代替基地問題を理論的・実際的にも示さないかぎり、沖縄・辺野古基地建設による抑止力発揮論に押されてしまう。ここは社民党をサポートするシンクタンク側の肩に大きくかかる問題である。
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